高市早苗総理大臣は南アフリカで、ウクライナの和平に関する首脳会合に出席した。そして、緊張が続く日中関係で、両国の対話は実現したのだろうか。
最後まで接触なし
「日本は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化、責任あるグローバル・ガバナンスの再構築に向け、G20メンバーと共に行動していきます」
22日から23日にかけて南アフリカで行われたG20サミット。高市総理はスピーチで「自由で開かれた国際秩序の維持・強化」を訴えた。
さらに、高市総理は各国首脳と“旧知の仲”のような近い距離で触れ合い、積極的な外交を展開した。
そうしたなか注目されたのが、高市総理の国会答弁をきっかけに緊張が続く中国側との接触があるかどうかだ。しかし、高市総理のスピーチが終わっても、中国の李強首相は視線を送ることもなく、固い表情のまま。
また記念撮影の場でも2人が言葉を交わす場面はなく、最後まで接触することはなかった。
さらに、中国の王毅外相は22日、タジキスタンを訪問した際、外相会談の場で「日本の軍国主義が再燃することを決して許さない」と、日本を名指しで批判した。
中国の日本批判…弱まる兆しが?
高市総理の発言を巡り日中関係が急速に悪化するなか、中国のSNSではある評論が話題となっている。
タイトルは「日本はすでに代価を支払った」です。国営の中国新聞社が21日夜に発表しました。
内容は中国の「渡航自粛」「水産物の輸入停止」などの対抗措置がすでに日本に大きな打撃を与えたと強調するもので、「圧力で高市総理が言動を抑制するか、短命総理となるか、2つの可能性がある」という意見を紹介しています。
この記事が話題を呼び、検索ランキングなどで23日に1位となりました。
「すでに代価を支払った」とする評論のタイトルから、日本批判が弱まるのではないかという見方が出ている一方、SNS上には「まだまだ足りない」といったコメントも多く書き込まれています。
中国の政治・経済に詳しい講談社・特別編集委員の近藤大介さんは「中国では高市総理への批判一色で、風向きは変わらないだろう」とみています。
中国では「存立危機事態」の「存立」を意味する言葉がなく「存亡危機事態」と強い意味になる言葉に訳されている。これは「自分たちが滅亡させられるから、その前に戦う」といった非常に強い意味に受け取られる。
高市総理の発言は「日本による武力行使」と考えられていて、受け止め方に日中の間で温度差があると分析しています。
そのうえで近藤さんは、今後の予測される対応として、「大使の召還」「日本製品の不買運動」「日本人の入国禁止」「日本企業への規制」など、あらゆる手段が実行される可能性があり、緊張はさらにヒートアップする可能性があると予想しています。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年11月24日放送分より)







