26日、香港の高層マンションで大規模な火災が発生しました。出火から一夜明けましたが、27日午前8時時点では、まだ燃え続けていて、消火活動が続いています。これまでに44人が死亡、270人が行方不明となっています。
夜を徹しての消火活動
火災発生から14時間が経過した、現地時間27日午前5時前。まだ激しい炎に包まれる建物の中に、消防隊が明かりを照らしながら、行方不明者の捜索を行っている姿が確認できます。
31階建ての高層マンションが、炎に包まれています。
4000人が暮らしていた香港の集合住宅で発生した大規模火災。現地消防によると現在までに死者40人。そして、現地メディアによると270人以上の行方が分かっていません。
夜を徹しての消火活動が続けられますが、高層階まで水が届かず、広がり続ける火の手。次々と外壁が崩れ落ちていく様子が確認できます。
「火の勢いが衰えず、現場の状況が非常に厳しいものとなっていました」
燃え広がった要因と指摘されているのが、改装工事中のため組まれていた「竹の足場」でした。
混乱を極める現場
火災発生からおよそ2時間が経過した、現地時間午後5時ごろに撮影された映像です。この時は、真ん中と右側の棟から激しい黒煙があがっていましたが、しばらくすると左側の棟からも黒い煙が上がり、下の階には炎が確認できます。火の手は、みるみるうちに広がっていきました。
香港北部の大埔地区の高層マンションで火災が発生したのは、現地時間26日午後3時前。外には、マンションの住人でしょうか。次々と避難していきます。火災現場を心配そうに見つめる人たち。中には、泣きながら抱き合っている人の姿も確認できます。
「外で皆が『火事だ』と叫んでいました」
「1棟ずつ連続して燃えていきました」
「燃えている最中、爆発して。その爆発した破片が落ちてきた」
ストレッチャーに乗せられ緊急搬送される人もいて、現場は混乱を極めていました。
消防車両が何台も駆け付け、はしご車などで消火活動が行なわれますが、火の回りが早く、放水が届かない高層階にまで燃え広がっています。
現場は合わせて8棟の高層マンション群ですが、そのうちの7棟に燃え移っていきました。
夜を徹して消火活動が行われますが、火の手は収まる気配はありません。
最上階辺りでは、爆発のようなものも確認できます。
報道陣の取材に応じた現地消防は、こう述べました。
「今回の(消防)活動において、消防車が合計128台と救急車57台を出動させております。合計767名の消防隊員と救急隊員を出動させています」
現地消防によると、この火災で44人が死亡しました。この中には、現場で救助活動にあたっていた消防隊員1人も含まれています。
また、現地メディアによると、270人以上の行方が分かっておらず、犠牲者はさらに増える可能性があります。
外務省によると、現時点で日本人の被害は確認されていないといいます。
燃え広がった原因と指摘される「竹の足場」
ここまで被害が拡大した原因として指摘されているのが「足場」です。
去年の高層マンションの様子です。そして現在は、建物全体が緑色の囲いに覆われています。現地メディアによると、築42年の建物で、改修工事が行なわれている最中でした。
そして建物を取り囲んでいた足場は、すべて「竹」でできていて、これが燃え広がった原因だと指摘されています。
香港では、工事などの際に組み立てられる足場に竹が広く使われています。乾燥した竹は油分を多く含み、燃えやすい材質です。
「風向きと、火のついた足場などが近くのマンションへ吹かれていった。そのため、他の7棟のマンションに延焼していったと思われます」
今回の火災では「竹の足場」が燃え、崩れ落ちてくる様子が何度も確認できます。
実は今年3月には、安全性の問題などから、香港政府は「竹の足場」を規制する計画を出し、徐々に金属製の足場へとシフトしていた中での出来事でした。
また地元消防が明かしたのは、高層マンションの消火活動の難しさです。
「火の勢いがとても厳しいもので、現場での温度も非常に高いものです。我々の消防士が、上での消火活動で非常に高温な環境に直面しています。救助要請を受けているが、その階までたどり着いていない場所もある」
改修工事の関係者に事情聴取も
そんな中、地元メディアは「この火災に関連して、警察が3人の男を逮捕した」と報じました。「外壁の修繕に使われた資材が定められている基準値より低い燃えやすいものが使われていた」などとしています。
警察は、現地時間午前6時ごろに会見を開き、改修工事に関わった多くの関係者に事情聴取を行うことを明らかにしました。
「修繕業者と1次下請けか、2次下請けか、工事に関係するすべてのスタッフに関しても、全面的な取り調べをしていきます。一刻も早く火災原因を見つけていきます」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年11月27日放送分より)








