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動植物の国際取引の規制に関する国際会議で、ウナギの取引規制を強化するかどうかの採決が行われ、否決となりました。日本の外交官の“ギリギリの勝負”の舞台裏とは。
ウズベキスタンで開かれている国際会議。ウナギをめぐる新たな取引規制が議題に上がりました。絶滅の恐れがあるヨーロッパウナギはワシントン条約に基づいて、すでに規制の対象となっています。今回、EUなどはニホンウナギを含む、全てのウナギを対象にするべきと主張していました。一方、国内消費の約7割を輸入に頼っている日本はこれに強く反対。中国や韓国も同じ立場を示していました。
投票を行ったのは143の国と地域。可決には3分の2以上の賛成が必要です。どちらに転ぶか分からないとされていた投票結果は賛成35票、反対100票に。
日本側の主張が認められた裏では、外交官による必死の働き掛けが直前まで続けられていました。
外務省 中村亮審議官
(Q.明日採決ですけど)
「どうなりますかね」
(Q.ギリギリの勝負に)
「なかなか見通せないですね」
(Q.明日採決ですけど)
「どうなりますかね」
(Q.ギリギリの勝負に)
「なかなか見通せないですね」
とにかく多くの国を味方に。アフリカの担当者からは、こんな声が聞かれました。
ナイジェリア
「これまでもメールや電話などで“規制反対”の説明を受けています。日本人のウナギへの熱意に感銘を受けました」
「これまでもメールや電話などで“規制反対”の説明を受けています。日本人のウナギへの熱意に感銘を受けました」
スーダン
(Q.明日が投票ですが賛成を?)
「賛成しますよ、日本に。JICAと協力して人材の能力開発をしていきたい」
(Q.明日が投票ですが賛成を?)
「賛成しますよ、日本に。JICAと協力して人材の能力開発をしていきたい」
こうした説得が実を結んだのか。投票前の会議では。
ジンバブエ
「アフリカ代表団はEUの提案に強く反対を表明します」
「アフリカ代表団はEUの提案に強く反対を表明します」
ふたを開けてみれば、反対が賛成を大きく上回る結果に。
エチオピア
「EU案には賛成しかねます。日本政府とは緊密に連携してきて、アフリカ諸国の間でも“日本支持”で結束しています」
「EU案には賛成しかねます。日本政府とは緊密に連携してきて、アフリカ諸国の間でも“日本支持”で結束しています」
ベルギー
「EUの説得が不十分だったのは確か。まさかここまで差がつくとは…」
「EUの説得が不十分だったのは確か。まさかここまで差がつくとは…」
政府は、8月のアフリカ開発会議でアフリカ諸国に行った働き掛けが功を奏した、との考えを示しています。
外務省 中村亮審議官
(Q.この国を取り込めたのが大きいとかは)
「国際社会って複雑で、1つの国をとると、みんな自動的についていくことはない。誠実に1つ1つの国を大事にして働き掛けをしてきた」
(Q.この国を取り込めたのが大きいとかは)
「国際社会って複雑で、1つの国をとると、みんな自動的についていくことはない。誠実に1つ1つの国を大事にして働き掛けをしてきた」
今回の結果は、来月5日の全体会合をもって正式決定となります。
外務省 中村亮審議官
「大きく前進したのはもちろん間違いないから、これはよかったと率直に思うが、まだ安心は完全にできない」
「大きく前進したのはもちろん間違いないから、これはよかったと率直に思うが、まだ安心は完全にできない」
採決を前に、東京都内のウナギ店では心配する声も。
80代
「嗜好(しこう)が変わるのが心配。ドジョウじゃ駄目だもんね」
「ウナギに代わるものはないわよ」
「嗜好(しこう)が変わるのが心配。ドジョウじゃ駄目だもんね」
「ウナギに代わるものはないわよ」
ひとまずの否決に、店の人は。
八べえ二代目 山崎裕八さん
「やったって感じでしたね、本当に。そりゃそうだよって。約3年ごとにそれ(取り決め)が更新されるんで、もっと資源確保を大事にしていかなきゃいけない」
「やったって感じでしたね、本当に。そりゃそうだよって。約3年ごとにそれ(取り決め)が更新されるんで、もっと資源確保を大事にしていかなきゃいけない」
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