国際

サタデーステーション

2025年11月30日 02:16

香港マンション火災 避難した住民が語る緊迫の状況 足場崩れ救助隊近づけず

香港マンション火災 避難した住民が語る緊迫の状況 足場崩れ救助隊近づけず
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29日、警察が600人態勢で捜索を始めました。未だに多くの行方不明者がいる香港の大規模マンション火災。火災の中、避難した住民証言から被害拡大の要因も見えてきました。(11月29日OA「サタデーステーション」)

捜索完了まで3〜4週間か

私たちが新たに入手したマンション内部の写真。壁はただれ、全てのものが燃え、黒い塊やがれきと化しています。その中で煙がくすぶっている様子もわかります。

中国メディアで新たに公開されたマンション内部の映像には、滝のように流れる水。その中を、消防隊員がライトの明かりをたよりに進んでいく様子。その先には、黒くすすけたフロアが広がります。

火災発生から4日目の29日、住民の捜索で新たな動きがありました。

報告・井上桂太郎記者
「警察の災害対応チームがいま、現場に到着しました。この後遺体の身元確認を進めるということです」

災害対応チーム600人態勢で、遺体の身元確認に加え、マンション内での行方不明者の捜索もおこないます。その後、警察は調査の進捗を発表。火元となったマンションを含む2棟が捜索未着手のため、全てを確認するには、3〜4週間かかる可能性がある、と説明しました。

29日、確認されているだけでも死者128人、行方不明者150人以上、身元不明の遺体は44人にのぼります。身元確認は遺体の損傷が激しいため、写真でおこなわれるといいます。

現場にいた人
「(住民の1人と)ずっと連絡が取れていません。遺体の写真を見ても見つかりません」
献花に来た人
「火災発生時は午後3時ごろ、多くのお年寄りが家でくつろいでいる時間です。火災アラームも鳴らず、多くのお年寄りは逃げ遅れたでしょう」

香港政府は29日から3日間、追悼期間としました。香港当局トップの行政長官が出席して、政府関係者による黙祷も捧げられました。香港当局は出火元を低層階の保護ネットとみていて、その後、窓などに貼られた発泡スチロールに燃え移り、短時間のうちにあわせて7棟に拡大した、という見方を示しています。

香港保安局長
「窓をふさぐ発泡スチロールに次々と燃え広がったため、窓ガラスは熱で爆発し、火の手が強くなり、室内に一気に燃え移りました」

修繕工事中だったマンションの窓には、保護するための発泡スチロール製のボード、全体は緑色の保護ネットで覆われていました。さらに、この発泡スチロールで、外が見えにくくなっていたことが、避難の遅れを招いたという指摘もあります。

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住民証言“避難を遅らせた他の原因”

2階から避難した住民
「部屋は今、煙が充満していて、もうドアを開けられません。部屋は真っ暗で、消防隊の救助を待つしかありません」

最初に出火した棟の2階に住む男性が撮影した映像では、窓を覆っているはずの発泡スチロールのボードはなく、外が見える状況でした。

2階から避難した住民
「窓の外を見ると、足場や保護ネットはもう燃えていました。向かい側の棟はすでに火の手が回ってひどい状態でした。パンパンと爆発の音もしていました」

男性が火災を知ったのは、火災の発生直後とみられる午後3時ごろ。

2階から避難した住民
「火災は妻からの電話で知りました。当時は警報も聞こえませんでした。着替えをして(避難しようと)ドアを開けた瞬間、大量の煙が部屋に入ってきました。午後4時すぎ、消防士が私たちを救出しようとしましたが、建物に近づくことはできませんでした。(ビルの外側には)まず足場があって、絶えず上から焼け崩れた竹などが落ちてくるので、住民も消防士も怪我をする可能性がありました。救助されたのは、その2時間後でした。はしご車は一人ずつしか乗れなくて、パスポートだけを持って、財布などは忘れてしまいました。救助されたのは午後6時ごろでした」

2階に住む男性を救出するまで、火災発生からおよそ3時間かかりました。高層階の住民の救出がより困難だったことは、容易に想像できます。

今回の火災をめぐっては、出火原因はまだ特定されていないものの、修繕工事に関わる逮捕者は11人にのぼっています。

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