先週から断続的な豪雨に見舞われているインドネシアのスマトラ島。北部・アチェ州では、土砂崩れで道路が寸断され、現地にいる日本人8人が孤立状態となりました。
避難した1人に、話を聞くことができました。
「雨自体は、11月23日から小ぶりの雨が降り出して、25日が終日雨。バケツをひっくり返したような雨が、(26日)朝まで続くというような状況」
森嵜さんは、ODA=政府開発援助に携わり、水力発電所を建設していました。身の安全のため、同僚とともに近くのホテルに避難することを決めます。
「26日の夕方から停電で、電気が、突然、来なくなって、インターネットも止まった。我々の健康状態、体調の管理や精神的な面もあるので、27日はホテルに行くことを最優先にして移動した」
ただ、男性がいたタケンゴンという街は、道路の寸断によって、街全体が孤立状態に陥っていました。
「タケンゴンの街が、30万くらいの結構、大きな街で、人はバイクとかで移動しているけど、入ってくる燃料がないので、ガソリンスタンドの前は、行列が何百メートルもできていた。物資が入ってこないので、スーパーは閉店していました。コメと卵は、すでにストックがない状態でした」
その後、インドネシア当局が航空機を手配。男性は、1日朝、ほかの日本人6人とともに、約250キロ離れた北スマトラ州の州都・メダンに避難しました。
「電力庁が、チャーター機を飛ばすから、それに乗るようにということで、出発したのがきょうの朝7時です」
現地には、責任者の日本人が1人、状況を監視するため残っていますが、安全は確保されているということです。
この豪雨をもたらしたものは、マラッカ海峡で発生した“セニャール”というサイクロン。
通常は、サイクロンが発生しない場所のため、インドネシア気象庁は、こう警告していました。
「極端な気象現象が発生する可能性があるため、影響を受ける地域に対し、洪水、土砂崩れ、強風による倒木への備えを強化するよう強く要請する」
懸念は、現実のものとなります。
多くの人が土砂の生き埋めになり、ぬかるんだ泥が、救助隊の行く手を阻みました。
道路が陥没したり、橋が崩落したりした影響で、重機が入れない現場も多く、救助活動は思うように進んでいません。
インドネシア全体で死者の数は、604人に上っています。464人がいまも行方不明です。
また、タイでも176人が亡くなっています。
先週、南部・ハートヤイを訪れていた日本人に話を聞きました。
「ハートヤイに着いたときには、傘を差せば出歩けたし、食堂もやっていたので、食事に出られるくらいの雨だったが、翌日起きたら、自分のひざやももくらいまで水が来ていて、宿の目の前に、ざんざん濁流が流れている状況でした。宿の1階が水没して、2階に届くくらい水が増えていた」
タイ政府によると、南部では、約300万人が被災しているということです。
スリランカも深刻な状況です。
最大都市・コロンボで、事業を営む日本人にいまの状況を伝えてもらいました。
「水没しているところから、人が助け出されている。状況が把握しきれていなさそうというのもあるが、かなり、孤立している人はいる」
スリランカの死者は、335人に上っています。













