「偽カルボナーラ」騒動がイタリアで起こった。ベルギー・ブリュッセルの欧州議会で販売されていたカルボナーラのパスタソースにパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)が使われていたことを受け、イタリア農相が「パンチェッタはあり得ない」と憤慨し即刻調査を要請したという。では日本のパスタにイタリア人はどう思っているのか。
東京高田馬場にある本格イタリア料理店「Trattoria Pizzeria Casasola」のジャンルカ・カサソーラ料理長は「(日本のパスタは)ダメ」と笑顔でダメ出し。「日本のパスタは1回だけ食べたことあって、玉ねぎが入っていて驚いた。肉は大体ベーコンとかパンチェッタばかり。それはイタリアの伝統的なカルボナーラではない」と指摘。
ローマ出身の料理研究家・ベリッシモ・フランチェスコ氏は、日本のパスタは「大好き」だという。「いつも明太子のスパゲティはお世話になっているし大好き。あと梅しそのペペロンチーノも大好き。そういうのは素晴らしいと思うし、せっかく日本にいるから日本のものを活かした料理が良いと思う」。
しかし、日本とイタリアのパスタは全く異なるものだとして「ボロネーゼは本格的なレシピだと代表的な伝統的なスパイスをいろいろ使う。それが、日本は甘い。砂糖を入れたりする。本場のボローニャに行くとスパイシーで、ハーブとかクローブなどが入っている」と解説した。
ジェノベーゼについても「全部違う」と語るベリッシモ氏は「チーズも違うが、松の実の品種も違う。どちらかというと日本にある松の実は苦みが強い。イタリアのほうが若干小さくて甘い。だから味のバランスがちょっと違う」と語った。
ナポリタンについては「いろいろな説があるが、横浜の『ホテルニューグランド』で誕生したらしい。だから当時の日本と当時にあった食文化を考えなければならない。戦後でいろいろとアメリカの影響を受けている。だからどちらかというと、アメリカ経由で入ってきている料理のジャンルに入ると思う。ケチャップ使うところや、ソーセージやベーコンを使うところは非常にアメリカのイタリアンの影響がある」と説明した上で「個人的に好き」と語った。
日本の「サイゼリヤ」については「素晴らしい。コスパ最強のお店。もちろん本格的なレストラン、高級レストランではないけど、コスパで考えると本当にすごい。日本スタイルのイタリアンなファストフード」と絶賛。
イタリアと日本の食文化の違いについて問われると、ベリッシモ氏は「例えば、食べ方の文化。ピザをシェアするというのが日本的。飲み会とかでシェアするのが一般的だけど、イタリアだと一枚ずつピザを頼む。自分で食べきるのが一般的な食べ方。あとカプチーノも、イタリアの朝の飲み物。だから朝以外は飲まないけど、外国の方、日本人は何時でも飲む。それはイタリア人は考えられない」と説明。しかし「自由だけど、好きな時間に飲んでください(笑)」とも付け加えた。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
