ミス・フィンランドの女性がしたアジア人を揶揄(やゆ)するポーズの写真が拡散しています。政界を巻き込み首相が謝罪する事態に発展しました。
“つり目ポーズ”で称号剥奪
人差し指で目尻を引き上げ、笑顔で“つり目ポーズ”をする女性。先月末SNSに投稿された写真には、フィンランド語で「中国人と一緒に食事する」と説明が添えられています。
アジア人への人種差別とされる“つり目ポーズ”。投稿は、またたく間に拡散され非難が殺到しました。
女性はミス・フィンランドに選ばれていましたが、投稿を受け今月11日、大会の主催者側が代表の資格を剥奪(はくだつ)する事態にまで発展しました。
「頭痛と目の痛みを感じて、こめかみをもみました。誰かを傷つける意図は一切ありませんでした。この件が苦しみや誤解を生んだことを悔いており、私にすべての責任があります」(朝日新聞によると)
中国や韓国からも抗議の声
女性は謝罪しましたが、騒動は収まるどころか政界を巻き込んで拡大します。
連立与党の一角をなす右派ポピュリスト政党「フィンランド人党」の国会議員ら3人が、ミス剥奪は厳しすぎるとして、SNSに「つり目」の写真や動画を一斉に投稿し、女性を擁護したのです。
「ミス・フィンランドの称号を失うことに至るまで、彼女が何をしたのかをお見せしましょう。こうしたんです。誰もがやっていそうなこと」
これが再び、騒動の火に油を注ぐ事態となりました。フィンランド政治に詳しい専門家はこう話します。
柴山由理子准教授
「(フィンランド人党は)ウケ狙いとかもあったりする政党で、ミスの方を擁護するという形でやったことが、国際的に見ても注目されてしまったというところだと思う。問題発言が多いという政党です」
フィンランド在住の日本人の男性は「差別表現に抗議しアジア人差別の実態調査と改善を求める」と反発。オンライン署名を始め、6日間で3万筆以上が集まっています。
「(抗議を)言わないことで、相手がこれは冗談として言っていいというメッセージで伝わっているのではないか。そう思って無我夢中のまま、署名サイトを勢いで立ち上げた」
“つり目ポーズ”投稿のニュースは中国や韓国でも報道され、抗議の声が広がっています。
アジア人差別批判で首相謝罪
こうした事態を受け、フィンランドの首相は17日、日本の大使館のSNSを通して声明を発表しました。
「個々の国会議員による最近の侮辱的なソーシャルメディアの投稿に対して、心からおわび申し上げます」(駐日フィンランド大使館のXから)
駐日フィンランド大使館は番組の取材に対し、「首相は今回の写真によって公の議論が日本で巻き起こったことから、自発的におわびを伝えたいと考えました。あらゆる差別的なジェスチャーや表現は到底受け入れられません」とコメントしました。
(「グッド!モーニング」2025年12月18日放送分より)






