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2026年1月1日 17:00

「ハッキヨイ!」英国で相撲クラブ急増中 高まるSUMO熱 ロンドン公演が火付け役?

「ハッキヨイ!」英国で相撲クラブ急増中 高まるSUMO熱 ロンドン公演が火付け役?
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「日本の相撲を体験したい」そんな問い合わせがイギリスで相次いでいます。きっかけは去年開催された大相撲ロンドン公演。21世紀初となるイギリス出身力士誕生の期待も高まっています。
(ロンドン支局 立田祥久)

相撲クラブ「人気が急上昇」

ロンドンのコミュニティセンターの一室で四股を踏んでいる人たちがいます。3年前から活動している「ロンドン相撲クラブ」です。

相撲の基本動作である「四股」に、重心を低く保つ「すり足」。「はっきよい」相手に激しくぶつかる稽古も。月に2回、相撲を愛する男女10人ほどが集まり、アマチュアの大会に向けてトレーニングを積んでいます。

コーチを務めるクラブの代表、ベルさんはいま、イギリスにおける“相撲熱”の高まりを感じています。

ロンドン相撲クラブ サニー・ベル代表
ロンドン相撲クラブ サニー・ベル代表
■ロンドン相撲クラブ代表 ベルさん
「相撲人気が急上昇しています。特に大相撲ロンドン公演以降、マスコミや相撲を体験したいという人から途切れなく連絡がきます」

力士の一挙手一投足が全英へ

ロイヤル・アルバート・ホール
ロイヤル・アルバート・ホール

2025年10月、34年ぶりに開催された大相撲ロンドン公演。音楽の殿堂「ロイヤル・アルバート・ホール」を舞台に5日間行われ、その様子は公共放送BBCでイギリス中に配信されました。

力士らが観光する様子は街ゆく人々の注目を集めました。現地メディアは「土俵の内外問わず素晴らしい光景が繰り広げられた」と評しています。

■ロンドン相撲クラブ代表 ベルさん
「今まで相撲に縁がなかった人たちも、ホールでの相撲を初めて見るうちに惹かれやってみたいと思うようになりました。相撲は誰にでも開かれています。体格が小さい人にも魅力的です。土俵では大柄の相手とだって戦えます」

この日の稽古には、ロンドン公演を見て初めて参加したという人の姿も。

■初参加の男性
「見た目は簡単で始めやすいですが、極めるのはかなり難しいですね」
「トレーニングになるべく参加しようと思います」

記者も「相撲クラブ」を体験 

右が筆者
右が筆者

クラブでは初心者もウェルカムだということで筆者もまわしをつけさせてもらいました。きついコルセットをつけているような感じで姿勢がよくなるような気がしました。

代表のベルさんは筆者を相手に初めは手加減してくれていたようですが…。
本気モードではあっという間に押し出されました。

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SUMO熱 けん引役はあの力士

イギリス国内の相撲クラブは5年前、3つだけでしたが、現在は20を超えたといいます。相撲人気の背景には、ある力士の存在も。

■ロンドン相撲クラブ代表 ベルさん
「ヨーロッパ出身者にとって、力士になるのは非常に困難で、ほぼ手の届かない存在です。しかし安青錦関は圧倒的な活躍を見せています」
安青錦関
安青錦関

ウクライナ出身力士、安青錦関。
2025年の大相撲11月場所で初優勝を飾り、大関昇進を果たしました。ロンドン公演の合間には現地のアマチュア力士とも交流。ヨーロッパで相撲を取る人たちの憧れの的となっています。

■ロンドン相撲クラブ代表 ベルさん 
「本気で相撲に向き合う若者を鼓舞してくれます。力士になるのは不可能ではないと」

兄は日本で修行中 「選べと言われれば相撲を選ぶ」

ロンドンから電車でおよそ2時間半。イギリス東部に力士を夢見る少年がいます。
相撲熱は地方の都市にまで広がっています。

「全てのスポーツから一つを選べと言われたら相撲を選びます」

人口およそ28万人の街で暮らすデイビッド・タラセンコさん、14歳。
授業を終えてまず向かったのは、空きビルを改造した稽古場です。身長185センチ、体重80キロ。
武道が好きな父の影響で3年前に兄弟3人と相撲を始め、去年、ヨーロッパジュニア相撲選手権の
イギリス代表に選ばれました。彼もまた、大相撲ロンドン公演に魅せられた一人です。

「全員が本当に強そうでした。私も同じ立場で大会に出場したいです」

実は、兄のニコラスさんはおととし日本に渡り、湊部屋で研修生として稽古に励んでいます。近く21世紀初のイギリス出身力士が誕生するかもしれません。

「できれば相撲部屋に入り、兄と一緒に相撲を取りたいと思っています」

大相撲の海外公演は6月にフランス・パリでも予定されていて、相撲熱はますます高まりそうです。

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