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ABEMA TIMES

2026年1月9日 11:15

牛乳1パック200円→翌日500円→翌々日800円 ベネズエラ人に聞く経済崩壊「1日でも早くこの国を出て…」

牛乳1パック200円→翌日500円→翌々日800円 ベネズエラ人に聞く経済崩壊「1日でも早くこの国を出て…」
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 アメリカのトランプ大統領の指示により、ベネズエラに攻撃が行われ、マドゥロ大統領が拘束された。マドゥロ政権における経済破綻や、強権的な執政を背景に、今回の攻撃を支持する声も多いが、一部では反米デモも起きている。

【映像】ベネズエラの解放を求めて叫ぶ移民たち

 ベネズエラ国内では自由に声を挙げることすら難しいが、今回の攻撃をどう思っているのか。『ABEMA Prime』では、ベネズエラ人に心境を聞いた。

■ベネズエラはなぜ経済破綻した?

ベネズエラ国民貧困の背景は

 『ベネズエラ?溶解する民主主義、破綻する経済』などの著書があるアジア経済研究所 主任研究員の坂口安紀氏は、「ベネズエラでは1958年以降、30〜40年にわたり、二大政党制による公平な選挙が行われていた。1810〜1820年代に独立した南米諸国は、アフリカやアジア諸国のような独立後の歴史が短い国より、民主主義が根付いている。中でもベネズエラは特にそうだった」と、歴史をなぞる。

 マドゥロ氏の前任は、2013年に病死したチャベス前大統領だ。「チャベス政権時代は石油価格が高く、海外、特に中国から大量の資金も借りられたため、バラマキができて支持率も高かった。ただ当時借りた対外債務の支払いなどが、国家経済をゆがめ、ボロボロにした。しかし、国民負担が増えたのはマドゥロ政権下だったため、『マドゥロが悪い』と支持率が下がった」。

 経済状況については「13万%のハイパーインフレが起き、2014年からの7年間でGDP(国内総生産)も5分の1に縮小した。食べるものも薬もなく、赤ちゃんや子どもが命を落とす。ゴミ収集車に子どもが集まり、ゴミを食べる。いままで想像できなかったことが起きている」と説明する。

 このような現実もあり、「マドゥロ氏の支持率は低いが、抗議しようにも弾圧がひどい」とする。「2024年7月の大統領選で負けたが、それを認めず『勝った』と主張し、政府派が支配する選挙管理委員会も発表した。市民が抗議したが、わずか1カ月で未成年を含む1500人以上の市民が拘束され、25人が命を落とした」。

 そして、「今も常時1000人近くの政治犯がいる。この状況では怖くて街に出られない。以前は『政府を支持しているか』という世論調査が行われていたが、今は怖くて答えられない。そのため数は把握できないが、拘束を喜んでいる人は多いだろう」と推測する。

 高校卒業までベネズエラで過ごし、現在は日本で生活しているカルロスさん(20代)は、「大きなショックを受けている。何年も『なりそうだ』と感じた時はあったが、誰も予想していない日に起きた。4日たったが信じがたく、皆が驚いている」と語る。

 ベネズエラ国内で自営業を営むマリアさん(30代)は、拘束を歓迎している。「ベネズエラでは大半が非常に喜んでいる。しかし、政府の脅威があり表に出せない。SNSなどで話したり、ミーティングを行ったりすると、弾圧の対象になってしまう」。

 カルロスさんは、インフレを理由にベネズエラを離れた。「スーパーに行くことは毎日が挑戦だった。牛乳1パックが、ある日は200円、翌日は500円、あさっては800円と変わる。ベネズエラの経済は、ドル相場の変化に関係する」。

 また、「物が不足し、必死な生活をしているため、泥棒が増えた。銃を持って物を取る。夜に出歩くと確実に悪い目にあうため、私は20時以降、外に出ないようにしていた」と振り返る。

 こうした状況が続き、「未来は見えない。大卒者も仕事を失い、タクシードライバーになるなど、必死に外に出ようとしていた。そうした周囲の大人を見て、『ここには未来はない。1日でも早くこの国を出て、自分の未来をつくらなければ』と思った」という。

■ベネズエラは正常に戻れるのか

ベネズエラ 近年の動き

 いつベネズエラは、正常な状態に戻るのだろう。マリアさんは「選挙は近い将来、行われるだろう。自由で公正であることを期待している。そこで選ばれた政府によって自由が得られる。現政権は、ベネズエラ人から拒否されている」との見方を示す。

 カルロスさんが、故郷へ帰る日は来るのか。「難しい問題だ。理想は、ベネズエラが軍事的な体制から離れ、市民による平和で民主的な国家へ進むことだ。人々が自由に意見を述べ、国民が協力して国を再建できれば、たぶん皆戻ってくるだろうが、なかなかその条件はそろえにくいだろう」。

 坂口氏もスムーズな移行は難しいとして、「2024年の大統領選では、(野党候補の)ゴンザレス氏が正当に圧勝したというデータが出ているが、亡命に追いやられた。ゴンザレス氏が1年遅れで就任するか、それとも新たに選挙をするかになるが、マドゥロ氏が拘束されても、人権弾圧でマドゥロ政権を支えた人々は残っている。地ならしをしてからでないと、民主主義の体制を作れない」と指摘する。

 過去の大統領選は「茶番」だったといい、「2025年のノーベル平和賞を受賞したマチャド氏のような反政府派の主要政治家は、逮捕や公職追放、亡命に追いやられて、選挙に出られなくされている」と解説する。「2024年の大統領選は、国際社会の監視により、初めて透明度の高い選挙ができた。そこでの勝利者がゴンザレス氏だ。同様の選挙をもう一度できればいいが、コストはかかる」。

 SEKAIA株式会社CEO(最高エンパワーメント責任者)の薄井シンシア氏は、「在日ベネズエラ人に意見を聞いて、二極化していると感じた。エリート層は『ベネズエラ人に選ばれたリーダーによる政府を作ってほしい』と言っているが、『プエルトリコと同じ扱いにしてほしい』との意見もあった。プエルトリコには自前の政府があるが、アメリカ領土のため、国民は自由にアメリカへ行ける。そのため、貧困層からは『アメリカの一部になってほしい』という意見もある」と紹介する。

 これに対して、カルロスさんは「よく『一時的なアメリカ占領は良い』とは聞くが、アメリカの一部になるのは極端な意見だ。アメリカではなく、国連や国際社会が手助けして、ベネズエラ人による政府を作った方がいい、という意見の方が多い」と返した。 (『ABEMA Prime』より)

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