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2026年1月16日 18:00

トランプ大統領vsFRB議長 利下げへ圧力エスカレート 揺らぐ…中央銀行の独立性

トランプ大統領vsFRB議長 利下げへ圧力エスカレート 揺らぐ…中央銀行の独立性
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 アメリカ・トランプ政権の利下げを求める圧力がエスカレートしている。中央銀行にあたるFRBのパウエル議長を刑事捜査の対象にする異例の事態となっている。

トランプ氏「遅すぎる男」 対立の背景は

 トランプ大統領とFRB=連邦準備制度理事会の対立が深刻化している。

 FRBの議長は、ジェローム・パウエル氏。2018年2月、議長に就任したが、実は彼を指名したのが、当時1期目のトランプ大統領だった。

 しかし、トランプ大統領は2025年4月、パウエル氏を「Mr.Too Late=遅すぎる男」と呼んだ。自身が求める早期の利下げにパウエル氏が慎重姿勢を崩さないことを批判したものだった。

 そもそもFRBは、アメリカの中央銀行にあたり、政府や議会から独立して金融政策を実行する権限がある。その金融政策だが、一般的に2つある。1つ目が「過度な物価上昇=インフレが起きている際は、金利を上げる」ことだ。これにより、消費や投資を鈍らせ景気を抑制する役割。2つ目は「物価が継続的に下落しているデフレの際は、金利を下げる」こと。消費や投資を促し、景気を刺激する。

 では、アメリカの現在の物価はどうなのか?西部シアトルの場合、マクドナルドのビッグマックは、日本円にしておよそ1200円。ちなみに日本だと480円〜ということなので、倍以上で、いかに物価が高くなっているかが分かる。

 消費者物価指数の推移を見てみると、コロナ禍で大きく上昇し、その後、落ち着いたが、今も3%前後と依然として高い水準で推移している。

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物価上昇も…なぜ利下げ?

 では、物価が上昇している時は金利を上げるのが一般的にもかかわらず、トランプ大統領はなぜ、利下げを求めているのか?

見据える先には中間選挙?
見据える先には中間選挙?

 日銀を含め各国の中央銀行の最大の使命は「物価の安定」にある。しかし、アメリカのFRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」、これが2大責務となっている。

 そのため、毎月アメリカの雇用統計が発表されるが、FRBが金融政策を決定するうえで特に重視する経済指標となっている。

 では、先月の失業率はというと4.4%と高い水準。そして、トランプ大統領は「製造業雇用の回復」「反グローバル化」を政策に掲げているため、いわゆるブルーカラー労働者が主な支持層となっている。

 つまり、中間選挙が今年10月に迫る中、利下げによって雇用を増やし、支持層にアピールしたいのでは、との見方がある。

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揺らぐ…中央銀行の独立性

 一方、トランプ政権がFRBに圧力をかけているとも言われるが、これにより、中央銀行の独立性が脅かされる懸念があるという。

脅かされる中央銀行の独立性
脅かされる中央銀行の独立性

 中央銀行の独立性とは、何のためのものなのか?IMF=国際通貨基金によると、「中央銀行の独立性が高いほど、低インフレを維持できる」という。

 これは、第二次世界大戦中と戦後に実施された「財政ファイナンス」から導き出された教訓だという。

 戦争になると莫大な戦費が必要になる。そこで政府は戦時国債を乱発。それを中央銀行が引き受け、そのため紙幣を大量に増刷。これによって戦後、超インフレとなり国民生活を直撃した。

 こうしたことが、アメリカでもドイツでも日本でも起きた。この教訓から、政府に従属的だった関係から、中央銀行の独立性が重要視されるようになった。

 それにもかかわらず、トランプ大統領は14日、ロイター通信のインタビューに対して「大統領はFRBの政策について意見すべきだ」と発言した。

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円安是正求めるアメリカ

 円安は止まらない。2025年10月、高市政権が発足して以降の円相場の推移をみると、一貫して円安傾向が続いている。

止まらない「円安」
止まらない「円安」

 円安の一因とされるのが、長らく続いてきた低金利政策だが、2025年12月19日、日銀は政策金利を0.5%から0.75%に引き上げたが、それでも円安は止まらず、今週一時、1ドル160円に迫った。

 12日に開かれた日米財務相会談で、ベッセント財務長官は「過度な為替レートの変動は本質的に望ましくない」と述べ、片山財務大臣も「一方的な円安を憂慮している」と伝えた。

 さらに14日には、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに対応を取る」と述べた。

アメリカは円安は是正したい考え
アメリカは円安は是正したい考え

 そもそも、トランプ政権は自国の製造業の競争力を強化するため、円高ドル安志向であり、円安は是正したい考え。

 また、日本にとって、円安は輸出が多い製造業などに恩恵をもたらすが、その一方、輸入物価の高騰でインフレを加速させるリスクもある。

 金融アナリストの大槻奈那さんによると、「さらに円安が加速すれば、日米両国が円買いドル売りで、協調介入する可能性もあるのでは」と指摘する。

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「高市トレード」の行方は

 円安が進行する中で、株価も上昇傾向が続いている。

高市トレードが継続
高市トレードが継続

 年明け以降の日経平均株価の推移では、13日、高市総理が衆議院の解散を検討していると報じられると急騰し、翌14日には史上初めて5万4000円を突破した。

 「解散総選挙となれば政権基盤が安定する、財政拡張的な政策が進む」といった思惑から、買いが強い展開となっていて、“円高・株安”の、いわゆる「高市トレード」が続いている。 

(2026年1月16日放送分より)

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