ロシアからの攻撃が続く中、ウクライナ国民は侵攻開始から丸4年が過ぎる今、どのような思いを持っているのでしょうか?
死傷者7割〜8割がドローン攻撃
今も連日、ロシアからの攻撃が続いているウクライナ。地図上のオレンジ色の部分がロシアが占領したと主張している地域です。黄色の部分は、2025年に拡大したと、ロシアが主張する地域です。
ただ戦況は、全体として膠着状態が続いています。
ラトビアの情報機関の2025年の年次報告によりますと、ウクライナとロシア両軍の死傷者のうち7割〜8割がドローン攻撃によるものだといいます。
兵士の脱走 汚職問題も
ロシアの攻撃にさらされるウクライナでは、兵士の脱走なども起きており、相当な数になっているといいます。
「CNN(14日)」によりますと、ウクライナのフェドロウ国防相は、ウクライナ軍で許可なく持ち場を離れた脱走兵が推定で20万人に上ると明らかにしました。さらに、兵役回避の疑いで指名手配されているウクライナ人が約200万人いるとも明かしたといいます。
他にも、ウクライナ政府にとって深刻なのが、相次ぐ汚職問題です。
イギリスの「BBC(16日)」によりますと、ウクライナの国家汚職対策局は、エネルギー部門の契約企業から契約額の10%〜15%に相当する賄賂(わいろ)を受け取っていたとされるハルシュチェンコ元エネルギー相を拘束したと明らかにしました。
旧ソ連の構成国だったウクライナでは汚職が広くはびこっていて、こうした腐敗の撲滅はEU(欧州連合)への加盟を目指す上で重要な課題となっています。
世論に変化 領土割譲容認も
ウクライナ侵攻から4年経過しましたが、停戦への道筋は見えていません。
ウクライナ、ロシア、アメリカの3カ国の協議は続いていて、次回は2月27日前後に行われるとされていますが、依然としてそれぞれの主張には隔たりがあります。
ロシアは併合を宣言した東部ドンバス地方全域の領土割譲を求めていて、その領土全域からのウクライナ軍の撤退を要求しています。
ウクライナは領土割譲を拒み、前線はそのままにする停戦案を提示。同時に、ロシアによる再侵攻を防ぐ「安全の保証」を要求しています。
領土問題などで折り合えていない状況ですが、ウクライナ国民はどう考えているのでしょうか。
ウクライナのシンクタンク「キーウ国際社会学研究所」が2日に発表した世論調査では、ロシアの再侵略を防ぐ「安全の保証」がアメリカやヨーロッパから提供されれば、ロシアに東部ドンバス地方を明け渡すことを容認すると回答した人が40%を占めたといい、条件付きではあるが領土割譲を認める世論も広がりつつあるといいます。
大統領選の実施は?
そしてもう1つ、ロシアやアメリカがウクライナに求めているのが大統領選の実施です。近いうちに実施するように、圧力をかけているということです。
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ(11日)」によりますと、アメリカがウクライナに対して領土割譲などの和平案を巡る「国民投票」と「大統領選挙」を5月15日までに実施するよう求めているといいます。
ゼレンスキー大統領は選挙に関する具体的な計画を2月24日に発表するように検討していると報じられていましたが、政権内には慎重論もあり、現時点での発表はありません。
日本のウクライナ支援は?
アメリカによる軍事支援停止で、ウクライナへの支援はどう変わるのでしょうか。
日本は、ロシアによる全面侵攻開始2週間後の2022年3月から防衛装備品の支援を開始。これまで防弾チョッキやヘルメット、防寒服、発電機、偵察用の小型ドローンや自衛隊の車両など、いずれも殺傷能力のない装備品を提供してきました。
そして2025年7月、NATO(北大西洋条約機構)がつくった新たな支援の枠組みが「ウクライナ優先要求リスト(PURL)」です。
これはアメリカ製の兵器をNATO加盟国が購入してウクライナに供与するもので、この枠組みにはNATO非加盟国である日本も参加を検討しているといいます。日本の資金で購入するのは、車両やレーダーなど、こちらも殺傷能力のない装備に限定するとみられています。
「5類型」撤廃で武器輸出?
そんな中、日本では武器輸出を巡る新たな議論があります。それは「5類型」撤廃についてです。
現在、日本が輸出できる装備品は「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」など、殺傷性のない5つの用途(5類型)に限定されています。
高市政権はこの5類型を撤廃し、武器輸出を拡大する方針を掲げています。
自民党が3月、政府に提出するという提言案には、武器の輸出先について、ウクライナのような「現に戦闘が行われている国への移転(輸出)」については「特段の事情がある場合」を除き、原則不可としています。
また、過去に輸出を認めていないケースでは、これまで輸出できなかった武器を送る場合や、初めて防衛装備を送る国を対象にする場合などは、総理や閣僚が出席するNSC(国家安全保障会議)で審議するなど、審査を厳格化する内容も盛り込まれています。
(2026年2月25日放送分より)





