アメリカとイランの3回目の核協議が、スイスで行われています。
アメリカからは、トランプ大統領の娘婿、ジャレド・クシュナー氏、そして、ウィトコフ中東担当特使が参加しています。
一方のイランは協議を前に、アラグチ外相は、アメリカをけん制しました。
「我々を攻撃する気なら、周辺地域のアメリカ軍基地は標的となる。誰も勝利しない、壊滅的な戦争となるだろう。周辺には、アメリカ軍基地が点在している。残念ながら、中東全域を巻き込む最悪のシナリオとなるだろう」
アメリカがイランに与える“最後のチャンス”とも伝えられる今回の協議。
「イランは核兵器を保有してはならない。核開発を再開すれば問題であり、実際、その証拠があります」
核開発だけでなく、ミサイルについても、アメリカが脅威にさらされていると、あおる声もあります。
「イランは核開発以外に、アメリカ国民を攻撃するためだけに開発された通常兵器も保有しています。アメリカ本土に届く兵器の開発を進めていて、ヨーロッパの大部分を射程にした兵器を、すでに保有しています」
アメリカ軍は、近年にはない規模の兵力を中東に集めています。
カリブ海に展開していた空母ジェラルド・フォード打撃群は、先週、地中海に入り、イスラエルに向かっていると伝えられています。海軍は、2つの空母が、イランを挟み込むような形で展開。空軍は、カタールやヨルダン、サウジアラビアなどに戦闘機や給油機など、合計300機が配備されているといいます。中東に展開する軍艦の数は18隻。湾岸戦争やイラク戦争時には及ばないものの、過去に大規模な空爆作戦が行われたときと並ぶ規模です。
1998年、アメリカとイギリスが行った『砂漠のきつね作戦』。イラクが大量破壊兵器に関する国連の査察への協力を拒否したことに端を発したものです。
作戦は4日間。
イラクは、軍事施設などに一定の損害が出たものの、フセイン政権は存続しました。大量破壊兵器の実態がつかめないまま、アメリカは疑念を強め、のちのイラク戦争につながったといわれています。
今回も、アメリカのシンクタンク『CSIS』は、トマホークミサイルで核関連施設などは攻撃できる一方、イランの体制転換を狙うには、戦力が不十分と分析しています。
イランの核開発にノーを突き付けるアメリカ。
イラン側としては、『ウランの濃縮度を60%から3.6%程度にまで引き下げる』『7年間、濃縮を停止する』といった譲歩案が報じられています。ただ、アメリカが求めるのは、10年間の濃縮停止とされ、合意が成立するかは見通せません。
「懸念や不安を払拭していくが、核技術を平和利用する権利を放棄する気はない。それが我々の要求だ」
「イランは、開発を再開していて、いまだその悪の野心を捨てていない。我々と交渉して取引を望んでいるが、『もう核兵器を作らない』という大事な言葉が出てこない。外交で解決したいが、世界最悪のテロ支援国家に、核兵器を持たせるわけにはいかない」
1980年代からイランに暮らす日本人に、いまのテヘランの様子を聞きました。
「市民生活について、街中は落ち着いているんです。治安部隊が街角に立つことは全然なく、ごく普通の日常と変わらないですが、インフレがすごいです。1週間ごとに、値段が上がっていく感じです」
先月、起きた大規模な反体制デモ。治安当局が鎮圧し、数千人が死亡しました。今月に入っても、散発的に抗議活動が行われています。
「イラン人の中には『最初から攻撃してくれ。攻撃して倒してくれ』という意見も、かなりラジカルだがある。でも、一般的に言って、やはり戦争は避けたい。話し合いで済ませてほしいというのが、みんなの本音だと思います」
中東に集められた兵器が本当に火ぶたを切るのか。それとも脅しか。トランプ政権内部でも混乱があるようです。
「大規模な軍備増強、部隊の展開、攻撃の可能性について、ホワイトハウス関係者も裏では事態に困惑しています。イラン問題に関して、トランプ大統領が自ら墓穴を掘り、外交で解決できなければ、道は攻撃だけとなったようです。イラン攻撃には、軍トップをはじめ、側近全員が賛同しているわけではなく、『簡単には終わらない』と警告しています」
トランプ大統領は、何を目指しているのでしょうか。
「トランプ大統領の最終的な目的は、イランとディールする、取引すること。交渉によって事態が打開できると、トランプ政権は考えていなくて、やはり軍事的な手段というのは、一度は使わないと、交渉が進まないと考えている。ハメネイ師(イラン最高指導者)が、アメリカとの合意を受け入れざるをえない程度の軍事攻撃をするというのが、一番、考えられるシナリオではないか」
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