アメリカとイスラエルがイランに大規模な軍事攻撃を行い、イランの最高指導者ハメネイ師らを殺害した。イラン側も反撃に出ていて、中東各地に戦火が拡大している。
大規模作戦の全貌
今回の大規模攻撃を見ていく。
イランの政権幹部が標的となった。アメリカ軍は地中海に「ジェラルド・フォード」、ペルシャ湾に「エイブラハム・リンカーン」と2つの空母打撃群を中東付近に展開していた。
先月28日、アメリカとイスラエルがイランに大規模な攻撃を始めた。作戦名は「壮絶な怒り」というもので、イスラエル軍は、戦闘機約200機で約500の標的を攻撃し、アメリカ軍はイランの核施設などを攻撃した。
イランメディアは、国内31州のうち24州が攻撃されたと報じた。
攻撃直後の衛星画像を見ると、テヘラン中心部にあるハメネイ師の邸宅とみられる建物が破壊され、黒煙が上がっているのが確認できた。
その後トランプ大統領は自身のSNSに「歴史上最も邪悪な人物の1人であるハメネイが死亡した」と投稿し、イラン国営放送も「ハメネイ師が殉教した」と死亡を認めていて、娘や孫も死亡したと伝えている。
またイラン国営メディアは、ナシルザデ国防軍需相やムサビイラン軍参謀総長、そしてパクプール革命防衛隊・司令官などイランの軍事分野の幹部らが相次いで死亡したと発表した。
作戦決行の背景は?
政権中枢をどのように狙ったのか?作戦の詳細が分かってきた。
ニューヨーク・タイムズによると、アメリカのCIAが数カ月間にわたってハメネイ師を追跡し、居場所や行動パターンを把握していたという。
そしてアメリカの情報筋によると、ハメネイ師は28日の夜、テヘランで幹部と会談予定だったため、当初アメリカとイスラエルは夜間に攻撃を行う計画だったというが、イスラエルの情報機関が、会議の時間が28日の「朝」に変更されたとの情報をつかみ、アメリカとイスラエルは28日の朝、攻撃に踏み切ったとロイター通信は伝えている。
攻撃を受けたイランは中東各地に報復攻撃を行っている。
イランは攻撃を受けた直後、イスラエルにミサイルを発射。また、アメリカ海軍・第5艦隊の司令部があるバーレーンをはじめ、UAE(アラブ首長国連邦)やカタール、クウェートなど周辺国のアメリカ軍施設にミサイルやドローンで攻撃を行っている。
イランのペゼシュキアン大統領はハメネイ師の死亡を受け、イランには報復攻撃を行う「正当な権利がある」と主張し、報復に「全力を尽くす」としており、攻撃の手を緩めていない。
アメリカとイスラエル、それに対抗するイランによる攻撃の応酬が断続的に続き、被害は中東各地に広がっている。
今後の指導体制どうなる?
最高指導者を失ったイラン国内では混乱が広がっている。有力な後継候補はいるのか?
イラン最高指導者のハメネイ師には権限が集中しており、行政、立法、司法といった三権を掌握している上に、国軍とは別に自身に忠誠を誓う「革命防衛隊」という軍事組織を持つ。ただ今回、アメリカとイスラエルによる攻撃で、ハメネイ師も、革命防衛隊のトップも死亡した。
次の最高指導者について情報が出てきている。
そもそもイランの最高指導者は終身制で、死亡した場合、本来はイスラム聖職者88人で構成する「専門家会議」が後継者を選出するが、国営メディアによると、今回イランは臨時の指導者評議会を設置し、次の最高指導者が選ばれるまで、この評議会が権限を代行するという。
ニューヨーク・タイムズによるとハメネイ師は、今回の攻撃に先立ち、自身が殺害された後も体制が存続できるよう後継の体制について側近らに指示したという。
CNNは有力な後継候補として何人かの名前を挙げている。
まず、強硬派の聖職者として知られ、西側に強く反発しているメディ・ミルバゲリ師。それから、初代最高指導者ホメイニ師の孫で、ほかの人に比べて穏健な姿勢で知られているハッサン・ホメイニ師。そして、神学校の学長でアラビア語と英語が堪能なアリレザ・アラフィ師。
トランプ大統領の狙いは
では政権転換を狙っているというアメリカ・トランプ大統領は、今後のイランの体制についてどう考えているのか?
トランプ大統領は攻撃後すぐにイラン国民に「我々の仕事が完了したら政府を転覆させよ。それ(政権)はあなた達の物になる」と呼びかけている。
イラン国内では去年からテヘランで物価高への不満から反政府デモが発生し、イラン全土80以上の都市に拡大していた。
アメリカ・CBSニュースのインタビューで、次の指導者について意中の人物がいるのか聞かれたトランプ大統領は「良い候補者が何人かいる」と答えている。
“ホルムズ封鎖”とタンカー攻撃
イラン革命防衛隊がホルムズ海峡を事実上、封鎖する中、周辺では、石油タンカーへの攻撃が相次ぎ、日本への影響も懸念されている。
攻撃した理由についてイラン政府は、「ホルムズ海峡を渡らないように」という警告に従わなかったからだと説明したとトルコの国営メディアが伝えている。
こうした中、アメリカ軍がイラン海軍に攻撃を加えているという。トランプ大統領は日本時間2日未明、自身のSNSで「イラン海軍の艦船9隻を破壊し沈没させたと先ほど報告を受けた。残る艦艇も追撃中だ。それらも間もなく海底に沈むことになる」と明らかにした。
(2026年3月2日放送分より)








