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2026年3月4日 16:00

ホルムズ海峡“封鎖”「米軍が護衛」も長期化懸念 ガソリン328円 最悪シナリオも

ホルムズ海峡“封鎖”「米軍が護衛」も長期化懸念 ガソリン328円 最悪シナリオも
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イラン革命防衛隊の高官が、世界のエネルギー輸送の要衝となっているホルムズ海峡を封鎖したと表明しました。

石油価格など日本への影響をみていきます。

■イラン攻撃 中東各地に影響 ドローン攻撃でインフラ被害も

アメリカとイスラエルのよるイラン攻撃に伴い、中東各地に影響がでています。

イスラエルのネタニヤフ首相は、イランが2025年以降も核やミサイル開発を諦めず、新たな地下施設を建設していたとした上で、
「いま行動せねばイランに将来大量虐殺を許すことになる」と攻撃の正当性を訴えました。

さらに、イスラエルはイランへの攻撃を続ける一方で、親イランの武装組織ヒズボラの拠点があるレバノンの首都ベイルートなどへの空爆を行っています。

さらに中東のアラブ首長国連邦とバーレーンにあるアマゾンドットコム傘下の『アマゾン・ウェブ・サービス』は中東での紛争に伴って、ドローン攻撃によるインフラへの被害が出ていると発表。
電力供給が遮断されるなどして一部で障害が発生しているといいます。

■ホルムズ海峡 封鎖した?アメリカとイラン 食い違う主張

特に緊張が高まっているのがホルムズ海峡です。

イランの南部に位置するホルムズ海峡。
海峡の幅は約30kmで、原油などを運ぶタンカーが通過できる水深がある海域の幅は6km程度で非常に狭い海峡です。
世界で消費される原油の約2割が通過し、輸送の代替手段はほとんどない場所です。

イラン革命防衛隊はホルムズ海峡付近で、アメリカ・イギリスの石油タンカー3隻をミサイルで攻撃したと表明しています。

さらにイラン革命防衛隊は、
「通過しようとする船には火を放つ。この地域からの石油輸出を許さない」としホルムズ海峡を封鎖したと表明しました。
一方で、アメリカの中央軍は、
「エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡は封鎖されていない」とし、今回の動きは恐怖をあおることを目的とした『圧力戦術』だと表明しました。
中東問題に詳しい慶応義塾大学大学院教授の田中浩一郎さんです。
『撃つぞ』と脅しをかけている上に近辺の海域で船舶が被弾している状態。これ以降、海峡を通航しようとする船舶がいなくなれば事実上の封鎖が成立する」
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■ホルムズ海峡 トランプ氏「米軍が護衛」“封鎖”いつまで?

イランはいつまで封鎖を続けるのでしょうか。

現状では、アメリカ軍は、
「イランはオマーン湾に11隻の軍艦を保有していたが今はゼロになった」と発表しています。
田中さんによると、
「イランが海上で封鎖の圧力をかけるのは難しくなった」といいます。
封鎖をする際、機雷の使用をするのか、田中さんによると、
「イランは機雷自体は持っているので、使わない手はないが、すでに多くの艦艇を失っている中、敷設のため海に出ていく余裕があるのか疑問」ということです。

しかし、過去にイランは、イラン・イラク戦争の最中、民間船を使用して機雷の敷設を試みたことがあるといいます。

ドローン兵器を使う可能性もあります。

設定された標的へ飛行できるGPSを搭載した、ドローン兵器で威嚇をする可能性です。

田中さんによると、
「民間船にとっては実際に攻撃を受けなくても周りを飛ばれるだけで脅威に」なるということです。

イラン攻撃発生後、複数の保険会社はホルムズ海峡を通過する船舶の保有者に対し、保険の解約や大幅な値上げを通知。
自主的な航行停止が広がっている状況です。

そんな中、アメリカのトランプ大統領は、
「必要に応じて、米国海軍はホルムズ海峡を通過するタンカーの護衛を可能な限り早期に開始する」と自身のSNSで表明しました。
いつまで封鎖が続くのか、田中さんです。
「イランに反撃能力がある限り航行妨害は続くが、イランの体制が崩壊すればいったんは終わる。仮に機雷が敷設された場合には、交戦が終息した後も掃海作業に時間がかかり、事実上の封鎖状態は長引く」ということです。
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■“封鎖”長期化で電気・ガス・卵も上昇の可能性

石油の輸送や価格に影響が出ています。

海運業界の大手、日本郵船と商船三井はホルムズ海峡の運航停止を決定
アメリカ産原油の先物価格は3月2日、一時1バレル=75ドル台で、前の週の終値と比べ12%上昇、8か月ぶりの高値となりました。

生活への影響について、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの試算です。

3つのシナリオがあります。

1つ目、楽観的シナリオ
軍事衝突が比較的限定されるケースで、原油価格が14.9%上昇した場合です。
ガソリン価格は2月末時点の全国平均で1リットル157円ですが、これが181円に値上がりします。
2つ目、1番可能性が高いメインシナリオ
原油輸送の支障が長期化するケースでは、原油価格が29.9%上昇した場合、
ガソリン価格は1リットル204円に値上がりします。
3つ目、最悪の場合を想定した悲観的シナリオ
中東全域に軍事衝突が拡大し、ホルムズ海峡が完全に封鎖されるケース。
原油価格が109%上昇した場合、ガソリン価格は1リットル328円に値上がりします。

2つ目のメインシナリオ、原油価格29.9%上昇した場合です。

電気料金は、月792円上昇、
ガス料金は、2〜3割程度上昇、
卵1パックは、10円〜20円上昇する試算です。

木内さんです。
「軍事衝突が拡大した場合はさらなる影響が懸念され、物価は1年間で1.14%押し上げられ、実質GDPは0.65%押し下げられる
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■LNG停滞 世界的に供給不足の懸念 日本への影響は?

石油以外への影響です。

高市総理です。
「LNGについてはホルムズ海峡を経由する輸入は6%程度、加えて電力・ガス会社は日本全体の消費量の約3週間分の在庫を保有している」として、電気ガス料金が直ちに上昇することはないと説明しています。

LNG(液化天然ガス)とは、 天然ガスをマイナス162℃まで冷却し液体にしたもので、タンク内で気化するため長期間貯蔵ができません
主に、火力発電の燃料や都市ガスに使われています。

日本のLNGの主な輸入先です。

オーストラリア39.8%、
マレーシア13.8%、
ロシア8.5%、
アメリカ7.5%、
インドネシア6.1%、
カタール5.4%、
パプアニューギニア5.3%、
オマーン4.6%などとなっています。
中東への依存は輸入全体の約11%です。

日本企業の対応です。

10カ国からのLNG調達を行う発電事業会社JERAは、
「中東からはカタールやUAE(アラブ首長国連邦)と長期契約しているが全体の約1割。直接的な影響は現時点ではないと考えている。攻撃がどの程度続くのかなども注視していく必要がある」としています。

カタールでは国営エネルギー会社が施設に被害を受けたとして、LNG生産の一時停止を発表
カタール産LNGは世界の供給量の約2割をしめています。
3月2日には、生産停止の発表を受けて、ヨーロッパ向け取引価格が前日から一時約2倍に急騰しました。

田中さんです。
「日本の対中東依存度は高くはないが、世界のLNG供給量でみれば無視できない量をカタールなどが生産・輸出しているので世界的な供給不足が懸念される

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年3月4日放送分より)

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