国際

ABEMA TIMES

2026年3月5日 16:30

【緊急解説】イラン攻撃から5日「次のトップなし」「仲介国なし」で出口は? 専門家「空爆だけで9000万人の国民を屈服させることはできない」

【緊急解説】イラン攻撃から5日「次のトップなし」「仲介国なし」で出口は? 専門家「空爆だけで9000万人の国民を屈服させることはできない」
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 アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃開始から5日が経過したが、中東情勢は出口の見えない深刻な混迷が続いている。収束に向けた「落とし所」などについて国際情勢ウォッチャーの武隈喜一氏に聞いた。

【映像】イラン軍艦が「魚雷」で撃沈された瞬間

 武隈氏はまず、戦闘が当初の予想を超えて拡大・泥沼化している現状について、「当初思っていたよりも規模が大きくなって広がっている」と指摘した。昨年6月は主に核施設を狙った攻撃だったが、今回の攻撃では最高指導者や革命防衛隊の司令官が殺害されており、同氏は「自分たちのトップが殺されたという意味で、前回とは全く違った全面的な戦いを続けている」と分析した。また、イランが周辺のイスラム諸国をも攻撃している点について、「米軍が基地を置き、戦闘機などの発着現場になっている以上、イランとしては同じイスラムの国であっても許しがたいということで自分たちが多少不利になっても狙っている」と述べ、仲介役となるべき周辺国までもが当事者へと巻き込まれている現状を解説した。

イランにとっては「象徴的な船」

イラン攻撃から現在までの動き

 さらに同氏は、4日の「アメリカ軍によるイラン軍艦の撃沈」についても言及した。この軍艦はインドで開催された国際的な観艦式に参加した帰り道にあり、武隈氏は「国際的な領域に出たところでアメリカは狙って撃った」と指摘した。同氏は主催国であるインドの立場が難しくなっていることに触れ、イランにとっては「象徴的な船でもあったため、海軍力としても大きな損失」、アメリカにとっては「非常に価値のある宣伝戦」とした。

「空爆だけで9000万人の国民を持つ国を屈服させることはできない」

死亡したハメネイ師の次男

 イラン側の指導体制の空白も深刻だ。武隈氏は、攻撃から5日が経過しても次期最高指導者が決まらない異例の事態について、「幹部がかなり殺されており、誰にするのか非常に難しい人選になっている」と述べた。死亡したハメネイ師の次男を後継とする案についても、「本来、世襲で選ばれてはならない宗教指導者の地位において、世襲になった場合に国民がどう反応するかはわからない」と懐疑的な見方を示した。その上で、同氏は「停戦を決める権威を持った相手が国内に誰もいない。まずそこが決まらないと、アメリカ側も次の動きにはなれないだろう」と述べ、交渉相手の不在による事態の膠着を危惧した。

 また、イスラエルが「新指導者が決まればそれも暗殺するだけだ」と強硬姿勢を崩していない点に触れ、武隈氏は「空爆だけで9000万人の国民を持つ国を屈服させることはできない。どこが間に入ってイスラエルを説得し、この戦争を収拾させるのか、今のところ方策が見えない」と厳しく指摘した。

 こうした絶望的な状況下で、武隈氏は3月19日に予定されている日米首脳会談の重要性を強調した。日本が持つイランとの独自の友好ルートを「アドバンテージ」と呼び、「日本の戦後外交が問われていると言ってもいいほど大事な局面だ」と結び、単なる同盟国としての対応に留まらない独自の外交努力の必要性を訴えた。

(ニュース企画/ABEMA)

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