東日本大震災から15年となりました。
イラン情勢の緊迫化で、ガソリン価格や電気・ガス料金への影響も避けられない中、この先、日本のエネルギー政策はどうあるべきなのか、みていきます。
■トランプ氏「間もなく終結」 原油価格は乱高下
「軍事作戦は予定より大幅に早く進んでいる。間もなく終結するだろう」と発言しました。
アメリカ産の原油の先物価格です。
3月9日は1バレル=94ドルで、一時119ドルまで上昇していましたが、トランプ大統領の発言を受けて3月10日に急落し、1バレル=83ドルでした。
「米軍はホルムズ海峡を巡る追加作戦を策定中。石油、ガソリン価格上昇は一時的であり、本作戦は長期的にガソリン価格の低下をもたらす」と発言しました。
■ガソリン価格 東京は1週間で30円増 世界で上昇 2倍増も
世界各国でガソリン代が上昇しています。
東京・足立区です。
3月8日に1リットル157円だったガソリン代が、3月13日には、187円になるということで、1週間で30円の値上げとなっています。
アメリカのロサンゼルスでは、1リットル346円で、2月から倍近く値上げしているということです。
中国、北京でも1リットル約174円で、2週間前より11円値上げしていて、ここ4年で最大の上げ幅だということです。
エジプト・カイロでも15%値上げをしている中、
ロシア・モスクワでは1リットル125円で、変動なしということです。
■アメリカがロシアの制裁解除!?原油価格への影響は?
3月10日、アメリカのトランプ大統領と、ロシアのプーチン大統領が電話会談を行い、中東情勢をめぐって協議しました。
「価格を下げるために石油関連の特定の制裁を解除する」と述べ、ロシアへの制裁が解除される可能性を示唆しました。
アメリカによるロシアの制裁はウクライナ侵攻の制裁としてロシアからの原油などの輸入を禁止するもので、ロシアから原油などを輸入する国には追加関税もかけています。
制裁解除について、インドなど特定の国がアメリカの?制裁を懸念せずにロシア産原油を購入できるようにする措置もありえるということです。
「供給が増えることで、多少は需給緩和に貢献する可能性はあるが、価格は市場、投資家の心理が影響するので、そのまま価格低下につながるか、下がるとしてもどの程度低下するかは読めない」
■ガソリン値上がり G7議論 石油備蓄放出の行方
日本でもガソリン価格が上がる中、石油の備蓄の放出は行われるのでしょうか。
3月10日に開かれたG7エネルギー相会合では、石油備蓄放出を含め「世界のエネルギー供給を支えるために必要な措置を講じる用意がある」と確認し、協調して行動することで一致したということです。
会合には国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長も参加。
G7はIEAに対し、潜在的な石油備蓄放出のシナリオを詳しく作成するよう要請したといいます。
「いつでも行動できるよう準備しておく必要がある」と述べています。
「日本は支持する立場だ」と会合で発言したといいます。
「G7のエネルギー大臣が速やかに集い、世界の市場安定化に向けて、協調して対応する姿勢を示せたことは大きな成果」と述べています。
■“LNG争奪戦”アジアで価格高騰 電気・ガス価格上昇懸念も
LNG(液化天然ガス)の供給不安が高まっています。
カタールでは国営エネルギー会社が施設に被害を受けたとして、LNG生産の一時停止しました。
カタール産のLNGは世界の供給量の約2割を占めています。
「通常規模の生産再開には少なくとも1カ月かかる可能性がある」ということです。
各国のLNGの輸入状況です。
多い順に、
中国が19.1%、
日本が16.5%、
韓国11.4%、
インド6.4%、
台湾が5.3%、
アジア諸国の輸入は全体の約7割です。
LNGの備蓄量は、
日本が約3週間分、
韓国が約30日分、
台湾は少なくとも11日分を確保しています。
LNGはタンク内で気化するため長期保存ができません。
台湾のLNG需要についてです。
台湾の発電割合は2024年時点でLNGによる火力発電が42.2%を占めています。
2011年に発生した東日本大震災での原発事故をきっかけに、台湾政府は、原発に頼らず、天然ガスの合理的利用を促進して電力供給の安全を確保する方針に転換しました。
稼働していた3か所の原発を2018年から順次停止し、2025年には、すべての原発の稼働を停止しています。
“原発ゼロ”を実現した一方で、台湾有事の際には、台湾のLNG備蓄は11日で枯渇し、電力供給がまひする懸念も指摘されています。
アジアのLNGのスポット価格についてです。
スポット価格とは、長期契約の価格ではなく、1回1回の取引ごとに決まる価格で、イランへの攻撃が始まる前の2月27日時点では、11.06ドルだったのが、3月9日には、2倍以上の24.8ドルに高騰しました。
久谷さんです。
「アジア諸国は近くに巨大なガス田が無いため、多くを輸入に頼っている。世界全体の供給量の減少に伴い“LNG争奪戦”になれば、電気やガスの価格上昇につながる」
■3.11から15年 原発7カ所が再稼働 エネルギー政策の今後
2026年3月11日は東日本大震災、そして福島原発事故から15年になります。
今後の日本のエネルギー政策について見ていきます。
福島第一原発の現状です。
福島第一原発では、1日あたり3600〜4900人の作業員が廃炉作業にあたっています。
廃炉に向けて、事故の際に溶けだした核燃料(燃料デブリ)を取り出すことが必要です。
原子炉に880トンあるとみられていますが、現状では、0.9グラムしか取り出せていません。
国や、東京電力は2051年までの廃炉完了を目指しています。
日本の原発の状況です。
福島原発事故後、すべての原発が稼働停止しましたが、現在は、7カ所の発電所が再稼働しています。
東京電力の柏崎刈羽原発6号機は、2026年1月に再稼働し、3月18日に営業運転を開始する予定です。
北海道電力の泊原発は、2027年に再稼働を予定しています。
日本の発電割合は、
LNG、石炭、石油など火力発電が68.6%、
新エネルギーなどが15.3%で、そのうち9.8%が太陽光発電です。
原子力発電は8.5%となっています。
発電のコストの推移です。
2014年と比べ2023年は、石炭、LNGの火力発電が上昇しているのに対し、太陽光、陸上風力の再生可能エネルギーはコストが下がっています。
原子力は少し上昇しています。
世界の発電割合は石炭と原子力が減少していて、太陽光と風力の再生可能エネルギーが増加しています。
政府はエネルギー基本計画で、2040年に再生可能エネルギーの発電比率を40〜50%にすることを目標にしています。
そこで、新太陽光発電として期待されるのが、ペロブスカイト太陽電池というものです。
こちらは、普通の太陽光パネルと違い、軽くて、折り曲げることができます。
ビルの壁や、車体など様々な場所に設置可能です。
政府は2040年までに、原発20基分に相当する発電規模を目指すとしています。
風力発電にも新たな動きがあります。
経済産業省は3月9日、風力発電の風車製造最大手デンマークの「べスタス」と日本での拠点設立に協力する覚書を交わしました。
これにより、国内で設備調達が可能になり、輸送費などのコスト削減が見込まれます。
「将来は再エネが主力になっていくが、エネルギー転換の途中で何が起こるか分からない。危機に備えてエネルギー源を分散し、一定のコストを負担してでもバックアップを維持することも必要」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年3月11日放送分より)
















