日本の船も損傷したホルムズ海峡周辺では、ドローンによる攻撃が相次いでいます。
ドローンは戦争をどう変えたのか、見ていきます。
■日本の商船損傷 イラン「アメリカと同盟国に通過権ない」
イギリスのフィナンシャル・タイムズによると、海事当局などの話として、3月11日未明、日本の海運大手、商船三井が所有するコンテナ船『オーエヌイー・マジェスティ』が、ペルシャ湾で攻撃を受けたと報じました。
船体の一部に損傷があり、日本人も乗船しているということです。
「後方からの振動を乗組員が確認。船に穴が開いているのを発見した」
「全乗組員に被害はなく、浸水、火災、油濁(油の流出)も発生していない。現在、原因について調査中。安全を最優先に、状況把握および情報収集に努める」ということです。
商船三井の船以外にも、タイ船籍の貨物船『マユリー・ナリー』もイラン沖で攻撃を受けました。
船体に深刻なダメージを受け、乗組員は船を放棄した、ということです。
さらに、イギリス海軍の海上通報機関によると、別の船舶からも『正体不明の飛翔体』による攻撃が報告されました。
5時間で、あわせて3隻が被弾しています。
「『マユリー・ナリー』は革命防衛隊の警告を無視し、ホルムズ海峡の違法な通過を強行したため攻撃を受けた」
「ホルムズ海峡は革命防衛隊の管理下にあり、一瞬の躊躇や怠慢もない。アメリカ侵略者とその同盟国に、通過権はない」
「商船は船体に穴が開いているが、自力航行可能。政府は現状、攻撃の主体を断定していないが、防衛省関係者は『機雷なら無理だった』を話している。政府関係者からは今後、海の『人道回廊』設置が必要との声も」
■日本 石油国家備蓄を放出へ 決断の背景 ガソリン価格は?
原油の供給不安が高まっています。
「今月下旬以降、わが国への原油輸入は大幅に減少する見通しだ。万が一にもガソリンなど石油製品の供給に支障が生じないよう、わが国の石油備蓄を活用する」と述べ、3月16日にも、日本単独で石油備蓄を放出する方針を明らかにしました。
放出する量は、石油の民間備蓄15日分と国家備蓄1カ月分で、国内の精製事業者に供給するとしています。
ガソリン価格については、1リットルあたり200円を超える可能性もあるとして、緊急の激変緩和措置の実施を指示しました。
政府は3月19日からガソリン価格を抑える補助金制度を再開し、小売価格を1リットル170円程度に抑制します。
IEA(国際エネルギー機関)も、加盟32カ国が全会一致で石油備蓄の協調放出に合意。
過去最大の4億バレルの石油が市場に供給される、ということです。
これによってホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響を緩和するため、日本、アメリカ、ヨーロッパなどの加盟国が足並みを揃えます。
なぜこのタイミングで日本は石油の備蓄放出に踏み切ったのでしょうか。
「(攻撃が始まってから20日間以内の)このタイミングでの石油備蓄放出になったのは、ペルシャ湾から日本までの航行が20日間というのがポイントだった」
■イラン ホルムズ海峡に機雷敷設か 湾内に日本関係の船舶も
ホルムズ海峡の問題をさらに悪化させる、機雷についてです。
CNNは3月10日、イランがホルムズ海峡に機雷の敷設を開始したと報じました。
「機雷敷設の報告は受けていないが、事実なら直ちに撤去を要求。撤去しない場合は“前例のない攻撃”を加える」としています。
アメリカ中央軍は3月10日の攻撃で、イランの機雷敷設艦など16隻を破壊したと発表しています。
「イランの機雷敷設は数十個にとどまっているが、小型船や機雷敷設艦の9割近くを温存していて、数日で100個近くを敷設可能との分析も」あるとしています。
ペルシャ湾内には日本関係の船舶45隻が取り残されていて、うち5隻には日本人24人もいます。
「機雷数十個の効果は限定的だが『敷設されているかも』という情報に非常に大きな心理的効果がある。石油価格に抑えが利かなくなると全般的にインフレが進行することに」
■ドローン攻撃 ホルムズ海峡周辺などで相次ぐ
ホルムズ海峡周辺などで、ドローンによる攻撃も相次いでいます。
中東全域で、ドローンによる攻撃が続いています。
3月9日には、バーレーンの首都マナマに隣接する地区に、イランのドローン攻撃があり、生後2カ月の子どもら32人が負傷しました。
また3月5日には、オマーン湾に停泊していたアメリカの原子力空母『エイブラハム・リンカーン』にドローン攻撃をしたと、イラン国営メディアが伝えました。
「同艦は攻撃を受けていない」としています。
他にも、UAEとバーレーンの『データセンター』、サウジアラビアの『製油所』や『アメリカ大使館』などがドローンによる攻撃を受けています。
さらに、イランがアメリカへの報復攻撃を考えていたという報道です。
アメリカのABCニュースは3月11日、FBIアメリカ連邦捜査局がカリフォルニア州警察に対し、イランがアメリカ軍攻撃への報復としてアメリカ西海岸を無人機攻撃する可能性があると警告していたと報じました。
「我々は2月上旬時点で、アメリカがイランを攻撃した場合、イランはアメリカ本土沖にある国籍不明の船舶から、無人航空機を用いた奇襲攻撃を実行しようとしているとの情報を得た」と説明。
標的はカリフォルニア州の未特定の場所だとしました。
「ノー」と答えています。
■変わる戦場 主役はドローン アメリカはAIで対抗?
戦場で使われているドローンについてです。
イランの攻撃ドローンは『シャヘド136』と呼ばれるもので、戦闘開始以降、2000機以上が使用されました。
1機約550万円です。
性能は、低空・低速で飛行するので、防空システムを回避する能力が高い、ということです。
「シャヘドは大きな脅威であり、すべての迎撃は不可能」だと話しています。
「我々はイランが開発したドローンを回収し、それを改良してイランに反撃した。大規模な攻撃を仕掛け、大きな成果をあげた」としていて、ドローンにはAIを搭載しているとの指摘もあります。
笹川平和財団の福田さんによると“AI搭載型ドローン”には、3つのタイプがあるということです。
1つ目は『遠隔操作型』。
AIは目標の捕捉など補助の役割で『操縦や攻撃』は人間が担当します。
2つ目は『半自律型』。
AIは人間の指示に基づき、目標を自動追尾しますが、『攻撃の決定』は人間がします。
3つ目は『完全自律型』。
AIが目標の発見、識別、追尾、攻撃判断、実行を行い、人間は介在しません。
ウクライナ侵攻では、2025年1月のウクライナ・ヘルソン地域では、民間犠牲者の70%が『遠隔操作型』のドローンによる攻撃でした。
「大勢で行動すれば非常に狙われやすい。現在ウクライナ軍もロシア軍も、ドローン追跡されにくくするため、2〜3人の小集団で行動している」
「現状ではAIの性能に限界があるので、ドローンでの活用は限定的で主流は遠隔操作型か半自律型。ただし、今後はAIの進歩により、完全自律型がますます導入されていく可能性があり、戦場での戦い方も変わっていくだろう」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年3月12日放送分より)














