イランの新たな最高指導者・モジタバ師が後継者に選ばれてから、初めて声明を出しました。ホルムズ海峡の封鎖を続けるという姿勢を示しています。イラン情勢の悪化でガソリン価格が急騰し、1リットル200円を超えるガソリンスタンドも出てきています。
初声明で「海峡封鎖継続」
「我々は殉教した者のため、復讐(ふくしゅう)を止めることは無い」
日本時間12日午後10時過ぎ、イランの新たな最高指導者、モジタバ・ハメネイ師が初めて国民に向けた声明を発表しました。
モジタバ師は国民に対し徹底抗戦を訴え、現在の強硬姿勢を継続する考えを示しました。
事実上の封鎖が続くホルムズ海峡については「ホルムズ海峡を封鎖するという手段は、今後も確実に活用されていくべきである」と声明で述べました。
先月28日のアメリカとイスラエルの攻撃により、けがをしたと報じられているモジタバ師。声明には本人の映像や音声はなく、女性キャスターによる代読で伝えられました。
イラン革命防衛隊の海軍司令官はモジタバ師の声明を受け、「侵略者へ最も激しい打撃を与える」とXに投稿。ホルムズ海峡での船舶への攻撃激化が懸念されています。
アメリカのトランプ大統領は日本時間の13日午前5時ごろ、ホワイトハウスで開かれたイベントに出席しました。
「イラン情勢は非常に急速に動いている。アメリカ軍は非常に素晴らしい仕事をしている。これまで誰も見たことがないほど素晴らしい。テロと憎悪の国家は今、その代償を支払っている。大きな代償だ」
イラン「原油1Lたりとも」
「中東でタンカーが燃えています。イランがイラクの沖合で、2隻のタンカーを攻撃したのです」
ペルシャ湾のイラク領海で、イランの爆発物を積んだボートがタンカー2隻を攻撃。炎に包まれました。CNNはそのうち1隻は、アメリカの会社が所有するタンカーだと報じています。
「1人が死亡、38人が救助された」
攻撃は、革命防衛隊が支援するイラク国内の武装勢力の可能性も指摘されています。
オマーンでは、燃料貯蔵タンクが攻撃され炎上しました。イランによるドローン攻撃を受けたとみられています。
バーレーンでも、燃料タンクがイランの攻撃により炎上。
11日には、タイ船籍とリベリア船籍の貨物船が攻撃されました。
「本当にホルムズ海峡を通ることができると思ったのか。彼らは空約束を信じ、警告を無視して海峡を通過しようとした。海峡を越えようとするすべての船は、イランの許可が必要だ」
原油などの海上輸送の要所であるホルムズ海峡を通るには、イラン側の許可が必要だと警告しました。
一方、トランプ大統領は支持者に向け勝利宣言を行いました。
「私たちは勝利した。言わせてくれ、勝ったんだ」
しかし、ペルシャ湾を事実上支配しているのはイランです。
「敵国への原油は1リットルさえ、ホルムズ海峡を通らせない。アメリカ軍の艦艇が少しでも前進すれば、強力なミサイル攻撃で後退させる」
悪化の一途をたどるホルムズ海峡。影響は私たちの生活にも及んでいます。
ガソリン急騰1日28円↑
12日、都内のガソリンスタンドを見てみました。
12日、石油元売り各社はスタンドへの卸売価格を一斉に1リットルあたり26円値上げ。これを受けて各地のスタンドでは、大幅な値上げが行われたのです。
「たけー!高くなったね」
「来たらリッター185円で、とてもじゃないけどありえない」
値上げは、都内だけではありません。
札幌市内のガソリンスタンドでは12日、値上げ前の最後の駆け込みで早朝から車列が出来ていました。
「多分、一気にガソリンが出てまずいです。あと10分、20分もつかもたないか。ガス欠、もう地下タンクなくなりそうです」
このスタンドでは、11日から駆け込み給油で長蛇の列が発生。ガソリンスタンドがまさかの“ガス欠”となってしまいました。
その取材中、レギュラーガソリンを積んだタンクローリーが到着。急ピッチで給油作業が行われました。
レギュラーガソリンが189円に。161円から28円の値上がりとなりました。
「1L220円」出荷停止も
すでに1リットル200円を超えた場所も出ています。
海から遠く輸送費がかかるなどの理由でガソリン価格が全国トップ3に入る長野県のスタンドでは、レギュラーガソリンがリッター200円に。
「1日違いで、こんなに上がっちゃった」
「(Q.きょうは何リットル?)20リットル。ちょっと驚いて。ちょっと満タンにできないなと思って」
200円の大台は、都内でも…。
都内にあるガソリンスタンドです。上は価格が消えています。下に値段が書いてありますが、レギュラーが現金220円で200円を超えています。
「やばいですね。びびります」
「やばいですね。急にバーンと上がりました」
足立区にあるガソリンスタンドでは、レギュラーガソリンがリッター220円、ハイオクガソリンはリッター230円となっていました。
「(Q.これ(掲示板)っていうのは?)100円台しか対応していないんですよ。もう急きょだったので、こういう形で手書きになってしまって。(100の位が)2に対応していないので」
掲示板が200円台を表示できないため、急きょ手書きの価格表示に変更したといいます。
店によると、8日に157円だったレギュラーガソリンが9日に162円に値上げ、10日には172円に値上げし、本来なら13日から187円で販売する予定だったといいます。
それが11日から急きょ220円に。わずか3日間で1リットル当たり63円の値上げ。なぜ、ここまで高値になっているのでしょうか。
店に送られてきたガソリンの仕入れの見積り書には出荷停止の文字。営業を続けるため、なんとか仕入れを行ったといいます。しかし…。
店によると、時価で仕入れていたガソリンの価格が前日と比べ、およそ60円上がることが判明。赤字を防ぐために販売価格を上げざるを得なかったといいます。
利用者からは、次のような声が聞こえました。
「220円はやばいですね。予想以上でした。毎日(車を)使っているので、タイミングで、今なくなったから来たんですけど。でも入れるタイミングも考えないといけないですね」
クリーニング店「不安」
衣替えによる繁忙期を迎えるクリーニング店でも、原油価格高騰に危機感を募らせています。
「これがドライクリーニングの機械になります。水の代わりに石油系溶剤を使っています。この機械に200リットル近く(石油系溶剤が)タンクにある」
ウクライナへの軍事侵攻が始まった頃には18リットルで4000円だった溶剤の仕入れ値が、今は6600円と1.5倍以上になっています。
この価格がイラン情勢によって、さらに上がってしまうのではないかと不安を感じています。
石油系溶剤だけではなく、衣服をかけるハンガーや衣類を包装する袋も原料は石油。さらに配送で使う車のガソリン代も、大きくのしかかってきます。
ガソリン補助金「170円に」
原油価格高騰に高市早苗総理大臣は11日、補助金を出しガソリン価格を全国平均で170円程度に抑制するという対策を表明。12日の国会では議論が繰り広げられました。
「ガソリン小売価格を全国平均で1リットル170円に抑えることを表明。その財源としては、すでに積んである燃料補助向けの基金の残高2800億円を使うということだが、これで十分と言えるのでしょうか」
「軽油、重油、灯油までも入れても、今年度十分に対応できる」
高市総理は、基金で足りない場合は予備費を活用することも示唆しました。
政府は石油元売り各社に対し、19日の出荷分から補助金を出す方針です。
ただ店頭価格に反映されるには1週間ほどかかるため、実際に1リットルあたり170円程度で販売されるのは、今月末ごろになる見通しです。
米が地下施設を攻撃か
ホルムズ海峡の封鎖が続く中、石油タンカー2隻への攻撃、中東各国のエネルギー施設への攻撃を続けるイラン。
CNNはイギリスの空軍基地で撮影された映像として、アメリカ空軍のB1爆撃機にバンカーバスター(地中貫通爆弾)が搭載されたと報道。ミサイルやドローンが保管される地下施設を攻撃する準備の可能性を指摘しています。
(2026年3月13日放送分より)


















