アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が、今なお続いている。トランプ大統領による強硬な外交姿勢は、ベネズエラ大統領の拘束や、グリーンランドの領有にまで言及するなど、その行動・発言が世界の緊張感を増している。「ABEMA Prime」ではトランプ氏に対して、”アンチ”のスタンスをとるアメリカ人と議論した。かつての支持者や現役の共和党員ですら抱く「トランプ離れ」の実像と、分断によって引き裂かれたアメリカの現在地が浮き彫りとなった。
■「憲法を軽視する暴走」への懸念

共和党員でありながらトランプ氏のやり方に不満を抱く、自由主義研究所のマット・ノイズ氏は、一連の軍事行動が民主主義の根幹を揺るがしていると指摘する。「アメリカでは、議会が戦争するかを決めないといけない。トランプ氏は『作戦』と主張しているが、他国のリーダーを殺しているからこれは『戦争』だ。その理由だけでも私はこの戦争に賛成できない」と述べ、議会の承認なき武力行使を批判した。
さらに、大統領という巨大権力の私物化について、「トランプ氏は個人的なクセが強い。勝手にやることを、みんな嫌がっている。憲法が定める大統領の権限以上のものだ。それは保守派があまり好きではないところだ」と、共和党が重んじる法治主義からの逸脱に警鐘を鳴らした。
また、「自分への支持・不支持が基準になっている。違う意見を言うと、トランプ氏があまりにも強く叩き潰そうとする」と語り、自由な議論が封殺されている現状を明かした。
■「分断国家」悲劇と党の変質

18歳の誕生日に共和党員に登録し、党を支えてきたストラテジーアドバイザーのトム・ローガン氏は、2021年に離党の決断をした。トム氏は、トランプ氏は変わっていないが、共和党そのものが「カルトに近い存在」に変質したと訴える。
「私は若い頃にカリフォルニアで、レーガン元大統領の研究センターでアルバイトをした。今はその時代のレーガン主義とは全く違う共和党になった。トランプが変わったのではなく、党が変わった」。
トム氏が何よりも嘆くのは、国内の深刻な分断だ。2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが起きた。国民にとってこの上ないショッキングな事件だったが、その結果、当時のブッシュ大統領の支持率は90%を超えた。「あの時は民主党でも、共和党でも、みんな一緒だった。素晴らしいアメリカであった。今もそうなれる可能性はあるが…」と期待はしていたものの、現在はまるで異なっていると嘆く。
「今はもう完全に正反対で分裂国家。大統領は国を統一する人。分断しないようにするのが仕事なのに、発言が分断を招くものばかり」と語り、その影響は家庭にまで及んでいるという。「自分の家族であったとしても、感謝祭でもクリスマスでも集まる時に『政治の話をしないで』というものがある。そうしないと、誰か立って帰ってしまう。それはひどい状態だ」と、家族の絆すらも壊れていると指摘した。
■「自己利益のみを追うペテン師」との告発

民主党員で元海兵隊員のランディ・リース氏は、トランプ氏を「国家のリーダー」としてではなく、「自己中心的なビジネスマン」として徹底的に糾弾した。
「トランプ氏のことを話す時に、共和党・民主党で括るのが間違い。トランプ氏は共和党でもなく民主党でもなく、自分のためだけにいる。彼は昔からペテン師。口からでまかせばかりを言う。支持者が聞きたいことばかりを言うが、それを実行に移そうという気は全くない。票を得て、勝ってしまえば、あとは好きにしていいと彼は考えている」。
イラン攻撃についても、「攻撃をするための理由として、でまかせを言っているだけで、実際にイランが核開発をしていたという事実はない。本当に核開発をしているところを攻撃したいなら、なぜ北朝鮮を攻撃しないの?という話になる」と指摘。その背景に、スキャンダルから目を逸らさせる意図があると推測し、「エプスタイン・ファイルなどで支持を減らしてしまっているので、目を外に向かせてなんとかそれを覆い隠そうとしてる。自分にとって都合がいいことしか考えていない」と批判した
さらに、トランプ氏の支持層が「白人の利益」に偏っている点にも触れ、「トランプは白人が望んでるようなことを実現する人。白人が権限を持っていた昔に戻してくれる人だと期待されている。彼は白人の利益しか求めてないから、それ以外の人の支持を得られない」とした。最後に、「トランプは生まれ持って、てっぺんにいた人間。人生を通して、好き勝手にできた側の人間。それをそのまま大統領にも持ってきてしまった」と、その資質の欠如を結論づけた。 (『ABEMA Prime』より)