イラン情勢が緊迫化する中、イラン側の内情はどうなっているのか。イランを40年以上研究している同志社大学大学院の中西久枝教授はイラン側から見た光景は不条理に尽きると指摘する。
中西教授は「どのように戦略的に考えても“無謀としか言えない攻撃”。国際人道法を完全に無視した戦争が現在行われている。明らかに侵略戦争だと思う」との見方を示す。イランから見るとすべての主権国家を無視し、核兵器を持つ国が持たざる国に一方的に攻撃を仕掛けていると中西教授は語る。
2002年、アメリカのブッシュ大統領がイラク・北朝鮮と並びイランを「悪の枢軸」と呼び、一方的にイランへの制裁を強化した。
核開発問題を巡っては一度はそのテーブルに戻り制裁は解除されたものの、トランプ大統領が就任し一方的な理由で制裁を再開。そして今回も同様の道を歩んでいる。
地元メディアなどによると、ハメネイ師殺害に関してイスラエルは数年前からテヘランの交通監視カメラをハッキングし、現地の詳細な地理やハメネイ師の日々の動向を把握していたという。
また、イスラエルはハメネイ師が殺害されたテヘランの邸宅付近の電話のネットワークを妨害し、警護要員に通話できない状態にしていたという。
「“パンドラの箱”を完全に開けてしまったのが今回のイラン攻撃の最大の問題点。核保有国だと事実上ほぼ世界が認めているイスラエルとアメリカが核保有国でないイランに対して攻撃をしたということは、しかもトランプ政権のように関税を武器に『自分こそが主導権をとるんだ』と覇権を進めていく。国際法など今や存在しないのか?と思うような事態が平然と行われている。一体正義はどこにあるのか?根本的に考えさせられる非常に象徴的な戦争」(中西教授)
また、中西教授は、私たちの知る情報もまた、一方的ではないかと指摘する。「イラン側の被害がどれだけ甚大なものか報道しきれていない。アメリカ兵の(死者が)1桁に対して(イランは)4桁が亡くなっている。無実で何の悪いこともしていない人たちの命が毎日失われていることに対する感覚が普段の報道では十分にされていない」。
アメリカの掲げる正義は、侵略を受け、命を失った側から見れば言われなき暴力にすぎない。
(『ABEMA的ニュースショー』より)