18日の夜、高市早苗総理大臣がトランプ大統領との首脳会談に向けて、アメリカに出発しました。こうした中でトランプ政権は、テロ対策のトップが辞任しました。
笑顔で手を振り…米国へ
「今からワシントンDCに行ってまいります。イランを巡る緊迫した状況が続いております。その中でホルムズ海峡の航行の安全、そしてエネルギー安全保障を含めて世界の平和と安定が脅かされている。そういう状況にございます」
戦争が始まり、まもなく3週間。激しい攻撃の応酬が続く中、日米首脳会談が行われます。
「何より重要なことは事態の早期鎮静化でございます。これはエネルギー安全保障を含む、やはり中東地域の平和と安定に向けて取り組むことだと考えております。そのうえで首脳会談の中身について今、予断はしません。先方のおっしゃることもいろいろありましょうから。それはしませんけれども我が国の立場、考えも踏まえてしっかりと議論したいと思っております」
「やはり同盟国でございますからトランプ大統領との間で安全保障、それから経済安全保障を含む経済について幅広い分野で関係強化。これを確認したいと思っております。行ってまいります」
日本時間18日午後10時ごろ、高市総理は笑顔で手を振りながら、政府専用機へと乗り込みました。そして、トランプ大統領が待つアメリカへと飛び立ちました。
待ち受けるトランプ大統領は…
一方、トランプ大統領は日本時間18日午後9時ごろ、ホルムズ海峡を巡って、自身のSNSを更新しました。
「もし、イランというテロ国家の残りを完全にたたき潰して、ホルムズ海峡の責任を我々ではなく、利用している国々に負わせたらどうなるだろうか。そうすれば反応の鈍い我々の同盟国もすぐに動き出すだろう」
トランプ大統領は18日に、ホルムズ海峡への艦船の派遣に消極的なNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対し、「愚かな過ちを犯している」などと述べて批判していました。
「日本の法律よくご承知のはず」
来たる日米首脳会談で、トランプ大統領とどう対峙(たいじ)するのか。18日も国会で、問われた高市総理大臣は次のように答えました。
イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を巡って、トランプ大統領は日本を含む各国に石油タンカーなどの船舶を護衛する艦船の派遣を求めていました。
「日本の法律に従ってできることはできるけど、できないことはできない。それをしっかりとお伝えをするつもりですし、先方もこれまでの経緯から日本の法律よくご承知のはずでございます」
過去に…日本国憲法について説明
トランプ大統領は日本の法律について、よく知っていると話す高市総理。さかのぼること9年前…。
「いかに困難な課題があろうとも、私はトランプ大統領と対話を行いながら相互の理解を深め、そこから共有できる解決策を生み出す。その努力を続けていきたいと考えています」
第1次トランプ政権が発足した直後の2017年2月、トランプ大統領と初めて首脳会談を行った安倍元総理。帰国後に臨んだ国会で、トランプ大統領との会談の成果を明かしました。
「食事の時とか、車の中とか、飛行機の中とか、あるいはカートの上で2人の時とか。そういう時を活用しながら、重大な安全保障の問題等々についても、私の考え方については相当お話をいたしました」
「専守防衛、そして憲法の許す範囲で何ができるか。何をすべきかということは、時代の変化の中において何をすべきかということは常に考えておく必要があるだろうと」
そして2019年に中東情勢が緊迫した際には、安倍元総理はアメリカ主導の有志連合には参加せず、情報収集活動を行う名目で自衛隊を派遣したという経緯もあります。
「安倍総理のころには1回、日本国憲法の内容等について丁寧に説明をしたり、できないことはできないということをはっきり申し上げたといった経緯はございます。もしも忘れておられたら、しっかりとお伝えをしてまいります」
政権幹部が辞任…イラン戦争批判
そのトランプ大統領ですが、高市総理大臣との会談の前に予期せぬ事態に直面しています。
CNNが速報で伝えたのはトランプ政権でテロ対策のトップであったジョー・ケント氏の突然の辞任。
このジョー・ケント氏は、どういった人物なのでしょうか?
1998年から20年、アメリカ軍の陸軍特殊部隊などに在籍。数多くの軍事勲章を授与されるなど類いまれなる功績を評価したトランプ大統領から直々にテロ対策のトップとして指名され、組織を統括していました。
トランプ大統領の支持者だったことでも知られるケント氏。自身のSNSには辞任に合わせて大統領にあてた手紙を公開。
戦争が起きた背景に「外部からの圧力」があったと主張したジョー・ケント氏。
2019年当時、シリアで起きた自爆テロで最愛の家族を失った遺族としての思いも記していました。
トランプ大統領に対し、最後にこんなメッセージも…。
これに対し、トランプ大統領は次のように述べました。
「彼は良い人物だが、安全保障については非常に弱いと常々感じていた。彼の声明を読んで、彼が辞めて良かったと気づいたよ。それは彼は『イランは脅威ではない』と言ったからだ。イランは脅威であり、どの国もイランがどれほどの脅威なのかを理解していた」
トランプ大統領「キューバを手に」
身内からもイランとの戦争に反対の声が上がる中、トランプ大統領が新たに野心を持って狙う“ターゲット”があります。
「何らかの形でキューバを手に入れる。解放するにせよ、手に入れるにせよ、私が望むことは何でもできると思う」
スペイン植民地時代のノスタルジックな風景や、カリブの真珠と称される美しい海や自然が魅力として知られる国、キューバですが…。
16日、全国的な停電が発生。真っ暗な街に灯るのは、車のライトだけ。人の歩く姿も見えません。家の中も真っ暗。明かりはローソク、そして、スマートフォンのライト。
「停電だけじゃないよ。水も電気もガスもない。ポンプを動かす電気がないから水が出ないのさ」
「このビルの17階に住んでいるけど、外出して帰ってくると今は17階まで階段を上らなきゃいけない」
現地メディアによると、停電発生から復旧までに30時間かかったといいます。
CNNによると、キューバの電力は石油に大きく依存しているといいます。しかし…。
「ここ3カ月間、我が国に石油タンカーが入港していない」
トランプ大統領は1月、キューバと同盟関係にあり、石油の援助を行っていたベネズエラのマドゥロ大統領を拘束。キューバへの石油輸送を止め、石油を売る他の国々には関税を課すと警告したと、CNNは報じています。
CNNによると、停電は老朽化した発電システムへの投資不足が原因だとする声もありますが、キューバ当局はアメリカによる燃料輸送の事実上の封鎖が停電などを招いているとしています。
さらに、ガソリンスタンドは閉店。非公式に販売されているものは、1リットルあたり1430円(9ドル)に達し、車を満タン(およそ33.3リットル)にしたら、4万7000円(300ドル)以上に。大半のキューバ人の年収を上回るといいます。
なぜ、トランプ大統領は、今キューバを手に入れようとしているのでしょうか?
「(フィデル)カストロは非常に暴力的な指導者だった。彼の弟(ラウル・カストロ)もだ。多くの国民が昔に戻りたいと思っている」
1959年の革命以来、社会主義体制が続いているキューバ。1961年に両国は国交を断絶、その翌年…。
「キューバで。一連の攻撃用ミサイル基地が準備されているという紛れもない証拠が、この1週間で明らかになった」
ソ連が、キューバで核ミサイル基地を建設していることが発覚した「キューバ危機」。当時のケネディ大統領は、キューバ周辺の海上封鎖を宣言するなど、これまで両国は対立してきました。
2015年に国交を回復しますが、それでもキューバはベネズエラと十数年にわたる同盟を築き、反米姿勢を続けていました。
トランプ政権は体制転換を狙い、今圧力を強めています。
キューバのディアスカネル大統領は、アメリカと関係改善に向けて協議を始めたとしていますが…。
「アメリカはいつ行動を起こすのか、私はキューバを手に入れる栄誉を得ることができると確信している。それは大きな栄誉だ」
ガソリン史上最高値
一方、日本では、18日に発表されたレギュラーガソリン小売価格の全国平均が1リットルあたり190.8円と、史上最高値を更新しました。
19日から政府が元売り各社に補助金を支給します。1週間から2週間程度かけて、少しずつ値下がりしていくとみられています。
普段から車を利用している人たちに、変化が出始めています。
「最低限で入れていますね。ちょこっと入れて、減ったらまた使う分だけしか入れないようには。いつまた下がるか分からないので、高いうちはそうしようかなとは思いますね」
「(Q.スタッフの方は車通勤が多い?)ほとんどもう車ですね。山の上ですから。辛いですよね。これだけ上がっていっちゃったら。歩いてこようかなとも考えていますね」
北海道旭川市で温泉施設を営む高崎さん。普段使う車だけではなく、経営にも大きな打撃を受けています。
「こちらが重油ボイラーになります。毎月大体78万円くらいだったんですけど、それが今回の高騰によって110万円くらいまで上がった」
通常より月に30万円ほど値上がりした重油代。その分は積立貯金を崩しているといいます。
「休館日を作るか、(営業)時間を短縮するか。あと、値上げも考えています。(イラン情勢が)終結してほしいです。まずは」
戦争が始まって、まもなく3週間。そんな中行われる日米首脳会談で、高市総理大臣はトランプ大統領と、どのような議論を交わすのでしょうか。
(2026年3月19日放送分より)





















