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ABEMA TIMES

2026年3月20日 11:00

戦争で「データセンター」狙われる新時代?軍事ジャーナリスト「インフラ全てが標的」分散or集中…自国の情報どう守る?

戦争で「データセンター」狙われる新時代?軍事ジャーナリスト「インフラ全てが標的」分散or集中…自国の情報どう守る?
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 緊迫するイラン情勢の中、イランの攻撃によりUAE(アラブ首長国連邦)にあるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のインフラが損傷したと発表した。あらゆるデータが集約されるデータセンターだが、一連の攻撃で攻撃目標としての問題点が浮き彫りになった。有事の際は、どのように守るべきなのか。『ABEMA Prime』では専門家と考えた。

【映像】ミサイルで大破する施設

■戦争の攻撃対象になったデータセンター

攻撃された施設

 イランは今回、アマゾン傘下のデータセンターをドローン攻撃した。UAEで2カ所に直接攻撃、バーレーンで周辺攻撃されたことで、インフラが損傷し、中東の一部でクラウドサービスに障害が発生した。ロイターは、米大手テックのデジタル基盤が軍事的打撃を受けた象徴的事例と報道。アメリカの巨大データセンターが狙われた「初めてのケース」との報道も出ている。

 明治大学サイバーセキュリティ研究所所長の齋藤孝道教授は、「米軍・イスラエル軍はかなり準備をして、守りを固めていたが、想定外の穴があった。世界中にインパクトを与えたため、イラン側からすれば、狙い通りなのではないか」と話す。

 軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、「データセンターは軍事拠点ではない。国際法的には、戦争状態において軍事施設は攻撃して良いが、民間はダメだ。イラン側からすれば、石油施設を壊すと、自分たちもやられてしまう。アメリカ側もイラン側も、やり返されない場所を探している。『アメリカに対する攻撃だ』と宣伝もできるため、選んだのではないか」と推測する。

 齋藤氏は「米軍のデータの置き場はわからないが、AIを使った軍事作戦の象徴的な場所ではある。イラン側からすれば価値のあるターゲットになった」と考える。「ペルシャ湾岸地域にヒト、モノ、カネが集まる中、デジタルのインフラが必要となる。AIブームにも乗って、データセンターを大量に作っていたのだろう」。

 今回の攻撃によって、「比較的楽に、社会を機能不全へと陥らせられた。通常戦力だと防御される中で、非常にインパクトを与えられたのでは」と指摘する。

 そもそも、何をもって“軍事拠点”とするのか。黒井氏によると、「基本的には、軍が持っている施設だ」という。「ウクライナでロシア軍が、発電所を攻撃している。民間施設で国際法違反だが、ロシアは『あれは軍だ』と言っている」。

 軍事へのAI活用については、「すでに情報機関だけでなく、軍全体で民間ソフトを使って、標的を探している。通信傍受のデータに、監視カメラの映像なども加え、AIに推測させるのが普通だ。データセンターがそうしたことに使われているのであれば重要だ」と説明する。「水道や電力といったインフラへの攻撃は戦争犯罪になるが、今後はそうした重要なインフラの1つとして、データセンターも入る」。

■大量データをAIで分析 ターゲットの捕捉も

データセンター、なぜ狙われた?

 実際のところ、どの程度の情報を持っているのか。黒井氏は「ハッカー部隊は、映画のようにターゲットを絞って捕捉する作業もしている。ただ今回問題になっているのは、大雑把に情報を入れて、コンピューターにやらせること。海底ケーブルに流れる情報や、監視カメラなど、目視ではなく、行動パターンから自動的に『この人は怪しい』と判断している。今回イスラエルは、テヘランの監視カメラの映像を取っていると報道されていた。これも工作員がどこかのケーブルに入ったのだろう」と語る。

 近畿大学 情報学研究所 所長の夏野剛氏は、「TikTokのデータからアメリカ軍の兵士を特定して、中国政府が配置をトラッキングしているという話はよく聞く。Googleマップの渋滞情報も、明らかに個人の位置情報から取っている。そうしたアメリカ企業と政府、軍との関係はどうなのか」と、疑問を投げかける。

 これに黒井氏は「だいぶ前から『米軍がアメリカ企業の中に入っているのではないか』と言われているが、認めていないからわからない。自社のデータセンターに、裏ルートから入っているとわかっていても、企業としては認められない。アメリカとイギリスは入っているのではと言われているが、わからない」と返した。

■データを守るには分散か、集中か

データセンター攻撃の影響

 夏野氏は「Amazonはいま、どれだけ分散させるかを考えている。一方で日本は、昔から『国内にデータセンターを』と言っているが、その方針の方が危ない。災害国である日本で、国内に物理的に持つのはおかしい。レイテンシ(遅延)のある動画サービスでなければ、世界中どこにあろうと同じだ」と危機感を示す。「世界的スケールで分散すれば、攻撃を防ぐ手はある。国内だけにサーバー置くと、データの主権はあるが、攻撃されれば終わりだ」。

 齋藤氏は「個人情報の観点から、データを外に持ち出さず、ローカルで持つのがはやりだ。ただ、依存度の高いグーグルやフェイスブックは海外サービスのため、何をされているか我々にはわからない」とする。

 そして、「最近まで平和だったため、リスクの話をすると『映画の見過ぎだ』と言われたが、よく考えると危ないことをしている。経済合理性だけで、同じようなデータセンターを使うことへの脅威が高まってきている。少し前までは、安くて機能性があるからと選んでいたが、こうした状況になってきた」と話す。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「軍よりも民間の方が情報を持っている。Googleは『防衛省に8時間以上いる人は、ほぼ防衛省職員。その人が、どこへ行くか』を記録として持っている。結局は中国企業かアメリカ企業だ」と述べる。

 黒井氏は「社会インフラが全部標的になる。原発は日本では、警察と海上保安庁が守ることになっていて、有事には自衛隊も出動するだろうが、そこまで必要なのか。個々のデータセンターに国のガードを付けるのは難しく、民間企業であれば地下に設置する方がいいのでは」とした。 (『ABEMA Prime』より)

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