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2026年3月24日 14:33

各国が苦悩 燃料備蓄の残り1カ月分…スリランカは週休3日制に タイでは火葬も困難

各国が苦悩 燃料備蓄の残り1カ月分…スリランカは週休3日制に タイでは火葬も困難
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 事実上のホルムズ海峡閉鎖による影響で、原油価格の高騰が続いています。日本よりも備蓄が少ないアジア諸国は、さらに厳しい状況に直面しています。

来週「備蓄30日分」放出

 23日夜、都内のレギュラーガソリンの価格は160円台から200円の大台まで、店によって大きな幅がありました。

 国内のガソリンをはじめとする石油の流通は、この先どうなるのでしょうか?

この先どうなる?
この先どうなる?

 23日、石油連盟・木藤俊一会長はこう述べました。

「原油市況の見通しにつきましては、直近で見通すことが大変困難な状況でございます。当初、誰も想定できなかったことに直面している」

 日本では16日から民間備蓄の放出を開始。19日からはガソリン高騰を抑制するため、補助金支給も始まっています。

 23日、資源エネルギー庁は、20日時点で241日分の備蓄があると発表しました。

 来週からは、国家備蓄30日分程度の放出が始まる予定です。

イラン情勢の緊張によって…
イラン情勢の緊張によって…
木藤会長
「世界的に、このイラン情勢の緊張によって、『エネルギー危機』という言葉はあまり使いたくないんですけれども、大変な状況が起こっているというのは世界共通ですので」
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スリランカ 国が給油に制限

 燃料の備蓄が少なく、深刻な問題が起きている国の一つが、インド洋の島国・スリランカ。

 ガソリンなど燃料の備蓄量はおよそ1カ月分とされています。

給油しようとする車が押し寄せた
給油しようとする車が押し寄せた

 最大都市コロンボ近郊の道路、17日の様子です。三輪タクシーがガソリンを求めて長蛇の列をつくっています。

 ガソリンスタンドを通りすぎると、今度は車の列がありました。

 「燃料がなくなるかもしれない」という噂が流れ、給油しようとする車がガソリンスタンドに押し寄せたといいます。

日本円で40円ほどの値上がり
日本円で40円ほどの値上がり

 スリランカに23年住む日本人、NPO法人「アプカス」の石川直人さんによると…。

「値上がり前が317ルピー/リットル(およそ161円)だったのが、80ぐらい値上がりして398ルピー/リットル(およそ201円)になっているので、日本円でいうと40円ぐらいの値上がり」

 その後、国はガソリンの給油に制限を設けました。

 現在、乗用車が給油できるのは1週間あたり25リットルとなっていて、所有する車の情報を登録した二次元コードを提示しなければ、給油はできないといいます。

給油の様子を見張ることも
給油の様子を見張ることも
「スリランカは日本と違ってセルフとかないので、人が立っているので。そっちは読み取りシステムの携帯を持っていて、それでピッと読み取って『あなたは何リットルまで給油できますよ』みたいな形で給油してくれるという感じ」

 給油には、さらに条件があります。

「ナンバープレートも、今は奇数と偶数で分かれている。例えばきょうは23日なので、奇数のナンバープレートしかきょうは給油できないんです。このQRに、実はナンバープレートも書いてあるんです。それと実際のナンバープレートが合っているかというのを一応確認する」

 石川さんによると、客や店員の不正防止のためにガソリンスタンドには警察や軍の関係者がいて、給油の様子を見張っていることもあるといいます。

燃料不足対応策で週休3日制に

 深刻な燃料不足への対応策としてスリランカ政府は、さらに新たな制度を設けました。

燃料節約のため…
燃料節約のため…
スリランカ ディサナヤカ大統領
「水曜日を休日にします」

 燃料節約のため、病院などの保険関連施設を除く公共機関や学校が、先週から週休3日制になりました。

石川さん
「実際、うちの息子も幼稚園に通っているので、先週は急に水曜日休みになって。周りの親御さんたちに聞いても、学校なり、そういうところが急に休みになるとですね、子どもは誰が面倒を見るんだとか、そういうことになりますので」
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タイ 購入制限で“問題”も

各地で燃料の購入制限も
各地で燃料の購入制限も

 東南アジアのタイも深刻な状態が続いています。

 国内の備蓄は残り3カ月ほどとなり、価格が高騰。各地で燃料の購入制限が設けられ、人々は不安を抱えながらの生活を強いられています。

バンコク市民
「(来月の)タイ正月の帰省が心配です。車があっても、燃料がこんな状態だと、どうしたものかと」
「行きのガソリンはあっても帰りのガソリンはないとかね」
「長距離バスで帰らざるを得ないかな」
タイの観光資源・ゾウにも影響
タイの観光資源・ゾウにも影響

 朝焼けの中、水浴びをするゾウの群れ。燃料の高騰は、タイの観光資源・ゾウにも影響を及ぼしていました。

公道を歩いて移動
公道を歩いて移動

 世界遺産の遺跡をゾウに乗って巡ることができるタイのアユタヤ。

 これまでは、毎朝飼育所からおよそ5キロ離れた乗り場までトラックで移動していましたが、燃料を確保できなくなり、18日から公道を歩いて移動する事態になっています。

ゾウの管理施設代表
「スタッフは給油のためだけに半日並ばなければなりません。私たちにできることは協力して資源を節約し、この危機を乗り越えるために適応するだけです」
火葬を行えなくなる恐れも
火葬を行えなくなる恐れも

 タイ中部にある寺では、燃料の購入制限により大きな問題が発生しています。

 寺院にある金色の建物は火葬場です。ここでは、いつでも受け入れられるよう、通常、燃料の備蓄は満タンですが、現在は半分しか残っていないということです。

 現在は、周辺の住民からの燃料の寄付でしのいでいますが、このままでは火葬を行えなくなる恐れがあるといいます。

寺院の僧侶
「どこのガソリンスタンドへ行っても販売してくれません。紛争は誰の利益にもなりません」
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韓国「国際線」大幅値上げ

国際線で大幅に値上げ
国際線で大幅に値上げ

 日本の隣、韓国でもすでに影響が出ています。

 韓国の石油備蓄量はおよそ7カ月分。日本と同様にまだ余裕はありますが…。

 韓国の航空会社最大手・大韓航空は4月から燃料価格の上昇に合わせ、運賃とは別に徴収する「燃油サーチャージ」について、国際線で大幅に値上げすると発表しました。

 ニューヨークなどへの長距離路線は片道で2万円以上も値上がり。さらに、比較的近い日本の羽田空港への路線も4000円近く値上げされる予定です。

韓国人の旅行客
「夏休みの旅行を考えていますが(料金の)値上げが続いたら、国内や近場を検討せざるを得ませんね」

高まる“値上げドミノ”への懸念

韓国の国民食「チキン」にも影響が…
韓国の国民食「チキン」にも影響が…

 影響は燃料だけにとどまりません。韓国の国民食「チキン」にも及んでいます。

 KFCコリアでは今月から、ウォン安や燃料費などの上昇による影響で、20品目以上を20円から30円値上げ。

 他にも韓国国内のファストフードが相次いで値上げしました。

 輸入する原油の7割を中東に依存する韓国。さらなる“値上げドミノ”への懸念が高まっています。

“ロシア産原油”の輸入の可能性を企業と共に検討
“ロシア産原油”の輸入の可能性を企業と共に検討

 その不安を払拭しようと韓国政府は18日、「停止していた“ロシア産原油”の輸入の可能性を企業と共に検討している」と明らかにしました。

事態は極めて深刻
事態は極めて深刻

 IEA(国際エネルギー機関)のビロル事務局長は、現在の世界のエネルギー情勢について、次のように述べました。

「事態は極めて深刻です。皆さんも1970年代に2度起きた石油ショックを覚えているはずです。当時世界では1日で500万バレルの原油の供給が途絶えましたが、きょうだけで1100万バレルの供給が途絶えました」

(2026年3月24日放送分より)

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