トランプ大統領の支持基盤で、政権にも影響力を持つ『福音派』と、宗教色が強まる、アメリカのイランとの戦争についてみていきます。
■トランプ氏 支持率下落 反発の背景にイスラエルとの関係
アメリカの最新の世論調査です。
トランプ大統領の支持率は、36%。
前の週より4ポイント減っています。
不支持は、4ポイント増えて、62%です。
支持率は2期目開始以降で最低の水準となりました。
また、アメリカによるイラン攻撃を支持する割合は、前の週より2ポイント減って35%。
反対は前の週より2ポイント増え、61%になっています。
政権内にも変化が起きています。
アメリカの国際テロ対策センターのジョー・ケント所長が辞任しました。
「進行中のイランとの戦争を支持できない。この戦争がイスラエル及びアメリカ国内での強力なロビー活動による圧力から始まったのは明らかだ」
「トランプ政権がイスラエルとの結びつきを強め、軍事行動を正当化する動きに、MAGA(マガ)の一部も反発している。(マガは国益最優先でアメリカ第一主義を掲げています)その一方で、キリスト教福音派の多くがトランプ大統領支持を続けている」
■『福音派』米国で独自発展 『終末思想』 トランプ支持のワケ
トランプ大統領の支持基盤『福音派』についてです。
アメリカの宗教構成です。
アメリカ人の62%がキリスト教徒で、キリスト教には、プロテスタントやカトリックなどの宗派がありますが、『福音派』はプロテスタントに含まれます。
アメリカ人全体でみると、約4人に1人が『福音派』と言われています。
『福音派』とは、キリスト教のプロテスタントの一派です。
『福音』は『救い主イエスの到来』に由来していて、独特の終末論的な世界観を持っています。
イスラエルが、終末論における“イエス再臨の地”になっています。
「アメリカにおける福音派は独自の発展を遂げた特殊な宗教集団。1970年代後半から強力な政治勢力として台頭した」
『福音派』の一部の思想には『ハルマゲドン』という、最終戦争による『終末思想』があります。
この戦争の後に、世界が終わりもう一度新しくなる、という思想です。
「終末の時にイスラエルを攻めてくる敵にイランが含まれている。最後の戦争でイスラエルを守るためにイランを攻撃することは、神の民としてなすべきことだという解釈」だということです。
『福音派』がトランプ政権を支持する理由です。
1、イスラエル寄りの姿勢
2、中絶・同性婚などの問題で利害が一致
一方で、トランプ氏にも“宗教との向き合い方”を変えた出来事があります。
2024年7月の、暗殺未遂事件です。
「あの事件によって私の中で、何かが変わったと感じる。以前から神を信じていたが、より強く信じるようになった。だから、アメリカに神を取り戻そう」と話しています。
発言のあった2025年2月には、ホワイトハウス内に『信仰局』を新設。
宗教団体などと連携し、『信教の自由の保護』『婚姻と家族の強化』などに取り組んでいます。
『信仰局』のトップは、ポーラ・ホワイト牧師です。
福音派の『テレビ伝道師』といわれ、トランプ氏との関係は20年以上です。
1月に行われた調査では、白人の福音派のうち、約7割がトランプ大統領を支持していて、重要な支持基盤になっています。
11月にはアメリカで中間選挙があります。
「我々は勝たなければならない。敗北すれば野党民主党に私は弾劾されるだろう」と述べ、下院で共和党が過半数を割り込む事態への危機感を示しています。
「福音派の6割は、イスラエル維持・存続思想のシオニストで、選挙活動に熱心。ここを無視しては選挙では勝てない」
■政権内で強まる宗教色 イラン攻撃「神の計画」米兵から苦情
福音派は、イラン戦争のことをどう思っているのでしょうか。
3月22日に放送されたCNNの特集では、福音派の政治への影響力などを報じました。
「イスラエルを守るためなら米国の福音派の中には、たとえトランプ氏が第3次世界大戦を引き起こそうとも、経済を崩壊させようとも『神の御心』と言い張って支持し続ける人が一定数いる」と話しました。
「今私たちが直面している困難な状況の中で正しい判断へと導いてください。大統領が国を導くために必要な力をこれからもお与えください」などと語り、宗教関係者らが、トランプ氏を囲み、祈る様子が公開されました。
「トランプ氏はキリスト教ナショナリズム(他の宗教を重視しない考え)を掲げている。この考えは、政府内やアメリカ国民の間にも拡大している」
イラン攻撃で、兵士からは苦情が出ています。
米軍内の宗教問題を監視する団体『軍事宗教自由財団(MRFF)』に開戦から1カ月で、米兵から苦情の電話やメールが殺到。200件以上寄せられているということです。
苦情の内容です。
指揮官が兵士たちに、
「イランとの戦争が、聖書の終末の予言の一部だ」と発言するなど宗教色が強まっているという苦情です。
「トランプ大統領は、ハルマゲドンを引き起こし、イエス・キリストの地上への再臨を告げるためにイランで合図の火を灯すようイエスによって選ばれたのだ」と兵士に話しているそうです。
「最初に声を上げたのは君だったね。イランに核兵器を持たせてはならないから『攻撃しよう』と言った」とヘグセス氏がイラン攻撃を最初に主張したと発言しました。
ヘグセス国防長官は元FOXニュースの司会者で、退役軍人で、イラクやアフガニスタンなどに従軍しました。
キリスト教徒で、福音派を信奉しています。
ヘグセス氏の胸には『十字軍』のシンボル、『エルサレム・クロス』のタトゥーが入っています。
『十字軍』は、聖地エルサレムをキリスト教徒がイスラム教徒から奪還するために編成された遠征軍です。
ヘグセス氏の著書です。
2020年に出版された『アメリカの十字軍 自由を守るための私たちの闘い』という著書に、イラン攻撃の前兆があります。
『我々は千年前の仲間のキリスト教徒と同様に戦わなくてはならない。イスラエルの軍隊と共に剣を手に取り、イスラム主義を押し返す。悪の勢力に対し、軍事的にそうする必要がある」
「ヘグセス氏やトランプ氏に軍事力を支配させるのは危険だ。彼らは政教分離を定めた合衆国憲法を無視している。軍事行動を正当化するために神の権威を持ち出し『神の計画の一部』だとして十字軍のような戦争を仕掛けている」と話しています。
「問題は一部の教会の中で信じられていることが、政府内、国防総省、軍関係者により語られていること。これでは、軍事作戦ではなく宗教戦争になりかねない。宗教が軍事に関係してしまうと、自らが善で、相手側はサタンや悪魔とみなし、妥協が困難になる」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年3月26日放送分より)















