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2026年3月26日 18:00

米がイランとの協議で交渉進展を主張も…新たな軍事行動の動き 最精鋭空挺部隊“派遣”へ 標的はゲシュム島か

米がイランとの協議で交渉進展を主張も…新たな軍事行動の動き 最精鋭空挺部隊“派遣”へ 標的はゲシュム島か
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 トランプ大統領がイランとの交渉で進展を主張する一方で、新たな軍事行動の動きも見せている。アメリカの真意はどこにあるのだろうか。

米側28日までに停戦発表との報道も

 まずは、停戦に関する最新情報を見ていく。

 イスラエルメディアのチャンネル12は情報筋の話として、アメリカはイランからの重大な提案と引き換えに、一時的に停戦を実施する可能性があると伝えた。

 別のイスラエルメディアもトランプ大統領が28日までに停戦を発表するかもしれないと報じている。

停戦に向けた双方の条件

 では改めて、停戦協議に向けたアメリカとイランの動きを見ていく。停戦に向けたアメリカとイランの条件が明らかになってきた。

アメリカ・イランの掲げる条件
アメリカ・イランの掲げる条件

 まず、アメリカ側の要求だが、イスラエルのチャンネル12によると、トランプ政権はイランに対し、核能力の解体、濃縮ウランの引き渡し、ホルムズ海峡の開放、ミサイル保有数の制限、中東の親イラン勢力への支援停止など、15項目の停戦計画案を提示。また、アメリカ側は、この案の協議のため「1カ月間の休戦」も提案したという。

 ロイター通信によると、イラン政府高官の話として、このアメリカの提案は仲介国のパキスタンを通じてイランに伝えられ、協議の場はパキスタンかトルコになる可能性があるという。

 一方、アメリカの提案に対してイラン側が示した条件が分かってきた。

 イラン政府で政治・安全保障を担当する高官は、国営メディアの取材に対し、アメリカが提示した核施設の解体などを拒否したうえで、侵略と暗殺の完全停止や賠償金支払い、ホルムズ海峡におけるイランの主権承認など5つの条件を提示。また戦闘の終結に関してこの高官は「トランプ大統領にタイミングを決定させることは許さない」「自らが決定し、条件が満たされた時点で終結させる」として、イラン側の要求が満たされるまで戦闘を継続することを強調したという。

イラン側が交渉相手に言及
イラン側が交渉相手に言及

 一方でCNNは、情報筋の話として、イランはトランプ政権に対し、攻撃前に交渉を行っていたウィトコフ特使やトランプ氏の娘婿クシュナー氏との交渉再開は望んでおらず、バンス副大統領との対話を希望していると伝えたとしている。情報筋によると、バンス副大統領の戦争終結を望む立場に理解を示していると受け止められているという。

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対話姿勢に転じたトランプ政権

 そもそもトランプ大統領が対話に転じた背景に焦りがあったという。

対話姿勢に転じた背景は?
対話姿勢に転じた背景は?

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、19日、エジプト・トルコ・サウジアラビア・パキスタンの4カ国外相らがイラン情勢の外交解決を協議した。イラン側の交渉担当者を見つけることが課題だったが、エジプトがイランの革命防衛隊とのパイプ構築に成功したという。

 21日時点でこの動きを知らなかったトランプ大統領はイランに対して発電所攻撃の最後通告を行ったが、23日になって4カ国の外相協議の内容が伝えられると態度を一変させ、外交にかじを切ったという。

 こうした対話に応じた背景にあるとみられるのが、アメリカ国内でのガソリン価格の高騰に対する焦り。物価高が続けば11月の中間選挙の逆風となる。

 ロイター通信が20日から23日に実施した世論調査では、トランプ大統領の支持率が前回の調査から4ポイント下がって36%となり、第2次政権発足以来、最低を記録した。

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米が“最精鋭”空挺部隊派遣か

 アメリカは新たに奇襲部隊を中東派遣へ。ターゲットはゲシュム島なのだろうか。

最精鋭の奇襲部隊「第82空挺師団」とは
最精鋭の奇襲部隊「第82空挺師団」とは

 ブルームバーグは24日、アメリカ国防総省が第82空挺師団の兵士約2000人に中東への派遣を命じたと伝えた。

 陸軍第82空挺師団とは、アメリカ陸軍の中でも“最精鋭”部隊。命令が下れば世界のどこへでも18時間以内に展開できる能力を持ち、奇襲作戦の実施や飛行場など重要拠点の確保などが任務となっている。

 アメリカがパナマに侵攻して独裁者を捉えた1989年のパナマ侵攻では、第82空挺師団などが真っ先に展開して国際空港を制圧するなど、これまでも主要な紛争や危機に派遣されてきた。

交渉中に突然攻撃の過去も
交渉中に突然攻撃の過去も

 イランとは現在停戦に向け交渉を行っているというアメリカだが、過去にも交渉中に突然攻撃を実行したケースがあった。

 去年6月の「12日間戦争」と呼ばれるイラン攻撃。トランプ大統領は、イスラエルとイランの紛争への関与について「2週間以内に判断を下す」と述べたわずか2日後に、イランの核関連施設3カ所に対し攻撃を行った。

 今回のイラン攻撃も、核問題を巡るアメリカ・イランの高官協議での進展が報じられた2日後、アメリカが突然テヘランを攻撃しハメネイ師を殺害した。

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ホルムズ海峡近くの島が標的か

 では今回、奇襲攻撃を実行するとしたら、どこが標的となるのか。

標的はホルムズ海峡付近のゲシュム島?
標的はホルムズ海峡付近のゲシュム島?

 これまで報じられてきたのは、ペルシャ湾に浮かぶイランの原油輸出拠点・カーグ島。ここを掌握する可能性についてトランプ大統領は否定していないが、明海大学の小谷哲男教授は、カーグ島は陽動でホルムズ海峡近くの別の島、ゲシュム島が標的になる可能性が高いと指摘する。

 ゲシュム島は面積が沖縄本島の約1.2倍、人口約15万人。世界一長い「塩の洞窟」やペルシャ湾最大級のマングローブの林など観光地としても知られ、ユネスコ世界ジオパークにも認定されている。

 一方で、アルジャジーラはその地下にはイランの「ミサイル基地」があると報じている。ペルシャ湾の玄関口という地政学的に重要な立地だけあって島内には革命防衛隊の拠点が多数置かれ、ホルムズ海峡を攻撃可能な対艦ミサイル、ドローン、高速艇の発進基地などがあるという。

 アメリカは、このゲシュム島の海水を淡水化する施設を空爆。30の村に影響が出るなどイランに揺さぶりをかけている。

バーレーンが武力行使認める決議案を提示

 ホルムズ海峡の安全確保を巡る動きを見ていく。

バーレーン イランへの武力行使認める決議案を提示
バーレーン イランへの武力行使認める決議案を提示

 国連安全保障理事会の非常任理事国を務めるバーレーンは、イランに事実上封鎖されているホルムズ海峡を航行する商業船舶の安全を確保するため、武力行使を含む「あらゆる手段」の使用を認める決議案を国連安保理に提示した。

(2026年3月26日放送分より)

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