アメリカのトランプ大統領はホルムズ海峡の開放を巡って、各国の協力が得られていないとして、「自分で石油を手に入れろ」と不満を表明しています。
イラン「暗殺はIT企業のせい」
トランプ大統領が決めた交渉期限まで1週間を切る中、アメリカは、イラン中部のイスファハンの大規模な弾薬庫に空爆を実施しました。
一方、イラン国営メディアによると、イランの革命防衛隊が「今後は暗殺行為1件につき企業1社を破壊する」と発表しました。
マイクロソフト、アップル、グーグル、メタ、テスラ、ボーイング…名だたる企業は皆、イランの革命防衛隊が報復の対象としてリストアップした企業です。その数は18社に及びます。
イラン国営メディアによると、革命防衛隊はこれらの企業の従業員らに職場を離れ、建物から1キロ以上離れるよう呼びかけています。
一方、情報が錯綜(さくそう)する停戦交渉について、中東の衛星テレビ・アルジャジーラによると、イランのアラグチ外相はアメリカのウィトコフ中東担当特使から「直接メッセージを受け取った」と述べたものの、それは「交渉ではない」と強調したということです。
停戦に向けた交渉に隔たりがある中、原油輸送の要衝・ホルムズ海峡ではある異変が起きていました。
「中国船籍、香港船籍の超大型コンテナ船なんですけど、一回通ろうと思ってここに来たんです。で、追い返されてるんです」
「自分で石油手に入れろ」
先月31日、アメリカのへグセス国防長官はこう述べました。
米軍の攻撃がイラン軍の士気を低下させ、脱走や人員不足が生じ、幹部の間に不満が広がっていると指摘しました。
一方で、NATOに関しては…。
トランプ大統領も自身のSNS(Truth Social)で各国から協力を得られていないとして、不満を表明しました。
海峡通過 どこの船?
イランが事実上の封鎖を続けるホルムズ海峡。現在、どれだけの船が通航できているのでしょうか。船舶の動向を分析する東京大学・大学院情報学環の渡邉英徳教授はこう説明します。
「(Q.これは先月30日?)そうです。堂々と通っていきましたね。きのうになって現れたこの堂々通るタンカー群がびっくりですよね。行進するように通過していくタンカーたちが久々に現れた。新しい状況かなと思います」
先月30日の船舶のデータでは、3隻のタンカーがホルムズ海峡を通航する様子が記録されていました。
ゲシュム島、ララク島、ホルムズ島の間を通って、ホルムズ海峡を通航しているのが分かります。イランは、このルートを安全回廊に設定しているといいます。
ボツワナ船籍の他には…。
通航する船の監視も
安全に通航できる船がある一方で、側面が大きく損傷したタンカー。クウェート石油公社は先月31日未明、ホルムズ海峡の南西にあるドバイ沖で停泊中だった原油タンカーがイランからの攻撃を受けたと発表しました。
ドローンによる攻撃で、船体には大きな穴も。原油およそ200万バレルが積載されていました。
渡邉教授は衛星画像のデータからも、イランがホルムズ海峡を通航する船の監視を強めていることが分かるといいます。
「(Q.4隻ぐらい?)そうですね」
先月30日の衛星画像に映し出されていたのは、タンカーの周囲を囲む高速艇。通航の際にはイラン側の監視が入っていると渡邉教授は推測します。
通航料3億円超も
イラン議会は先月30日、ホルムズ海峡を通航する船舶を規制し、通航料を徴収する計画を承認。英海運情報会社のロイズ・リスト・インテリジェンスによるとおよそ3億2000万円の通航料を徴収された船舶もあるといいます。
通航料の徴収について、イラン国営放送はイランの主権的役割と軍の役割を強化するためのものだと報じています。
27日にホルムズ海峡を通航しようと試みたコンテナ船は…。
中国のコンテナ船が通ろうとするも、通航できず。引き返す事態になっていました。
ロイター通信によると、中国コスコ・グループのコンテナ船2隻が27日にホルムズ海峡を通航できず引き返し、3日後に通航できたことが確認されました。
中国外務省の報道局長は次のようにコメントしています。
イランがホルムズ海峡の支配を続ける中、トランプ大統領は側近に対し、海峡を開放せずに戦闘を終結させる考えを示したと、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。
アメリカがホルムズ海峡を無理に開放すれば、戦闘が長期化する可能性があると分析したといいます。
石油の積み出し急ぐ?
そして、注目されるもう一つの要衝について、トランプ大統領はこう述べています。
イランの原油輸出の9割を担い、「経済の生命線」ともいわれるカーグ島。渡邉教授はそのカーグ島でも今、異変がみられるといいます。
島の東側と西側には、石油を運び出すため船が停泊できるふ頭があり、そこには船の姿が確認できます。先月27日には、1隻だったタンカーが2日後には、5隻停泊していました。
渡邉教授は、イラン側が急いで石油を積み出しているのではないかと分析します。急ぐ背景には、トランプ大統領が“爆破”をちらつかせ、威嚇ともとれる発言があります。
投稿の前日にも、カーグ島の周囲では新たな動きが見られたと渡邉教授は語ります。
カーグ島の東沖で滞留していた4隻の船が2日後にはほとんどが姿を消していました。その一方で、確認できるようになったものもありました。
(2026年4月1日放送分より)















