トランプ大統領は、4月2日の演説で「自力で石油を」と述べ、ホルムズ海峡の開放に関与しない姿勢を示しました。
日本はどうすればいいのか。イランからホルムズ通過を認められたタイの外相に舞台裏を聞きました。
■トランプ氏「石油は自力で」 海峡安全確保で日本“名指し”も
「この紛争が終わればホルムズ海峡は自然に開かれるに違いない。イランも石油を売りたいと思うはずだ。再建のため、彼らにはそれしか残されていない」
「ホルムズ海峡を通った石油を受け取っている国々が航路を自ら守らなければならない。ホルムズ海峡に行って自力で石油を調達し、守って使えばいい」とホルムズ海峡の開放にアメリカは関与しない姿勢を見せました。
トランプ大統領のホルムズ海峡への不満の矛先は日本にも向けられました。
「日本は海峡経由の石油輸入に依存している」とし、
「ホルムズ海峡の安全確保を日本にさせればいい」と名指しで不満をあらわにしました。
日本はホルムズ海峡の安全航行を目指す『有志連合』拡大に力を注いでいます。
海峡の封鎖を非難する共同声明には35カ国以上が参加しています。
この有志連合が、4月2日、オンラインで会合を開きました。
「イランが国際海運ルートを乗っ取り、世界経済を人質に取っている。外交的かつ経済的なあらゆる手段と圧力を集団的に行使していく」と話し、通航の再開に向けた連携を協議しました。
さらにこの会合と並行して、各国の軍関係者も会合を開催。
戦闘停止後の通航再開の具体的な方策について協議したということです。
■“海峡封鎖”一方で通過の国も タイ外相語る交渉成功の裏側
ホルムズ海峡を通過する船舶が増えてきています。
ホルムズ海峡の通航量は、アメリカによるイラン攻撃前は1日100隻前後でしたが、攻撃後は、1日10隻未満に減少しました。
3月1日から29日までに通過できたのは135隻ですが、どんな国の船舶が通過できているのでしょうか。
まずはトルコです。
イラン近海にいた15隻中1隻の通航が許可されました。
パキスタンはイラン政府がパキスタン船籍の船舶20隻の通航を認めました。
インドは直接交渉により、LPG(液化石油ガス)タンカー2隻が通過しました。
中国は関係方面の調整を経て、船舶3隻が通過したと明らかにしました。
マレーシアはイランが通航料を取ることなく、タンカーの通過を許可しました。
フィリピンは船舶の安全な通航を保証したと発表しました。
タイは原油輸送船1隻が通過したことを明らかにしました。
4月上旬にタイに到着見込みだということです。
ホルムズの通過を認められた国の一つ、タイの現状についてです。
タイは、輸入する原油の約6割を中東に依存。
石油備蓄量は98日分となっています。
多くのガソリンスタンドが購入制限などの措置を取っていて、政府はガソリンや軽油価格の上限を設定しようとしましたが、断念。
軽油が18%上昇するなど燃料価格が急騰しています。
こうした中、寺院の係員がガソリンスタンドの店員に火葬で必要な燃料の購入を拒否されたため、棺のふたを開けて遺体を見せ、燃料を調達するという騒動も起きました。
ホルムズ海峡をめぐる、タイとイランの動きです。
3月、ホルムズ海峡でタイ貨物船に攻撃がありました。
タイのバラ積み貨物船『マユリー・ナリー号』は、3月11日、ホルムズ海峡を航行中にイラン側から砲撃受けました。
3人の乗組員が行方不明になっています。
では、タイは一体どうやってホルムズ通過の許可を得たのか、タイの外相に直接話を聞きました。
タイのシーハサック外相は、イラン・アラグチ外相に電話し、
●『マユリー・ナリー号』が軍事物資を一切積まず、商業貨物のみを運んでいたことや、
●タイは紛争の当事国ではないと抗議し、
「この船が攻撃を受けるべきではなかった」と伝えました。
「他にもホルムズ海峡を通過待ちしている船舶がある。タイに必要不可欠な石油・ガス・肥料を運んでいる。それらの船舶の安全通航を確保してもらえないか」と伝えると、
「通過待ちをしている船舶の名前を教えてほしい」と言われたということです。
これを受けて、タイ側は、タイのイラン大使館を通じて船舶リストをイラン外相に送ったところ、イランはタイ向けの石油を運ぶ船舶1隻の通過を許可しました。
「最近も肥料を積んでタイに戻る5隻の通過要請を提出した」と話しています。
タイのシーハサック外相に海峡通過のカギについて質問しました。
「イラン側に対して率直に話したこと。そして重要なのは『意思決定を行う』あるいは『意思決定に関与する人物』と直接話すこと」
「金銭的な条件含めて一切なかった。個別の案件ごとに保証や承認を出すということだった」と答えました。
「日本は中東地域の国々の平和と安定を求める声を結集する役割を果たせる。今こそ日本が指導力を発揮する時だと思う。私たちは日本がその役割を果たすことを期待している」と答えました。
■日本 ホルムズ海峡 通過の“カギ” タイムリミットは?
ホルムズ海峡封鎖解除に、日本はどのような方針で臨むのでしょうか。
「3月17日の外相電話会談において、すべての船舶の安全が確保されるよう、イラン側に求めた。その後も引き続き、あらゆるレベルでイラン側に適切な対応を求めている」といいます。
ただ他の国に配慮する声もあります。
「ホルムズ海峡にはたくさんの国のタンカーがいる。日本としてはみんなが通れる状態を作ることが重要」と日本だけが抜け駆けすることを否定しています。
日本がホルムズ海峡を通過することは可能なのでしょうか。
「アメリカを巻き込めるかどうかにある。イスラエルが攻撃を続ける限り、約35カ国が連携して停戦を働きかけても、アメリカの関与なしに開放は難しい。日本はイランと比較的良好な関係を生かし、仲介役として交渉の窓口になることが期待される」ということです。
「状況が改善しない場合、日本が独自にイランと交渉し、通航を確保する必要が出てくる可能性も。タイムリミットは、石油備蓄がなくなる2026年中」ということです。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年4月3日放送分より)










