日本と世界のスタンダードを比べることで意外な発見があったり、今の日本がよく見えてきたりします。世界の国の当たり前が日本とはどう違うのか、見てまいりましょう。
アイスランドってどんな国?
世界では温室効果ガス排出を減らそう、ごみを減らそう、など環境に対する意識が高まっています。では日本はどうでしょうか。
例えば再生可能エネルギーでの発電割合、日本は一体どのくらいだと思いますか?資源エネルギー庁によると現在は天然ガスや石油などの火力が圧倒的に多く、水力や太陽光など再生可能エネルギーによる発電はわずか23.1%にとどまっています。
石油を燃やして電気をおこす、それが当たり前の日本ですが、世界には国の電力100%を再生可能エネルギーで賄っている国があります。それが北欧のアイスランドです。今回は再生エネルギーが当たり前の環境大国、アイスランドに取材に行ってきました。
アイスランドは人口が40万人弱、北海道と四国を合わせたくらいの面積の島国です。名前の通り、氷河があり、さらに火山もたくさんあるという自然豊かな国です。アイスランドの電力は7割近くが水力、残りは地熱発電と100%再生可能エネルギーなんです。
寒い国の名物料理は…?
私がアイスランドを訪れたのは2月下旬です。気温は−2.8度と寒いですが、緯度の割には寒くありません。島の南を暖流が流れているためそれほど気温が下がらないんですね。そんな寒い国ではどんな料理が名物なんでしょうか。レストランを訪れました。
まず有名なのはラムです。そして海に囲まれていますから、魚料理もたくさんあります。
日本でも馴染みのある食材が、クジラです。アイスランドは実は捕鯨大国で、伝統的にクジラが食べられているんです。
さらに魚介類の保存食もあります。ハウカットルという鮫の肉を発酵させたものです。
これがサメ特有のアンモニア臭と発酵の臭いがかなり強く、なかなか食べるのに勇気が必要なのですが、口に入れるとうま味が強くて大変おいしいのが驚きでした。
国の電力3割を担う地熱発電所へ
アイスランドの電力のうち3割を担うのが地熱発電です。いくつもある発電所のうち世界2位の規模をもつところへ行ってきました。地熱発電とはどんな仕組みなのでしょうか。
この発電所のすぐ近くには火山があります。氷河や雪の多いアイスランドは水が豊富です。その水を地下2000メートルもの深くに入れてマグマの力で熱したり、もともと地下にある熱水が上に噴き出すのを利用してその水蒸気の力で発電のためのタービンを回す、そんな仕組みになっています。
どんな発電所もタービンを回して発電する、というのは変わりません。
火力の場合は石油などを燃やして水を熱し、その水蒸気を使って回しますし、水力なら直接水の力で回します。地熱発電の場合はマグマの熱を利用する、というわけですね。
でも日本もアイスランドに負けないくらいの火山大国ですよね。なぜ日本では地熱発電が少ないのでしょうか。
日本の場合は火山の近くで水が湧き出る、となると温泉として利用しますよね。そんなところに水を入れたりくみ上げたりすると温泉が出なくなるのではないか、枯れてしまったらどうするんだ、と心配する人が多いんです。また、火山の周りは国立公園になっていたりして開発が自由にできない、という事情もあります。そのためなかなか地熱発電は増えないんですね。
二酸化炭素を石に!?エコな処理技術
さらにこちらの発電所には驚きの施設があります。地熱発電というと二酸化炭素が一切出ない発電、というイメージがありますが、地下から水蒸気が噴き出すときに二酸化炭素も出てくるんです。
その出てきた二酸化炭素をこの施設でなんと石にしているんです。
仕組みはこうです。出てきた二酸化炭素をまず水に溶かします。炭酸水ですね。それを地下にもともとある岩(玄武岩)に注入することで、「炭酸塩鉱物」というものを生成させるんです。つまり気体の二酸化炭素を石、という形で地中に固定するというイメージです。
なぜこんな手の込んだことをするかというと、気候変動と戦うため、ということです。大自然に囲まれ、自然と共生するアイスランドでは気候変動は死活問題なんですね。
温泉を暖房にも!?
温泉が豊富なアイスランドでは温水を使ったハウス栽培も盛んです。
暖かいハウスを作ることでトマトやニンジン、キャベツなど色々な野菜を作っています。また、90%以上の家庭には温泉水が引かれています。温泉で暖房するのはもちろん、ほとんどの家にはベランダや庭に露天風呂まで作られているそうです。うらやましい限りですね。
アイスランドはもちろん人口が少ないからそんなことができるんだ、という意見もあります。ただ自然の恵みをどういかしていくのか、というところで日本も参考になることがいっぱいあると思いますね。
韓国のエコ対策
さらにほかの国での環境対策を見てみましょう。韓国でもエコ意識は高まっているようです。売られている水の多くはラベルレス、またキャッシュレスが浸透していることもあり、レシートを受け取ることもほぼないといいます。レジ袋についても日本より20年前から有料化されています。
日本と大きく違うのは生ごみのリサイクルです。日本はリサイクル率が7.7%と低いですが、韓国はなんと97.6%にも達しています。
韓国では法律で生ごみのリサイクルが義務付けられていて、廃棄量に応じて毎月支払う仕組みとなっているんです。
生ごみを減らすにはいいアイディアですよね。集められた生ごみは動物のえさや肥料などに活用されているそうです。
ケニアのエコ対策
ケニアというとライオンやキリンといった野生動物のイメージがありますよね。ナイロビなど街は急速に都市化が進んでいますが、ちょっと離れるとまさに動物の宝庫。人々の環境への意識は高いようです。
そんなケニアでは日本よりもずっと厳しい環境対策の法律があります。
なんとケニアではポリ袋が有料ではなく、使用が一切禁止されているんです。もし違反すると大変です。最高でなんと490万円の罰金、最長で4年の禁錮刑となるケースもあるんです。ポリ袋については「世界一厳しい」とまで言われています。
ちなみに袋を使うときは自然に分解される不織布の袋を使うようにしているそうです。これは観光客にも適用されますから、皆さんもご注意ください。
こうしてみてきますと世界では様々な環境対策を行っています。世界を知ると日本では当たり前のことが世界ではそうではないことがわかってくると思います。日本は何を参考にしてどうして行けばいいのか、是非そんな視点でニュースを見ていただければと思います。
(池上彰のニュースそうだったのか!!4月4日OA分より)
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