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2026年4月10日 16:00

米・イラン 電撃停戦合意の裏側に“中国の暗躍” イランを“守る”5つの事情とは

米・イラン 電撃停戦合意の裏側に“中国の暗躍” イランを“守る”5つの事情とは
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アメリカとイランの停戦合意に中国の働きかけが影響していたことがわかりました。

中国介入の背景にあるイランの石油利権について見ていきます。

■米・イラン停戦合意 中国 水面下の動き 会談20回超

アメリカとイランを停戦合意に導いた中国の動きです。

アメリカとイランの停戦合意について、ニューヨークタイムズは、
『イランはパキスタンの必死の外交努力と主要同盟国である中国の土壇場での介入を経て、パキスタンの停戦提案を受け入れた』と報じました。
トランプ大統領も、
中国がイランを交渉の席につかせ停戦に導いたと考えている」と話しています。
停戦の働きかけについて中国の毛寧報道局長は、
「中国は一貫して和平の促進と停戦の実現に積極的に取り組んできた」と発言し、仲介について具体的な言及を避けています

中国がイラン情勢で見せた外交というのが、王毅外相とジャイ・ジュン特使による両輪のシャトル外交です。

どのような外交だったのでしょうか。

王毅外相は湾岸諸国や常任理事国と相次いで電話会談しました。
その間にジャイ・ジュン特使は各国の歴訪を短期間で進め、対話による解決を目指す中国の立場を直接伝えました

中国は超過密な外交を展開しました。
2月28日、アメリカがイランを攻撃した翌日に、王毅外相はロシアと電話会談し、その後も合わせて26回、他の国々とも電話会談を重ねました。
ジャイ・ジュン特使も中東諸国5カ国と直接会談し、4月8日、アメリカとイランが停戦に合意しました。

短期間のシャトル外交について、元駐中国大使の宮本雄二さんです。
「他国の紛争に関わって仲介した外交は中国としては初めて。中国は本当の意味で大国になろうと舵を切っている

中国は過去にもイランを仲介したことがあります。

2023年3月、中国の介入によって、サウジアラビアとイランが7年に及ぶ断交を解消し、外交関係の正常化に合意しました。

3カ国が連名で発表した共同声明には、
『サウジとイランの友好を支持する習近平国家主席の積極的な提案に両国が応じた』と記され、中国の役割が強調されていました。

中国が介入した理由は、イランとは良好な関係にある一方、最大の原油調達先のサウジアラビアとの関係も重視してきたことがあります。

中国外交筋によると、
両国の協調が中国の利益をもたらす、との分析は数年前から習近平国家主席のもとへ届いていた」ということです。
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■中国“停戦仲介”5つの理由 イランの石油利権や国内事情も

中国はなぜ今回、異例の仲介に踏み切ったのでしょうか。

仲介の理由、1つ目は、アメリカがホルムズ海峡を掌握することを防止です。
イランに親米政権が誕生した場合、アメリカが中国のエネルギー輸入通路を遮断する可能性があるということです。
イランの原油の輸出先は中国が最も多く、約90%を占めています。

仲介の理由、2つ目は、原油取引のアメリカドル覇権を揺さぶることです。
米ドル建てで行うのが通例の原油取引を中国はイランと少なくとも80%以上、人民元で決済しています。
しかし、戦争によって『人民元』定着の危機となる可能性が高まると考えたということです。

ホルムズ海峡の通航料にも、中国は影響を与えています。

3月中旬には一部の石油タンカーでホルムズ海峡通過を認める案が検討され、人民元での決済が条件にあがっていました。

イランは2週間の停戦期間中も海峡を通過する船舶数を約10隻に制限し、事前協議を経て通行料を徴収する計画だということです。
費用は暗号資産人民元での支払いが条件になります。

仲介の理由、3つ目は、中国が主導する広域経済圏構想『一帯一路』を守るためです。
中国にとってイランは、一帯一路の中核拠点であるパキスタンのグワダル港からわずか100kmしか離れていない重要国です。
もしイランが崩壊すれば、グアダル港の防衛が困難になり、一帯一路の西部軸も崩壊するおそれがあります。

中国が重要視する『グワダル港』とは、どのような場所なのでしょうか。

ホルムズ海峡から約500kmの場所に位置しています。
中国が建設資金の大半を拠出し2007年に完成。
アメリカと中国が衝突して南シナ海が封鎖されても、中東産の原油や天然ガスを陸路で輸入できる戦略的ルートということです。

仲介の理由、4つ目は、中国の西部にある国境の緩衝地帯の確保です。
少数民族の居住地である新疆ウイグル自治区やチベット自治区へのテロ集団流入を防ぐには、隣接するアフガニスタン・パキスタン・イランの協力が必須となります。

仲介の理由、5つ目は、イランに投資した国家利益の死守です。
2021年3月、中国とイランは『25年協定』を締結しました。
中国は25年間で約44兆円(当時のレート)をイランに投資
その見返りに、イラン産の原油を安価で供給するという内容です。
もしイランがアメリカに敗北すれば、中国の投資は水の泡になってしまいます。

元駐中国大使の宮本さんによると、中国国内の反応も仲介の理由の1つだといいます。
「中国が今回動いた背景には、1月のベネズエラ対応への国内批判が大きく影響した。前回の消極姿勢に対する反省から、今回も不作為であれば再び批判が高まると判断したとみられる」ということです。
そして、中国が仲介した理由として最も究極的な問題は
「イラン情勢そのものではなく、それが引き起こす中東の不安定化世界経済への悪影響にある。中国は安定した国際秩序を前提に成長してきたため、こうした不安定化が長引く中国経済に大きな打撃となる」といいます。
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■米中首脳会談目前 中国“介入”の思惑は?

中国の停戦介入は、5月の米中首脳会談にどう影響するのでしょうか。

アメリカのホワイトハウスは、トランプ大統領が5月14日から15日にかけて中国を訪問し、習近平国家主席と会談すると発表しました。
当初は3月末の予定でしたが、イラン戦争の影響で延期されていました。

延期の要請を受けた際、習近平国家主席は、
「戦闘作戦の最中には大統領がアメリカにいることが非常に重要だと理解した」と話したということです。
元駐中国大使の宮本さんです。
「中国は停戦合意の仲介に入り、アメリカに恩を売ることで、中国の1つの交渉のカードになる。今後行われる首脳会談において、トランプ大統領の強硬な交渉姿勢が弱まることを期待している

(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年4月10日放送分より)

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