アメリカ軍は封鎖が続くホルムズ海峡をアメリカ船籍の2隻が通過したと発表しました。
アメリカ軍がホルムズ海峡の通過を支援を発表しました。
アラブ首長国連邦がOPECを脱退したことによる日本への影響についてもみていきます。
■アメリカ ホルムズ海峡通過の支援作戦に波紋 攻撃の応酬も
トランプ大統領が、ホルムズ海峡を巡る新たな作戦を発表しました。
プロジェクト・フリーダムです。
5月4日から始まっています。
これはホルムズ海峡で足止めされた船舶を米軍が誘導・退避させるもので、ミサイル駆逐艦、航空機100機以上、兵士1万5000人を投入するといいます。
「安全を支援するための情報共有を促進することが目的で護衛任務ではない」としています。
アメリカ側の主張では5月4日、プロジェクト・フリーダム開始後に、駆逐艦が支援してアメリカ船籍の商船2隻がホルムズ海峡を通過したといいます。
一方で、イラン側の主張では、「完全な虚偽」としてアメリカ側の発表を否定しています。
プロジェクト・フリーダムによって、攻撃の応酬が起きています。
5月4日、ホルムズ海峡付近に停泊中の韓国の貨物船で爆発と火災が発生。
人的被害はありませんでしたが、当局が原因を調査中です。
トランプ大統領は、イランが韓国の貨物船を含む複数の船舶を攻撃したと主張しました。
アメリカ軍は対抗措置として、イランの小型船舶7隻を沈めたと主張しています。
プロジェクト・フリーダムは新たな暴力を引き起こし、海運業界は海峡通過に依然として強い警戒感を示しています。
「海峡は今も非常に危険であり、双方がより具体的な合意に至るまで、ほとんどの船舶が航行を避け続ける」と話しています。
原油価格です。
WTI原油先物価格は5月4日、1バレル106.42ドルと100ドル超えの高値が続いています。
「通航が徐々に回復するという期待が出れば、原油価格の上昇を一時的に抑えられる可能性はあるが、効果は限定的」
■日本『出光丸』ホルムズ通過 イラン大使「友情の証し」
そうした中、日本のタンカーがホルムズ海峡を通過しました。
4月29日、出光興産のタンカー『出光丸』がサウジアラビア産の原油約200万バレルを積んで、ホルムズ海峡を通過しました。
政府関係者によると、日本政府がイラン側との交渉に関与していて、通過にあたって通航料は支払っておらず、ホルムズ海峡が事実上の封鎖された後に、日本企業が管理する船舶がホルムズ海峡を通過したのは初めてだといいます。
「『日章丸』が行った歴史的な任務は両国の長きにわたる友情の証」だと投稿。
『日章丸』とは、1953年、イランが原油を輸出できないようイギリスが海上封鎖する中、イラン産の原油を輸入した出光興産のタンカーです。
国内の石油備蓄をめぐる動きです。
政府は5月1日から、国家備蓄の追加放出を段階的に開始しました。
3月の放出に次ぎ、第2弾となります。
放出量は国内消費の約20日分、約580万キロリットルです。
国内の石油備蓄は、現状、
『国家備蓄』が128日分、
『民間備蓄』が81日分、
産油国が保管する『産油国共同備蓄』が2日分の、
合わせて211日分です。
「ホルムズ海峡を通過しない原油の代替調達は5月で約6割確保のめどがついている。仮に6月以降5割しか代替調達が実現しない保守的な仮定をしても、年を越えて日本全体として必要となる量が確保できる見通し」 だといいます。
■日本の原油輸入 迂回&多角化 調達の現状
原油の代替調達が進んでいます。
4月26日には、アメリカ産の原油を積んだタンカーが東京湾に到着。
代替調達でアメリカ産の原油が届くのは初めてです。
5月4日には、ロシア産の原油を積んだタンカーが愛媛県の今治市の沖合に到着。
原油供給を多角化する一環として、政府からの要請を受けて、石油元売り企業が調達したということです。
日本は戦争開始後、どこからどのくらい原油を輸入できたのか、3月の輸入状況です。
全体としては、前の年の同じ月と比べて約16.5%減少しました。
輸入量の多い順にみると、
サウジアラビア、541万キロリットル、
UAE、404万キロリットル、
クウェート、30万キロリットル、
アメリカ、26万キロリットル、
カタール、13万キロリットルで、
戦争前と変わらず多くはサウジアラビアとUAEから輸入していて、中東依存度は約96%です。
2025年の3月と比べて、サウジアラビアとアメリカ以外からの輸入は減少していますが、UAEはクウェート、カタールに比べて減少した割合は低くなっています。
日本が輸入の多くを頼っているサウジアラビアとUAEには、ホルムズ海峡を迂回するルートがあります。
サウジアラビアには紅海とペルシャ湾岸を結ぶパイプラインがあり、ホルムズ海峡が封鎖されても紅海側から原油を運べます。
世界に輸出される原油は3月時点で、1日あたり、約440万バレルです。
戦争前の2.2倍となっています
UAEには、アブダビの油田地帯からホルムズ海峡の南に位置するフジャイラ港までを結ぶパイプラインがあります。
世界への輸出量は3月時点で、1日あたり、約150万バレルです。
「迂回ルートを活用しても平時にホルムズ海峡を通過していた1日あたり約2000万バレルを補うことは難しい。日本の3月の輸入量は戦争前に出港したタンカー分も含まれているため、4月・5月はさらに輸入量が減少している可能性が高い」
■UAEがOPEC脱退 狙いと影響
日本にとって、これまで最大の原油輸入国だったUAEをめぐって大きな動きがありました。
『国益と喫緊の需要を満たすため、5月1日をもってOPECから脱退する』
OPEC(石油輸出機構)は、主に中東とアフリカの石油輸出国による組織です。
UAEはOPECの中で、サウジアラビア、イラクに次ぐ原油生産量を誇り、脱退によって世界市場におけるOPECの影響力低下は必至といわれています。
「ホルムズ海峡の現状などを考慮し、未来の成長を見据えた対応が必要。世界のエネルギー需要が増える中、“制約”を受けないようにする必要も」と発言しました。
“制約”とはOPECのことを指します。
どういうことかというと、OPECは、1960年に欧米の石油メジャーに対抗する目的で設立されました。
これまで原油の生産量を調整して、原油価格の安定を図ってきました。
原油価格をコントロールすることから、石油カルテルともいわれます。
1973年には、OPECによる原油価格引き上げでオイルショックが起こるなど、価格支配力を示してきました。
このような状況の中で、UAEのOPEC脱退の思惑は何なのでしょうか。
現在、UAEはOPECによって、生産量を1日300〜350万バレルに制限されている状況です。
世界的に脱炭素が進む中、UAEは石油の需要が急落する前に埋蔵された石油から資金を得たいという思惑があるといいます。
UAEのOPEC脱退は、日本にどんな影響があるのでしょうか。
OPECの世界シェアは、1970年代には約50%だったのが、現在は約30%まで低下しています。
さらにUAEの離脱によるOPECの弱体化で、戦争収束後には、市場シェア争いと価格競争が激化する可能性があります。
「UAEのOPEC脱退で中長期では市場の変動幅が高まり、上がるときは急騰、下がるときは急落と振れ幅が大きくなる可能性」
■UAEのOPEC脱退 背景にサウジアラビアとの対立?
UAEのOPEC脱退の背景には、サウジアラビアとの対立もあるといいます。
両国にはスタンスの違いがあります。
UAEは、原油の増産を進め多くの原油を現金化したい販売量拡大、増産志向です。
一方でサウジアラビアは、生産を調整し、原油価格の高値維持を優先したい価格維持、減産志向です。
この考え方の違いから両国は対立していました。
UAEはこれまで、今後の脱炭素時代を見据え、ドバイを中心に金融、物流、観光などに投資。
非石油部門の比重が大きくなっています。
さらに、AIや防衛産業など、さらなる経済多角化を目指すため、原油を売って投資資金にしたいと考えています。
サウジアラビアも、石油への依存度を減らすため、多角化投資を進めている途中ですが、国家財政の石油依存度が高く、原油価格が国家運営に直結している状態です。
投資を呼び込むため、砂漠の中に未来都市、NEOM(ネオム)を建設中ですが、資金難で規模を縮小し、一部の工事は中断しているといいます。
両国の現状です。
UAEは、石油依存からの経済多角化に成功し、財政も黒字なので、原油価格の下落にも耐えられ、増産して売りたい。
一方、サウジアラビアは、2023年に財政赤字に転落、今後も数年、赤字が続く見通しで、原油価格の下落が財政を圧迫するため価格維持したい、という現状があるといいます。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年5月6日放送分より)






















