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2026年5月13日 15:53

ハンタウイルスの恐怖 緊迫の船内「瞬く間に重篤化」 元患者「14日間昏睡23キロ減」

ハンタウイルスの恐怖 緊迫の船内「瞬く間に重篤化」 元患者「14日間昏睡23キロ減」
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 ハンタウイルスの集団感染が疑われているクルーズ船からすべての乗客が下船しました。船内で患者を治療した医師が、船内の緊迫した状況について話しました。

防護服にビニール袋…乗客下船

 11日、風が吹きつけ波が立つスペイン・テネリフェ島の港。

 港に接岸したクルーズ船に、防護服を着た作業員たちが向かっていく姿が見られました。

 降りてきた乗客は青い防護服を着て、手荷物を入れたビニール袋を持っています。

 乗客らは港に降り立つと、ソーシャルディスタンスを保ちながら作業員の指示に従う様子も。

防護服を着用したバスのドライバー
防護服を着用したバスのドライバー

 バスのドライバーも防護服を着用。乗客は次々と港を離れていきました。

 ハンタウイルスの集団感染が疑われるクルーズ船。日々変化していった緊迫の船内について貴重な証言がありました。

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医師が語る緊迫の船内

「船医に連絡をして支援を申し出たのですが、その医師自身も不調を訴えていると知らされました」

 こう語るのは、アメリカ人医師のコーンフェルド博士。

 CNNによると、博士は旅行のためクルーズ船に乗船。しかし先月の終わりごろ、船内で体調を崩す人が徐々に増加。さらに船医も体調を崩したため、急きょ、体調不良の乗客への対応にあたったといいます。

「感染が初めて分かったのは5月2日か3日ごろ」
「感染が初めて分かったのは5月2日か3日ごろ」
「ハンタウイルスへの感染だと初めて分かったのは5月2日か3日ごろです。2例目も出たことで、ヒト−ヒト感染する型の疑いが浮上し、防護エプロンと手袋を手配しました」
半日から一日の間に複数人の体調が悪化
半日から一日の間に複数人の体調が悪化

 体調不良者が1人出ると、半日から一日の間に複数人が体調を崩し症状も悪化していったといいます。

アメリカ人医師 コーンフェルド博士
アメリカ人医師 コーンフェルド博士
「若い男性でごく一般的なウイルス性の症状でした。当初は深刻な状態には見えませんでしたが、瞬く間に重篤化しうる点がハンタウイルスの恐ろしさです」
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さらなる感染者

 クルーズ船で最初の死者が出てからおよそ1カ月後、すべての乗客が下船。日本人1人を含む乗客らは下船後、各国のチャーター機で順次移送されました。

さらなる感染者
さらなる感染者

 フランスの地元メディアによると、政府報道官は11日、新たにクルーズ船の乗客だった女性がハンタウイルスの検査で陽性反応を示したと発表しました。

 この女性は10日に下船し、フランスへ帰国する航空機の中で症状を訴えました。フランス保健相は「女性の容体は悪化し、感染症の専門病院に入院している」と明らかにしています。

スペイン人1人に陽性反応
スペイン人1人に陽性反応

 また、スペインの保健省は、乗客のスペイン人1人が新たに陽性反応を示したと発表しました。

感染確認された10人のうち3人死亡
感染確認された10人のうち3人死亡

 これでクルーズ船の乗客で、ハンタウイルスへの感染が確認されたのは合わせて10人となり、うち3人が死亡しています。

コーンフェルド博士
「ハンタウイルス感染からの生存率は、適切なタイミングで集中治療を受けられるか否かにかかっています。船上では不可能ですが、感染者は今病院にいるので処置が可能です。感染者に対する懸念はほぼないと安心しています」
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14日間昏睡 呼吸困難も

 これまでに3人の命を奪ったハンタウイルス。発症した場合、どのような症状を引き起こすのでしょうか。

2013年ハンタウイルスに感染
2013年ハンタウイルスに感染
2013年ハンタウイルスに感染
モレルさん(当時41)

「僕は人工呼吸器をつけていて何が起きたのか全く分からない状態でした」

 2013年にハンタウイルスの一種で今回のクルーズ船と同じアンデスウイルスに感染したチリ人男性。異変が起きたのは、アメリカ出張の途中。初めは何の病気か分からなかったと話します。

「症状が出始めたのはちょうどチリに戻る1日前です。その時は頭が痛かったことから、インフルエンザの初期症状だと思いました」
インフルエンザと診断も症状悪化
インフルエンザと診断も症状悪化

 高熱が出たため、最初に訪ねた診療所ではインフルエンザと診断され、注射を打ってもらい帰宅。しかし、症状は悪化の一途をたどり嘔吐(おうと)、筋肉痛、下痢の症状に見舞われました。

 そして、再び病院に駆け込むと、救急室の前で意識が途絶えたといいます。

「目が覚めた時は、目の前に3〜4人の顔が見えて『あなたはどこにいるのか分かりますか?』と聞かれ、僕はとても戸惑いました」
14日間昏睡
14日間昏睡

 病室で目を覚ました時には、意識を失ってから14日もの日々が経っていました。

「僕は人工呼吸器をつけていて、正直、何が起きたのか全く分からない状態でした。医師たちから、僕がクリニックに到着した時は呼吸困難になっていて、ハンタウイルスに感染していると診断されました。そして危機的な状態であったことから、ECMO(人工肺)を装着しなければいけなかったと告げられました」

 呼吸不全に陥っていたことから心臓や肺の機能を補助する機器を取り付け無事、目を覚ました男性。しかし筋肉は落ち、体重は23キロ減っていました。右足の一部が麻痺するなど後遺症も患っていましたが、一命をとりとめることができました。

「子どもたち元気かい。パパは死にかけたけど、なんとか無事戻ってこられたよ」

 2カ月の闘病生活を経て退院。その後、1年はリハビリのため通院を余儀なくされました。

(2026年5月13日放送分より)

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