アメリカとイランの戦闘終結に向けた交渉が合意間近と言われています。
緊迫するイラン情勢はどうなるのか、交渉が合意間近と言われる中、トランプ大統領がキューバに圧力をかける思惑について見ていきます。
■トランプ氏 3期目に意欲 実現性は?支持率は最低水準
トランプ大統領は沿岸警備隊の士官学校卒業式で演説しました。
「もしかしたら2032年もここにいるかもしれない」と発言しました。
『2032年』という発言の意味です。
トランプ大統領の2期目の任期は2029年1月までです。
大統領の職務は、3期目はアメリカの憲法で禁じられています。
憲法を改正する条件です。
憲法改正を発議するには、連邦議会の上院と下院の3分の2が賛成、または全州議会の3分の2が請求する必要があります。
改正が成立するには、4分の3以上の州議会、今は50の州があるので38の州議会の賛成が必要になります。
トランプ大統領の支持率です。
第2次トランプ政権が始まった2025年1月、支持率は47%でした。
共和党支持者に限ると、支持率は91%と極めて高い水準でした。
それが、5月18日に、支持率は35%まで落ち込みました。
共和党支持者に限っても79%まで落ちています。
政権発足直後の不支持は41%。
共和党支持者に限ると5%でした。
しかし、1年半近くがたって、不支持は63%まで上がりました。
共和党支持者に限っても21%まで上がっています。
■アメリカ イランと合意間近?内容に食い違いも
イランとの交渉についてです。
「イランとの戦闘終結に向けた交渉は最終段階にあり、合意内容は近く公表される」と5月23日にSNSに投稿しました。
合意内容についてです。
アメリカの当局者の話として、5月23日、アメリカのメディア『アクシオス』が報じました。
イランと最終的な調整をしている覚書には『60日間の停戦延長』や『ホルムズ海峡の開放』などが含まれているといいます。
ホルムズ海峡の開放について、イラン側は、ホルムズ海峡に敷設した機雷を除去することに合意。
アメリカ側は、イランの港湾の封鎖を停止し、イランが石油を自由に販売できるよう、一部制裁を解除すると報じられています。
一方、イランの、革命防衛隊に近いメディアは否定しています。
5月24日、革命防衛隊に近いファルス通信が報じました。
ホルムズ海峡をめぐるトランプ氏の主張は事実と異なる。
アメリカとの合意が成立しても、『ホルムズ海峡は引き続きイランの管理下だ』としています。
焦点となっている、核問題についてです。
アメリカの当局者の話として、5月23日、ニューヨーク・タイムズは、イランが濃縮ウランの放棄を約束したと報じました。
一方、イランの革命防衛隊に近いファルス通信は24日、
「イランは何の約束もしていない」と報じています。
「イラン問題に対するアメリカ内の不満はかなり高いため、いったん手打ちにして、なるべく早く次の問題に関心を移したいのだろう」
■なぜキューバに圧力?トランプ政権“3つの思惑”
イランとの交渉が続く中、トランプ大統領が、キューバへの圧力を強めています。
アメリカ司法省は5月20日、1996年、アメリカに拠点を置く亡命キューバ人団体の飛行機をキューバが撃墜し、アメリカ人3人を含む4人を殺害した罪などで、ラウル・カストロ元国家評議会議長らを起訴したと発表しました。
ラウル・カストル氏は、元国家評議会議長で、現在94歳です。
2021年までキューバの事実上のトップでした。
1996年当時、ラウル元議長は当時の最高指導者で、兄のフィデル・カストロ氏のもとで国防相を務めていました。
キューバは、アメリカからわずか140キロ、東京から静岡とほぼ同じ距離に位置するカリブ海の島国です。
反米を掲げる社会主義国家です。
「キューバの人々にとって非常に大きな節目。我々はキューバを解放しつつある」と述べました。
トランプ政権は1月にベネズエラを攻撃した後、キューバに対して事実上の海上封鎖で石油供給を制限し、「次はキューバだ」と語るなど、体制転換への圧力を強めてきました。
なぜキューバなのか、1つ目『歴史的背景』です。
1902年、キューバ共和国が成立しました。
アメリカの強い影響下に置かれ、多くのアメリカ企業が進出し、カジノやナイトクラブもある人気観光地でした。
一方で、貧富の差は拡大していきました。
歴史的背景が『ピッグス湾侵攻事件』です。
1959年、キューバ革命が起き、フィデル・カストロ政権が成立しました。
その2年後、1961年に、ピッグス湾侵攻事件が起きます。
これは、CIAの訓練を受けた亡命キューバ人部隊が、カストロ政権の打倒を試み侵攻したもので、これをきっかけにアメリカとの対立が決定的になります。
なぜキューバなのか、2つ目『ロシア・中国と接近』です。
アメリカのウォールストリート・ジャーナルは5月23日、アメリカ情報機関の分析を基に、ロシアと中国がキューバを拠点に、アメリカ南部フロリダ州にあるアメリカ軍基地監視のため電子盗聴施設に投資するなど、『情報収集活動を拡大』していると報道しました。
なぜキューバなのか、3つ目『票田』です。
アメリカには、キューバ系住民が約290万人暮らしています。
東京大学大学院の上さんによると、キューバ系住民の多くは、キューバ革命以降にカストロ政権から逃れてきた人々で、反社会主義、共和党支持の傾向が強い、ということです。
キューバに近いアメリカ・フロリダ州は、多くのキューバ系住民が住んでいて、マイアミには『リトル ハバナ』と呼ばれる地区もあります。
大統領選で激戦となることもある州です。
「この瞬間を待ち続けていた。トランプ政権に欠点はあっても、キューバの国民生活を変えることに真摯に向き合った唯一の政権だ」
■キューバ攻撃の可能性は?ベネズエラとの類似点
アメリカの軍事行動はあり得るのか、キューバとベネズエラの類似点を見ていきます。
アメリカのルビオ国務長官は、亡命キューバ人の息子で、キューバに対して、“最強硬派”として知られています。
「平和的な合意の可能性は高くない。考えを改めるなら歓迎するが、それまでは必要な対応をとる」と平和解決に懐疑的な考えを示しました。
ラウル元議長が起訴された同じ日に、アメリカ軍は、空母ニミッツを中心とする空母打撃群がカリブ海に到着したと発表しました。
トランプ政権には“成功体験”があります。
2026年1月、中南米ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束したことです。
東京大学大学院の上さんによると、キューバとベネズエラの類似点は、
・社会主義
・西半球
・言論統制
・アメリカ国内の亡命者との対立
ということです。
アメリカの行動の類似点です。
ベネズエラに対して、
2017年に経済制裁をし、
2020年にマドゥロ大統領を起訴、
2025年にカリブ海に空母打撃群を派遣し、
2026年1月に軍事行動を行い、マドゥロ大統領を拘束しました。
キューバに対しても、ベネズエラに対して行った動きと同じ流れをしています。
アメリカメディアの指摘です。
アメリカのニューヨーク・タイムズは、マドゥロ大統領とラウル元議長のいずれも『起訴』されている点に触れて、アメリカ軍が『同様の方法』でラウル元議長を拘束しようとする可能性があると指摘しました。
「『全くない』とは言い切れなくなってきた。トランプ政権にとって一番理想的なのはキューバ側が白旗をあげること。いま一番考えていることは、軍事行動の可能性をちらつかせて圧力をかけること」
■キューバ 燃料枯渇で深刻な停電 アメリカが封鎖&制裁
キューバの石油事情です。
同じ反米政権として共闘関係のベネズエラから石油を調達していました。
1月にアメリカがベネズエラを攻撃した後に、供給が途絶えています。
最後のタンカーの入港が確認できたのは3月です。
首都ハバナでは、多くの地区で1日20時間から22時間、停電が起きています。
「キューバ国民の窮状を心配するならば、アメリカが制裁を解除すればいい。キューバ国民が直面している問題は、長期間の制裁から来ているのだから。アメリカのやっていることは体制転換をもくろむだけでなく、地域を不安定化する行為だ」と発言しています。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年5月25日放送分より)
















