アメリカで大卒の失業率が上昇し、学生の間に「AIのせい」だという不満の声が高まっています。
『AI失業』がアメリカで加速しています。
数年後には、日本のホワイトカラー層にも波及する可能性があると専門家は指摘しています
■「AIなんて最悪」大学生 反発 アメリカ企業 人員削減の波
アメリカではAIに対して若者の反発が強まっています。
アリゾナ大学の卒業式では、グーグルの元CEOのシュミット氏が卒業生に向けて、
「AIはあらゆるものに影響を与えるだろう。君たちがどんな道を選ぼうと、AIは仕事の進め方の一部になる」とスピーチした途端、卒業生から一斉にブーイングが起こりました。
セントラルフロリダ大学の卒業式では、不動産会社の幹部、コールフィールド氏が、
「AIは次の産業革命です」とスピーチした途端、激しいブーイングが起こるとともに、卒業生の中から、「AIなんて最悪だ!」という声が上がりました。
アメリカの人員削減数です。
アメリカ企業の5月の人員削減数は、9万7006人で、前の月と比べて16%増加しました。
そのうち『AIを理由とした人員削減』は、3万8579人で、約4割に及びました。
AIに影響を受けやすい職種で、特に若者の雇用が減少しています。
ソフトウェアエンジニアです。
生成AIが一般的に普及される直前の2022年10月を『1』としたときの年代別の推移をみると、22歳から25歳、26歳から30歳の雇用は他の年代と比べて大きく減少しています。
■「AIの影響で」就活に大苦戦 200社以上応募も不採用
実際、就職するのに苦労したというアメリカ人の女性です。
ハラムさん(23歳)はニュージャージー州の公立大学出身で、2年前に大学を卒業しました。
大学では、データ処理やアプリ設計について学ぶコンピューターサイエンスを専攻していて、就職先は、技術者をまとめ、開発プロジェクトなどを管理・調整するプロジェクトマネージャーを志望していました。
在学中の就職活動では、IT企業を中心に200社以上に応募しましたが、卒業までに就職先は見つからず、卒業後2年間はインターンシップを経験しながら就職活動を継続していました。
「学生側もAIを駆使している一方で、企業も書類選考などにAIを使っている。まずAIに評価されないと採用担当者に履歴書すら見てもらえない」といいます。
ハラムさんは2026年2月ごろ、「とにかく仕事に就かないと!」と思い、もともと志望していなかったIT関連企業の『営業職』に応募したところ、すぐに面接の案内が届き、3月に内定、4月から働いています。
「営業職なので成果次第だが、平均的な基本給を比較した場合、プロジェクトマネージャーよりも営業職のほうが低く、年間320万円ほど少ない」
「これまでは『コンピューターサイエンスを専攻していれば、安定したキャリアにつながる』ということが当たり前の認識だったので、こんなに苦労するとは思わなかった。AIの影響で若者の就職は明らかに難しくなっている」
■日本 2030年ごろ“AI失業”に直面!?経済崩壊の可能性も
2030年ごろ、日本の若者にもAIによる失業が本格化する可能性があるという指摘があります。
駒澤大学の井上智洋准教授に話を聞きました。
まず日本の若者の就職状況です。
2026年春に卒業した大学生の就職率は98.0%でした。
これは1997年の調査開始以来、2番目に高い水準で、人手不足などを要因として、学生側が有利となる売り手市場が続いています。
しかし、井上准教授によると、2030年ごろには日本の若者のホワイトカラー層でAI失業の波が顕著になるということです。
アメリカより遅れる理由は、AI導入の遅れ、簡単に解雇できない仕組み、人手不足が挙げられるということです。
AI失業の特徴です。
特定の職業での雇用が“完全に消える”わけではなく、AIが代替する業務が出てきて、各職業の雇用が縮小します。
AIの進化の流れの先には、中間層の喪失が起きるということです。
中間層の喪失とは、いわゆる“普通”の会社員などの層が成り立たなくなることです。
労働者は二極化し、AIに指示して高度な価値を生み出すスーパー労働者と、AIの影響で失業する労働者に分かれるといいます。
AI失業の時代には、AIが働いて失業者が増加、モノが売れなくなり、経済が崩壊する可能性があります。
井上准教授によると、“AI失業”時代の到来を見据え、生活を保障し消費を支えるベーシックインカム制度の確立が必要だということです。
アメリカの論文でもAIが雇用を奪うことが経済に与える影響を指摘しています。
1、AI導入で仕事を人からAIに置き換えることで
2、労働者の所得が減少
3、それによって、購買力が低下し市場全体の売り上げが低下する
という内容です。
「AIに置き換えられた雇用が消費を奪っているという視点がポイント。短期的には一企業に対する影響が少ないが、AIによる効率化が長期的に進むと市場全体への影響は大きくなる」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年6月10日放送分より)











