国際

ABEMA TIMES

2026年7月16日 16:00

イギリスで起きた「リサイクル」広告の禁止事案「100%でなければ表示NG」は行き過ぎか ひろゆき氏「リサイクル促進の視点でいけば間違い」

イギリスで起きた「リサイクル」広告の禁止事案「100%でなければ表示NG」は行き過ぎか ひろゆき氏「リサイクル促進の視点でいけば間違い」
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 近年、実態の伴わない環境配慮アピール、いわゆる「グリーンウォッシュ」に対する世間の視線が世界的に厳しさを増している。そうした中、イギリスで「リサイクル素材」と表記した衣料品の広告掲載が相次いで禁止される事態が起きた。消費者の誤解を招くとして規制が厳格化する一方で、過剰な指摘を恐れた企業が環境への取り組み自体を発信しなくなる「グリーンハッシング」という新たな課題も浮上している。企業に求められる環境表示のあり方や説明責任について、『ABEMA Prime』で議論が行われた。

【映像】広告禁止を告げるホームページ(実際の画面)

■イギリスでユニクロ、アディダアスなど 広告禁止に「すべてリサイクル」表示への厳しい目

禁止された広告は

 イギリスの広告基準局(ASA)は、ユニクロ、アディダス、カルバン・クラインが展開する一部の衣料品広告について掲載禁止の措置を下した。

 問題となったのは、ユニクロの「ファーリーフリースフルジップジャケット」「ニットフルジップジャケット」「ボアフリースリラックスカーディガン」などのオンライン広告。「リサイクル素材」という表記がなされていたが、ASAはこれらが製品のすべてがリサイクル素材であると消費者に誤解させる懸念があると指摘した。

 実際には、衣料品に使用されている金属製のファスナーやラベルなどの部品には非リサイクル素材が含まれており、「すべての部品がリサイクル素材であることを示唆するものではなかった」とされている。

 この事態を受け、ユニクロを展開するファーストリテイリングは取材に対し、「本件はイギリスで出稿したオンライン広告の表現に対する指摘である。当社はASAの指摘を真摯に受け止め、必要な対応をすべて完了している。具体的には、指摘を受けた広告を削除し、社内における広告表現ルールの明確化および社内レビュー体制の強化など、再発防止策を取っている」と回答した。同じく指摘を受けたアディダスは「当社は、ASAによる決定を尊重しております」とした上で、「今後も製品全体におけるリサイクル素材の活用拡大に取り組むとともに、消費者の皆様が適切な判断を行えるよう、関連情報について一層の明確性と正確性の確保に努めてまいります」と回答した。ファスナーやラベルといった細部に至るまで、表記の厳格さが求められる時代となったことが浮き彫りになった。

■ひろゆき氏「リサイクルされない社会になる」と危惧、求められる「科学的根拠」

グリーンウォッシュ

 2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は、今回の広告規制の動きに対して実用面からの懸念を示した。

 「100%リサイクルできるものだけでフリースを作ると、ファスナーの強度が下がって壊れやすくなったり、生地を噛みやすくなるから金属を使っている。金属を使って着やすいが、フリース部分のほとんどはリサイクルできるというのが、理論上ベストで着やすいしリサイクルしやすい。100%リサイクルできないといけないならば、着づらくてあまり売れないものを作るしかなくなる」。

 その上で、「売れなくなるならば、今度はリサイクルと言わない方がいいことになってしまう。リサイクルを促進するという視点でいけば間違いだ」と述べ、わずかな非リサイクル部品を理由に一律で禁止にすれば、かえってリサイクルされない社会につながると危惧した。

 一方、サステナビリティコンサルタントの安藤光展氏は、各国の規制強化の背景について、「日本でも環境省が環境表示ガイドラインを出しているが、科学的根拠を示すことが一番のポイントになる。今回は『リサイクル素材を使用している』ことの他にも説明をしていればよかったかもしれないが、それしか言わなかったら、『そうではない部品がある』と突っ込まれてしまう。特にヨーロッパやイギリスは、かなり揚げ足取り的なところがあるというのも現状として感じている」と解説した。

 元経産相の経済学者・竹中平蔵氏は、「これはオール・オア・ナッシングではない。100%ではなくても、それで0になっては困る。どういう表示の仕方があるのか。例えば80%表示とか、50%とか今までとは違う形で進化すればいいと思う」と提言した。

■騙された消費者の反動「グリーンウォッシュ」と萎縮する「グリーンハッシング」

グリーンハッシング

 安藤氏は、環境表示の規制が厳しくなった根本的な理由として、これまでの「グリーンウォッシュ」に対する反動があると指摘する。「消費者が騙されてしまい、『リサイクルされるものだからユニクロを買おう』となっていたのに、『私たちは騙されていた』と訴訟になったりする。消費者を騙す行為になるから、こういうことはやめてほしいと環境規制が始まった。科学的根拠を見せないと『根拠がない』となってしまう」と説明した。

 一方で、こうした厳しい規制や世論の批判を恐れるあまり、企業が自社の環境・気候変動対策などの取り組みについて発信を控えたり、取り組みを過小に報告したりする「グリーンハッシング」と呼ばれる動きも広がっている。

 千葉商科大学客員教授の笹谷秀光氏は、「今回のイギリスの当局の判断は『環境配慮を言うな』と言っているわけではない。『表示した内容についてきちんと説明しろ』と言っている。企業いじめというようなものではなく、説明責任のレベルが一段上がった出来事ではないかと感じている」との見方を示した。

 さらに笹谷氏は、「企業が環境配慮を発信すること自体はこれからも重要だが、リサイクルや環境配慮を表示するなら、その内容を客観的に説明できることが求められている。雰囲気やポーズでSDGsに取り組む時代は終わった」と強調した。

 SDGsを巡る企業の現状について、安藤氏は「ESG(環境・社会・ガバナンス)投資に関しても、単なるブーム後退ではなく定義が厳格化し、普通の投資と区別できないものが除外された。企業も『SDGsに注力』とアピールする意味がなくなり、『やるべきことを普通にやる』方向にシフトしている。社会正義としてのSDGsも重要だが、ビジネスとして進めていくのであれば、実効性のある方へとある程度絞られていくのではないか」と分析した。 (『ABEMA Prime』より)

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