11月の米中間選挙を前にした予備選挙において、上院の勝敗を左右する激戦州のミシガン州で民主党急進派の候補者が勝利を収めるなど“異変”が起きている。トランプ政権の現状や中間選挙の行方について、テレビ朝日外報部の斉木文武デスクが最新情勢を解説した。
【映像】トランプ大統領「憎しみに満ちた男だ」厳しい攻撃の瞬間(実際の様子)
そもそもアメリカの中間選挙は4年に1度の大統領選挙の「合間の年」に行われ、上院の3分の1(今年は35議席)と下院の全435議席などが改選される。就任から約1年半の政権運営に対する「中間テスト」の意味合いを持ち、特に現在はトランプ政権が関税引き上げや移民取り締まり、イラン問題など大胆な政策を相次いで展開していることから、その審判に国内外の注目が集まっている。現在は上院・下院ともに共和党が過半数を握る「トリプルレッド」の状態だが、足元ではトランプ大統領の支持率が30%台前半まで落ち込むなど危険水域に突入している。
そうした中、民主党が是が非でも勝たなければいけない要衝・ミシガン州の予備選で主流派が後押しする候補を押し切り、政治経験のない急進左派のエルサイード氏が勝利する波乱が起きた。富裕層への増税や国民皆保険制度の実現、イスラエルへの軍事支援停止などを掲げる急進派の勢いがやや保守的な層が多いエリアにも波及していることが実証された形だ。トランプ氏はエルサイード氏の勝利に対して「彼はユダヤ人を憎んでいるし、イスラエルも憎んでいる。愛想の良い紳士だが、憎しみに満ちた男だ」などと強い言葉で攻撃を展開しているが、斉木デスクは「過激な主張を前面に出させることで、無党派層の票を民主党から離反させたいというトランプ氏の思惑が見え隠れする」と分析する。
一方、民主党内では「主流派」と「急進派」の対立による内部分裂の危機も指摘されている。党内の足並みが揃わなければ、絶好の機会を逃して共倒れするリスクを抱えている。しかし、共和党の強固な地盤であるテキサス州では、演説巧者で「オバマの再来」と称される37歳の民主党・タラリコ氏が登場し、世論調査で優勢を見せるなど新たな旋風を巻き起こしている。
予測市場では下院で民主党勝利の確率が80%を超えているものの、上院は依然として共和党が過半数を維持するとの見方が強い接戦が続いている。もし与党・共和党が上下院のいずれかで過半数を失えば、法案成立が困難になるなど、政権運営が困難になる。新しいスターが「党内融和の象徴となり、民主党が一枚岩となって共和党の地盤を崩すことができるか」、投開票に向けた攻防が激しさを増している。
(ニュース企画/ABEMA)