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2026年8月12日 18:00

ロシアで深刻な兵士不足 政権内外に停戦求める声 来月ウクライナ侵攻後初の下院選挙 “反戦”野党に強まる圧力

ロシアで深刻な兵士不足 政権内外に停戦求める声 来月ウクライナ侵攻後初の下院選挙 “反戦”野党に強まる圧力
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 戦死者が増えるロシアでは、「穏健派」と「強硬派」の間で分裂が加速しているという。そんな中、支持率が低迷する与党は来月行われる下院選挙を前に反戦を訴える野党への警戒感を強めている。

深刻な兵士不足

 まずは、ロシアで深刻化する兵士不足の問題について見ていく。強引な手法で兵士を集めているという。

ロシアで兵士不足が深刻に?
ロシアで兵士不足が深刻に?

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロシアの地方都市で兵士を集めるために暴行を働いた例があるという。

 5月、南西部のペンザ州で「個人情報を確認する」という名目で地元の警察署に呼び出された男性が、その後、兵士募集事務所に連行され、軍の担当者に腹部を殴られ、強引に徴兵されそうになったという。ただ、この男性は移送される直前で知人に救出され、解放されたという。

 こうした強引な手法の他にも、ロシアの地方の建物には「友達を兵士募集センターに連れてきて10万ルーブルを手に入れよう」などという広告も掲載されていて、こうした兵士募集事務所に人を連れてきた場合に現金を提供するという施策も行われている。

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補償金狙う結婚も?

 さらに戦死者が増える中、遺族への補償金を狙って結婚する例もあるという。

補償金狙う結婚 社会問題に
補償金狙う結婚 社会問題に

 CNNによると、ロシアでは夫の戦死補償金を狙う結婚が社会問題になっているという。

 その手口はどのようなものなのか。例えば、まもなく戦地に派遣される男性と結婚し、その後、夫が戦地に向かう。そして夫が戦死した場合、女性は法的配偶者として最低でも一時金約1000万円を受け取ることができるといい、こうした戦死補償金制度を悪用する例が相次いでいるという。

 そして実際に逮捕者も出ている。ロシアメディア「コメルサント」によると、ロシア中部イワノボ州では、女とその共犯者が逮捕されたという。女らはほとんど面識のない入隊予定の男性を誘い込み、結婚させた後、男性が戦死した際に補償金にあたる約2900万円を山分けした疑いが持たれているという。

 CNNによると、こうした犯罪に対して政府による取り締まりを求める声が高まっているという。

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政権内の分裂加速か

 ウクライナ侵攻を巡り政権内部で、意見の相違が鮮明になってきているという。政権の内外で停戦を求める声が増えているという。

「穏健派」と「強硬派」分裂加速か
「穏健派」と「強硬派」分裂加速か

 元時事通信社モスクワ支局長で拓殖大学・客員教授の名越健郎氏によると、停戦を支持しているとみられる「穏健派」は政権ナンバー2のミシュスチン首相や経済閣僚などで、他にも有力者でいえば、ソビャーニン・モスクワ市長や、いわゆる「オリガルヒ」と呼ばれる新興財閥らだという。

 一方、真偽のほどは定かではないが、ロシア内部の情報を発信しているとされる「クレムリンのたばこ入れ」という名前のテレグラムによると、ロシア国防省はウクライナの攻撃が激しさを増す状況下ではロシアを守り切れないとし、プーチン大統領にロシア全土に戒厳令を発令するよう提案したという。

 名越氏によると、ロシア憲法の規定では戒厳令を発令すると選挙や集会を禁止することができて、軍への動員や軍需関連の労働に強制的に従事させることなどが可能になるというが、こうした権利の制限は国民の反発を招く恐れもあり、政権にとってリスクが大きいという。

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与党に逆風?

来月、侵攻以降初の下院選挙
来月、侵攻以降初の下院選挙

 支持率が低迷している与党は、来月の下院選挙を前に野党への警戒感を強めている。来月行われるロシア下院選挙を巡って、与党に逆風が吹いているとの指摘もある。

 ロシア下院選挙は来月18日〜20日の3日間にわたって行われるが、ロシアでは下院選は5年に1度行われることになっているため、今回はウクライナ侵攻が始まって以降、初めての下院選となる。

 現在、下院は与党「統一ロシア」が450議席のうち310議席と全体の約7割の議席を占めている。ただ、ロシアの独立系世論調査機関「レバダ・センター」の6月の発表では「統一ロシア」の支持率は30%でウクライナ侵攻後、最低の水準だという。

 なぜ低迷しているのか、ロシア独立系メディア「モスクワ・タイムズ」によると、背景には、インフレなど経済的な圧力の高まりやインターネットを規制したことへの反発、ウクライナによるドローン攻撃の拡大などの影響があるのでは?という。

プーチン大統領の支持率の推移
プーチン大統領の支持率の推移
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野党に強まる圧力

 与党が低迷する中、反戦を訴える野党への警戒を強めているという。

反戦訴える野党を警戒か
反戦訴える野党を警戒か

 AFP通信によると、警戒の対象とされているのが反戦を訴える野党「ヤブロコ」。今回の選挙についてヤブロコの党幹部は、「権力者にロシア人が意思表示する国民投票」だと位置付け、ウクライナ侵攻に反対する有権者の受け皿を目指しているという。

 さらに、このヤブロコという政党は、2024年に死亡したロシアの反体制派指導者・ナワリヌイ氏、その妻・ユリア氏が支持してきた政党だという。

 しかし、このヤブロコを巡って、政権寄りの保守系政党「ロジナ」が「選挙活動の動画やSNSで著作権を侵害した」などとしてヤブロコを提訴しており、ロシア最高裁は「ヤブロコを来月の下院選から排除する」との判決を下した。

 このことについて独立系メディアなどは「著作権侵害は、反戦政党を選挙戦から排除するための口実にすぎない」と指摘している。

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下院選後に重要政策発表か

 ロシアでは下院選挙の後、重要な政策が発表され、ロシアの国民生活への締め付けが一層強まる可能性があるという。

下院選後に重要政策発表か
下院選後に重要政策発表か

 ロシア独立系メディア「ビョルトスカ」によると、プーチン政権はこれまでも大きな選挙の後に、国民生活に影響の大きい重要な政策を発表してきたという。

 例えば、2022年には、9月の統一地方選挙から10日後、突如「部分的な動員」(部分動員令)を発表し、国民の反発を生んだ。

 そして今回の下院選の後には、「海外のインターネットへのアクセス制限」や「市民の預金差し押さえ」、「ガソリン価格の値上げ」などを発表するのではとも言われている。ウクライナのゼレンスキー大統領は先月27日に自身のSNSに「プーチンは下院選の後、30万人〜50万人の動員を行うだろう」と投稿するなど、下院選後の動向にも注意が向けられている。

(2026年8月12日放送分より)

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