アメリカの中間選挙までおよそ2カ月となる中、トランプ大統領と側近の女性との関係が物議を醸している。“トランプ氏の門番”とも言われるハープ氏とは?
一方、民主党“急進左派”の躍進が目立つ中、その象徴とされるニューヨークのマムダニ市長には逆風も指摘されている。
ナタリー・ハープ氏とは?
トランプ氏の側近といわれるハープ氏とは、どのような人物なのだろうか。
この人物が注目を浴びる発端となったのが、民主党のジョン・オソフ上院議員による「彼(トランプ氏)は大統領の職務を全うする気がない。ナタリーと一緒に旅行したいだけだ」という発言(16日)。
この発言を機に注目されるようになったのが、ナタリー・ハープ氏(35)だ。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ハープ氏はカリフォルニア州の出身で、保守系のテレビ局の司会者だったが、2022年からトランプ大統領の陣営に加わり、現在は大統領特別補佐官を務めている。
そんなハープ氏に、トランプ大統領は絶大な信頼を寄せているという。CNN(21日)によると、トランプ大統領が周囲のスタッフに「君たちはいずれ金を稼ぐために去っていくが、彼女(ハープ氏)は離れない」と話したこともあったという。
実際、ハープ氏は大統領専用ヘリコプターや大統領専用機「エアフォースワン」にも頻繁に同行していて、先月8日、トルコでのNATO(北大西洋条約機構)首脳会議後、「イランによる暗殺計画」があるとの情報を受けて大統領専用機から軍用機に密かに乗り換えた際にも、トランプ大統領に同行した数少ない側近の1人だと報じられている。
なぜ、そこまで信頼されているのか。その1つには、トランプ大統領への「忠誠心」があるという。
側近起用の理由は忠誠心?
ロイター通信(2024年11月12日)によると、1期目に側近との衝突が相次いだトランプ大統領だが、2期目の人選で重視したのが自らへの「絶対的な忠誠心」だという。
その忠誠心を計るため、周囲に置くスタッフについては、過去の発言や民主党などへの献金の有無などを徹底調査したという。
CNN(22日)の調べでは、2021年1月6日の議会襲撃事件当日、ハープ氏はSNSに「ファイト・フォー・トランプ=トランプ氏のために戦え」といった、共和党員への呼びかけを150件以上投稿していたという。ある専門家は、忠誠心が重視されるという現在のトランプ政権で、ハープ氏の側近への起用はその「最も顕著な例」だと指摘している。
情報・交流を管理?
ではこのハープ氏、なぜ“トランプ氏の門番”と呼ばれているのか。
CNN(19日)によると、ハープ氏はトランプ大統領を称賛する「記事」や「SNS投稿」を印刷して持ち歩いており、大統領に頻繁に差し出す姿が見られることから“人間プリンター”と言われているという。
また、外国の首脳がトランプ大統領に接触したい場合にハープ氏にメッセージを送ることもあるなど、首脳外交の窓口にもなっているという。
このように、トランプ大統領に入る情報からトランプ大統領との交流まで管理する立場にあることから“門番”と呼ばれているという。
さらに、ハープ氏はトランプ大統領のSNSへの投稿も担当しており、投稿内容を提案したり代理で投稿することもあるという。
ただ、ハープ氏について政権関係者からは懸念も示されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(18日)によると、ハープ氏が、極右団体の提供している虚偽または誤解を招く情報を大統領に見せているとして、政権内部で不満を漏らす人もいるという。
民主党は一枚岩になれる?
一方、民主党では“急進左派”の躍進が目立っているが、その象徴とされているゾーラン・マムダニ市長には、逆風も指摘されている。
アメリカ中間選挙に向けて共和党・民主党それぞれが候補者選びを進めているが、民主党は一枚岩になれるのだろうか。
18日に行われたフロリダ州の民主党候補を選ぶ予備選では、民主社会主義者で“急進左派”のアンジー・ニクソン氏(42)が富裕層への増税や国民皆保険制度などを公約に掲げ、穏健派の対立候補に大差で勝利した。
もともとこのフロリダ州は左派政権を嫌って中南米から渡ってきた人たちが多く、イギリスのガーディアン(18日)によると、およそ8割が保守派・穏健派という地域だといい、民主党の急進左派であるニクソン氏の勝利についてワシントン・ポスト(19日)は「今年最大級の番狂わせ」と報じた。
では、なぜこのような番狂わせが起きたのか?
対立候補だった民主党穏健派のアレクサンダー・ビンドマン氏(51)は全国区の知名度を持ち、およそ25億円の政治資金を集めていたが、そのほとんどを11月の本選挙の準備に費やし、予備選は勝てるだろうとほぼ無視していたという。
一方、ニクソン氏の政治資金はおよそ1億5000万円と資金力にかなりの差があったが、ニクソン氏は戸別訪問や電話作戦など草の根で運動を広げていき、低所得者層や黒人有権者などから多くの支持を得て勝利したとみられている。
各地で民主社会主義を掲げる“急進左派”が民主党候補に選ばれる中で、次のようなデータもある。
調査会社「ピュー・リサーチ・センター」が6月に公表した調査で、民主党員のうち「民主社会主義を名乗る候補を好む」と答えた人はおよそ3分の1にとどまったという。
民主党の“急進左派”が負けて穏健派が勝利している地域もあり、中間選挙に向けて党として統一した政策を打ち出せるか、民主党は正念場を迎えている。
NYマムダニ市長に逆風?
そんな民主党の“急進左派”躍進の象徴ともいわれるニューヨークのマムダニ市長に、逆風が吹いている。9・11同時多発テロの遺族の一部から批判の声が上がっているという。
来月で25年を迎える9・11同時多発テロの追悼式典を巡り、マムダニ市長の出席に反対する9万人を超える署名が集まっている。
これは遺族グループの一部が呼びかけたもので、「過激派イスラム勢力との関係が指摘される人物と交友があること」や「父親が著書で自爆テロ実行犯を擁護するような主張をしていたこと」などを理由に挙げ、欠席すべきと訴えている。
過去の追悼式典では、時の大統領や州知事・市長らが党派を問わず参列しており、もし今回、市長が欠席すれば異例の出来事となる。
こうした動きに対してマムダニ市長は「テロ攻撃によって今も影響を受けている遺族、生存者、対応にあたった人々とともに追悼式に参加し敬意を表す」と出席の意思を表明している。
敵対する共和党からは出席反対の署名に賛同する声も出ていて、11月に行われるニューヨーク州知事選の共和党候補、ブルース・ブレイクマン氏も「もし出席した場合、参加者たちは彼(マムダニ市長)に背を向けるべき」だとし、マムダニ氏が出席した場合は抗議の姿勢を見せるよう訴えている。
(2026年8月24日放送分より)







