アメリカとイランの攻撃の応酬が再び激化し、ホルムズ海峡経由の原油の調達に、不安が高まっています。
エネルギーに革命をもたらす『核融合』はいつ実現するのか、みていきます。
■ホルムズ海峡「封鎖強化」原油をシャトル船でリレー輸送
ホルムズ海峡の封鎖から半年です。
再び緊張が高まっています。
イランの革命防衛隊は、ホルムズ海峡で違法な航行をした石油タンカー2隻が機雷に接触し、炎上、航行不能になったと発表しました。
サウジアラビア外務省は、ホルムズ海峡を航行中のサウジアラビアのタンカーがイランの攻撃を受け、船員2人が死亡したと声明を出し、非難しています。
アメリカとイランの攻撃の応酬で事態が悪化しています。
9月1日、アメリカ中央軍は、イランの革命防衛隊がホルムズ海峡の商船や中東のアメリカ軍への攻撃を試みたとして、イラン国内の軍事拠点に攻撃を開始しました。
イランメディアによると、結婚式場が被害にあい、5人が死亡、68人が負傷。
イランの革命防衛隊が周辺国の米軍施設などに弾道ミサイルやドローンで報復攻撃したと発表しています。
「イランとの合意は紙切れ同然だ」と話し、日本時間9月3日未明の自身のSNSでは、
「米国が支配下においた以上、ホルムズ海峡の名称を『トランプ海峡』に変更すべきだろうか???」と投稿しています。
イランの革命防衛隊です。
米軍の攻撃によりホルムズ海峡への「締め付けが強まる」と表明。
ホルムズ海峡の封鎖を強化するとしています。
封鎖が続く中、原油の輸送ルートにも変化が起きています。
産油国から積んだ原油をホルムズ海峡外で別の船に積み替えて運び出す、シャトル船によるリレー輸送が行われています。
8月以降増え、1日15隻ほどがホルムズ海峡を通過しています。
シャトル船によるリレー輸送とは、
1、ペルシャ湾内の産油国から原油をシャトル船に積み込み、ホルムズ海峡を通過します。
2、海峡通過後はオマーン沖のアラビア海で待機している別の船に原油を積み替えます。
シャトル船はアメリカ軍の警護を受けながら、ホルムズ海峡の南側を通過。
船舶自動識別装置をオフにし、すべての電子機器を停止し、“ステルス状態”で航行しているといいます。
シャトル船といわれるタンカーが50隻から60隻、存在しているということです。
日本はいま、原油を中東にどのぐらい依存しているのでしょうか。
ホルムズ海峡封鎖前は、UAEアラブ首長国連邦、サウジアラビアなど約9割が中東からの輸入でしたが、封鎖されて以降、アメリカ産の原油が増え、7月は、中東依存は約6割にまで減っています。
アメリカが約4割まで増えています。
ただ、アメリカ産原油にもリスクがあります。
アメリカ産原油を喜望峰経由で輸送すると50日程度、中東産を輸送するのに比べ、2倍以上時間がかかります。
燃料費や人件費などコスト負担が増えます。
さらに、リスク2つ目です。
アメリカ産原油の在庫量は、歴史的な低水準で、今後、アメリカ産原油の輸入が減る可能性もあります。
日本政府は8月、ホルムズ海峡を通らずに輸入する事業者に交付金を支給する制度の検討を始めました。
■日本 エネルギー戦略切り札に?“核融合”研究が世界で加速
日本のエネルギー戦略についてみていきます。
日本の現状についてです。
日本のエネルギー自給率は、OECD/経済開発協力機構に加盟する38カ国のなかで、37位、自給率は15.3%にとどまっています。
電力を作るために利用されるエネルギー、『電源構成』を見てみると、天然ガス、石炭、石油などの火力発電が67.5%を占めていて、再生可能エネルギーは23.1%、原子力発電は9.4%となっています。
日本が目指すエネルギーミックスとは、複数の発電方法を効率的に組み合わせ、電力を供給する考え方です。
2040年度の見通しでは、再生可能エネルギーの発電電力量を4割から5割に引き上げ、火力発電を3割から4割に引き下げる方針です。
そして、日本のエネルギー戦略の切り札になるかもしれないのが“核融合”です。
2026年7月、高市内閣は、『日本成長戦略』でフュージョン(核融合)エネルギーを戦略17分野の一つに位置づけました。
官民による核融合関連への投資額は、2040年度までに、3.1兆円と想定されています。
“核融合”の国際プロジェクトも進行中です。
熱核融合実験炉『イーター』は、核融合反応の実現を目指す、世界最大級の実験炉です。
日米欧などが協力し、フランスに建設中で、2039年に本格的な実験を開始する予定です。
核融合発電の世界市場は、2040年に約120兆円規模になる見込みで、“夢のエネルギー”、“エネルギー危機の救世主”とも言われています。
“核融合発電”とはどのようなものなのでしょうか。
原子力発電の核分裂反応は、原子核が分かれることでエネルギーが発生しますが、核融合反応は原子核が結合することで、エネルギーが発生します。
核融合発電は、
1、発生した運動エネルギーを熱に変えて水を沸騰させ蒸気を作り、
2、蒸気でタービンを回して発電します。
主なメリットです。
『高効率』
1グラムの燃料から石油約8トン分という膨大なエネルギーを生み出します。
『クリーン』
発電時にCO2を排出しません。
『安全性が高い』
燃料や電源の供給を止めれば、自然に反応が停止します。
『核のゴミが原発に比べ、低レベル』
長期間管理が必要な高レベルの放射性廃棄物が出ません。
■“核融合開発”最前線 劇的進歩支える日本の技術
テレビ朝日の山口豊アナウンサーが、アメリカの核融合開発の最前線を取材しました。
アメリカ・ボストンの郊外にある、『CFS社』という核融合のスタートアップ企業です。
2027年、核融合の実験炉を完成予定で、2030年代前半に、商用発電の実用化を目指しています。
日本やイーターに比べ、大幅に早い実用化です。
なぜ今“実現”が近づいているのでしょうか。
それは日本製の『高温超電導テープ』の登場があったからです。
厚さ0.1ミリ、強力な磁場が必要な核融合炉に大量に使用することが可能になりました。
CFS社の1つの実験炉に約1万キロメートル使用しているということで、これは東京からボストンまでの距離と同じです。
この高性能なテープのおかげで、核融合炉の小型化が可能になりました。
その結果、CFS社の核融炉は、直径9.5メートル。
イーターのものは、直径約30メートル。
小型のため建造期間が短くなりました。
すでにグーグルはAI開発で膨大な電力が必要なため、将来の電力供給の契約を締結しています。
CFS社の動きを受け、日本でも、スターライトエンジン社やヘリカルフュージョン社など、国産の核融合炉開発を目指すスタートアップ企業が登場しています。
「実用化はまだ先の話とはいえ、日本のエネルギーの未来を考える上では重要な技術。まず、今使える再エネと蓄電池を増やし、将来的には核融合なども組み合わせながら、化石燃料への依存を減らしていく必要がある」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年9月3日放送分より)















