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ABEMA NEWS

2026年10月3日 15:15

冷え切っていた日中関係に変化?中国経済の成長鈍化も背景か「将来への自信を失っている」今、高市政権は中国とどう向き合うべき?識者が解説

冷え切っていた日中関係に変化?中国経済の成長鈍化も背景か「将来への自信を失っている」今、高市政権は中国とどう向き合うべき?識者が解説
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 昨年11月、高市早苗総理が国会で台湾有事に関する発言をして以降、日中関係は急速に冷え込んだ。中国側はこの発言の撤回を要求し、日本への渡航自粛や日本産水産物の事実上の輸入停止などの対抗措置を相次いで講じた。一方で今年に入り、日本の国会議員による訪中が続いており、岩屋毅前外務大臣が中国を訪問し、何立峰副首相および王毅外相と相次いで会談した。11月に中国で開かれるAPEC首脳会議も控える中、日中関係の今後はどこへ向かうのか。『ABEMA Prime』では、冷え込む日中関係と経済的な相互依存の実態について考えた。

【映像】岩屋毅氏と何立峰副首相、会談中に報道陣が退出させられる事態に(実際の様子)

■中国側の姿勢に変化?背景に経済的な苦境

岩屋氏と王毅外相

 岩屋氏は帰国後、「日本との経済交流、民間交流については、中国側は決して後ろ向きではない、むしろ前向きである。日本企業が中国の市場において新たなビジネスチャンスを見つけることを歓迎するという発言があった」と述べ、経済交流の面で手応えを感じていると語った。その一方で、中国側の要人からは台湾問題をめぐる発言の是正を求める声が相次いで上がった。

 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の瀬口清之氏は、今回の会談で副首相が対応に出たことに着目し、「中国の対日姿勢の変化を表している」と指摘する。その背景として同氏が挙げるのが、中国経済の現状だ。「今の中国の経済は、少なくとも2030年ごろまでずっと下がっていく。今、中国の国民が将来への自信を失っている。また、一番大切にしている半導体やAI関連の必要な製品は技術レベルが高く、日本の企業しか供給できないということが最近分かってきた。今年に入ってから日本の企業の売上が伸び、需給バランスが逼迫して値段も上がっている」と説明する。

 瀬口氏によれば、中国のハイテク産業は経済全体の3割を支えており、それを下支えする日本企業の存在が不可欠になっているという。「だからこそ、なんとか高市総理にAPECにも来てもらい、日本企業にも安心して対中投資や積極的な生産拡大をやってほしいと考えているのではないか」と分析する。

 東京財団主席研究員・柯隆氏も同様に姿勢の変化を認めつつ、別の観点を加える。「高市政権との交流はなかなか難しいけれど、外堀を埋めておかないといけない。今まで圧力をかけてきた目的は高市政権の支持率を下げようとしてのことだが、なかなか支持率が下がらない。だから経済界やアカデミックの世界との交流を再開しながら、次の政権に向けての準備をしているのではないか」と述べる。

■「拳を上げる必要はない」ひろゆき氏・夏野氏が指摘

岩屋氏が訪中

 2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、日本の輸入において中国が最大の相手国であり、輸出でも第2位であることを示しながら、「これだけ経済が密接に関係している国と、短期的に高市総理がどう言ったかで(感情的に)すっきりするよりも経済が大事、という人が減ってしまった日本国民の問題」と語る。さらに、「経済的に拳を上げる必要はない。トランプ大統領だって、中国を名指しで敵視していたのに、結果として経済が大事だからと、(訪米した)習近平氏を国賓級の扱いをして仲良くなった。高市総理も演技でいいから頭を下げておけば、その分日本経済が潤うかもしれない」と述べた。

 近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は、自身がコンテンツ企業に関わる立場から、現場レベルでの影響を説明する。「今、日本企業との取引は危険という雰囲気が中国の企業に広がっている。新しい日本の漫画は一切発刊禁止になっているし、許可を得なくてもいいような取引においても、日本企業と付き合うことに関してものすごく中国の企業が抑えている」とし、「こんなことで問題になっているのが、経済界からすると残念だ。中国という巨大市場なくして日本企業は生き残れない」と強調した。

 瀬口氏は、製造業やサービス業においては依然として好調な日本企業が多いと補足する。「サイゼリヤやユニクロ、無印良品、スシローなど、中国で絶好調の企業は結構多い。また、話題の人型ロボット(フィジカルAI)の中を開けると日本の部品だらけで、半導体製造装置もAIのデータセンターも日本の部品や素材がないと回らない」と述べ、日本企業の存在感の大きさを改めて示した。

■今後に求められる外交の全体設計

中国に進出した日本企業

 政府間の関係がいまだ冷えている一方で、一部の経済交流には変化の兆しもみられる中 、瀬口氏は「中国は日本に対して厳しい対応をしていたが、その狙いは民間企業はそのまま交流し、政府には一切付き合わないという、二分法をやろうとした。ところが、日本の企業が政府の対応を見て、こんなに政府がやられているなら自分たちも行くのは危ないと思う企業が増えてきている。そのことが日本にいる中国人から中国政府に伝わり、それから少しずつ対応が変わってきた」と分析する。

 中国経済の実態については、柯隆氏が米国のロジウム・グループによる中国の経済成長率の推計を紹介し、「中国の公式発表では成長率4%から5%の間だけれど、そこから約3ポイント引いた数字が実態に近い、すなわち2%前後だ」と指摘する。さらに「ピーク時に比べると3割の日本企業が中国から離れた。日本企業も冷静に経営判断しなければいけないところに来ている」と述べた。

 今後、高市政権に求められる対応について瀬口氏は、「0か100じゃない、ちょうどいい形の何かは必ずある。どういう言葉を使うかは日本の外務省と中国の外交部が脳髄を振り絞って考える。高市総理にはもっとヨーロッパのリーダーと付き合い、第三者の目からアメリカと中国と日本の立ち位置を見て、落としどころのイメージをつかんでほしい」と語り、外交全体の設計の重要性を訴えた。

 柯隆氏は「時間が解決してくれると思う。高市総理もこういうことを言ったからとはいえ、中国と戦争しようとは思っていない。お互いクールダウンをしながら見つめ直す時間が大切だ」と述べた。夏野氏は「中国も日本のテクノロジーが欲しいし、日本企業にとっても中国市場は非常に大事だ」とした上で、「外交も大事だが、中国の軍事力はこの20年でものすごく大きくなっており、その現実も認識しなければならない。難しいところにいるということを、みんなが分かっていなければならない」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)

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