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2026年11月5日 00:18

“レームダック”でも変わらず?トランプ氏「VETO」強調…米・共和党“歴史的敗北”

“レームダック”でも変わらず?トランプ氏「VETO」強調…米・共和党“歴史的敗北”
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アメリカの中間選挙は、長年、共和党の牙城とされてきた州でも、民主党が次々と議席を獲得し、上下両院で多数派を奪還する歴史的な勝利となりました。

共和党牙城 相次ぎ陥落

CNNでは、特番体制で、刻一刻と更新される情報を伝えています。一部の州で、まだ投票が続いていたとき、その一報が入りました。

CNN
「民主党による下院の奪還が確実。これは大勝利です」

元々、有力視されていた民主党の下院奪還。焦点となった上院選の動向も、次々と報じられていきます。

CNN
CNN
「民主党にとって歴史的な勝利。テキサス州でタラリコ氏が当選確実」

共和党の牙城が、次から次に崩れていきます。

CNN
CNN
「またも大きな番狂わせです。民主党・ハミルトン氏がカンザス州で当選が確実。民主党にとって、1932年以来の勝利です」
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テキサス州で38年ぶり勝利

民主党が、テキサスで上院の議席を獲得するのは38年ぶりのこと。タラリコ氏は、イーロン・マスク氏が共和党に巨額のマネーを投入するなか、富裕層への対抗を打ち出してきました。

民主党上院 タラリコ氏
民主党上院 タラリコ氏
「私たちは、いまテキサスを取り返した。どんな大金を積んでも、テキサス州民には勝てない。“分断の政治は愛の政治に勝てない”これを証明した」

中西部カンザス州で、共和党の現職を破った牧師のハミルトン氏。上院選で民主党が勝つのは、94年ぶりのことです。

民主党上院 ハミルトン氏
民主党上院 ハミルトン氏
「民主党が約1世紀ぶりに“真っ赤なカンザス”で勝利した。ワシントンの政治は容認できないと、人々が党派を問わず示した」

そして、最大の山場を迎えます。

CNN
「上院で、民主党が過半数を確保する見込みです。トランプ政権の残り2年は、民主党が議会を主導して、2028年の選挙に臨みます。民主党としては大勝利。共和党とトランプ氏の“惨敗”です」

その後、ミシガン州でも、民主党・エルサイード氏が、当選確実となりました。国民皆保険の導入や、イスラエルへの軍事支援打ち切りを主張してきた人物です。

民主党上院 エルサイード氏
民主党上院 エルサイード氏
「平和、尊厳、自己決定権を尊重するのは、憎しみではない、愛だ。税金が使われるべきなのは、学校や医療、インフラであって、他国の人種隔離や大量殺戮、戦争ではない」
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圧勝の背景に物価高騰の影

直前の情勢調査で、接戦州となっていた9つの州。民主党は、その大半を制し、54議席を獲得することが確実となりました。

上院選 最新情勢

有権者の調査では、約9割の人が、投票するにあたり、生活費の問題を重視したと回答。物価高騰の主な原因が『トランプ大統領の政策にある』と答える人が6割を超えています。

有権者調査
有権者
「みんな苦しんでいます。ガソリン代、食料品、光熱費など、値段が高すぎて、食べ物すら、まともに買えません」
有権者
「現状にもMAGAにもうんざり。軽油の価格に悲鳴を上げています」
有権者
「イランの戦争が最も切実で、アメリカの対外紛争に不安を覚えました。これから数年は、紛争を沈静化できる政治家が必要です」
有権者
「暮らしを良くする人物を選ぶために、権利を行使するんです」
有権者

「戦争なければ異なる結果」

共和党の政治コンサルタントは、こう語っています。

共和党政治コンサルタント バレット・マーソン氏(CNN)
共和党政治コンサルタント バレット・マーソン氏(CNN)
「正直なところ、責任を問われるべき人物は、ただ一人だ。戦争が起きなければ、選挙戦は全く異なるものになっていた。その戦争を始めた人物は、ただ一人だ」
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トランプ氏「私には拒否権」

当の本人は、ホワイトハウスで開票速報を見守り、姿を見せることはありませんでした。ただ、電話取材には、いくつか応えています。

アメリカ トランプ大統領
アメリカ トランプ大統領
「民主党には、祝福を伝えたい、よくやった。彼らは11年間、勝利を目指し、ついに手に入れたが、これが自分への“批判”とは思わない。この2年間、経済面と政策で、歴史上、最高の成果を出した」

大きな敗因とみられているイランとの戦争については、こう話しました。

アメリカ トランプ大統領
「イランは、一因だったと思うが、私の判断が重要だったことは、国民に理解されていた。今夜の敗戦よりも、ずっと重要な歴史になる。
最大のテロ支援国家が、核兵器を保有していいわけがない」

中間選挙敗北で生じる大統領と議会のねじれ。
トランプ大統領は、ニューヨーク・タイムズの取材には「民主党と協力する」と答えた一方、自身のSNSには、拒否権を意味する『VETO』と書かれた赤い帽子の画像を掲載しました。

『VETO』と書かれた赤い帽子
アメリカ トランプ大統領
「私には“拒否権”がある。大統領の強力な権限の一つだ。常軌を逸した法案は、私が拒否する。最後に、彼らは連絡をよこすだろう『どう成立させれば…』と。そこで協力すればいい。民主党に友人が大勢いる」

イラン 結果を「全面的に支持」

投票日前日にも、アメリカ軍の攻撃を受けたイラン。アメリカとの交渉を担当するガリバフ国会議長は、選挙結果に、こう反応しました。

アメリカ軍の攻撃を受けたイラン
イラン ガリバフ国会議長のX
「良心からか、生活苦からか、アメリカ国民は『戦争にNO』と意思を示した。我々もそれを全面的に支持する。アメリカ政府が、自国民の民意を裏切るなら、我々からの『NO』には悪夢が伴うと思い知るだろう」
イラン ガリバフ国会議長のX
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トランプ政権運営への影響は

アメリカの政治に詳しい、上智大学の前嶋和弘教授に話を聞きます。

上智大学 前嶋和弘教授

(Q.民主党が躍進しましたが、ここまで共和党と差がつくと予想していましたか)

アメリカ中間選挙
上智大学 前嶋和弘教授
「最近の世論調査の流れは明らかに民主党で、世論調査から考えられる最も民主党寄りの結果が出てきたように見えます。そもそも中間選挙は、大統領選挙に比べて10~15ポイントぐらい投票率が少なくなる。大統領の応援団が行かない。その意味で大統領、共和党側が不利ですが、すでに民主党側が取った数字が過去の平均よりも上回っています。最近の世論調査の流れを見るとギリギリ想定内、でも大きな変化であるのは間違いないです」

(Q.連邦議会は上下院とも民主党が優勢となる議会。トランプ大統領の政権運営にどのような形で影響が出ますか)

拒否権
上智大学 前嶋和弘教授
「議会がやれることは2つです。1つは、法律を作ってやっていく。これは最終的に上下両院を通ったとしても、トランプ大統領が拒否権を出してくる可能性がある。だからなかなか通らないかもしれない。拒否権が出てきたら。上下両院で3分の2を集めれば。ひっくり返すことができますが、それはなかなか難しいという状況です。もう1つやれることは、トランプ大統領がこれまでやったことへの捜査・調査です。例えば、イランをなんで攻撃したんだ。関税は何でこうなったんだ。トランプ大統領は、なぜ自分の資産が1.6倍になってるんだとか。様々な調査は出てくるので、大きくムードが変わってくる。法律で変えていくのは難しいけれども、様々な調査・捜査でムードが大きく変わってくる。トランプ大統領、トランプ政権がやってきたことは果たして良かったのか。こういうことになってきます」

(Q.“トランプ流”の政権運営に変化は出てきそうですか)

トランプ大統領
上智大学 前嶋和弘教授
「なかなか難しいと思います。選挙の前の段階で、共和党は上下両院で多数派ですが、弱すぎるんですよね。下院では5議席差で、党議拘束がないのでほぼ同点。トランプ大統領がやりたい、移民の追い出しや関税だったりは、議会が決めないといけないですが、全然法律が作れない。上院の方は100人いますが、60票ないといけないというルールで、共和党は53しかない。トランプ大統領は何も公約を果たせない状況で何をやったかというと、議会を迂回した。例えば移民対策では江戸時代、1798年の法律を持ってきた。関税だったら70年代の緊急事態法を持ってきた。いわゆる相互関税については最高裁が止めましたが、また別の70年代のいくつかの法律で延命させているのが今の関税。要するに議会をうまくすり抜ける形、ルールを飛び越えてやってる。このやり方は恐らく変わらないです」

(Q.トランプ大統領は「民主党と協力する」と取材に答えていました。これはどういう文脈で捉えればいいですか)

トランプ大統領
上智大学 前嶋和弘教授
「あいさつみたいなものであって「VETO」と書かれている帽子、あれが本音でしょう。恐らく止めていくぞということだと思います。要するに今の議会と同じやり方をする。これは“パンドラの箱”を開けてしまいました。次がもし民主党政権だったら同じことされるわけです。これまでの大統領がやらなかったことをやってしまった。トランプ流は恐らくまだ続くので、大きな変化だけど現実はそんなに変わらないかもしれないとみています」

(Q.残り2年しかない任期の中でレームダック化していくと、共和党の中でさえも、トランプ大統領から距離を置く人もいると思います。エネルギーが失われる中でトランプ流は貫けるのでしょうか)

上智大学 前嶋和弘教授
「最後の2年となってトランプ離れが起こるかもしれないです。ただ、トランプ大統領が2016年の選挙に勝ってから、ずっとトランプ離れは起こっていません。さらに世論調査を見ると、今回はトランプ応援団が行かなかった選挙です。例えばCBSの10月末の調査だと、全体のトランプ大統領の支持率は39だけど、共和党支持者に限っていえば86%。だからまだ人々はトランプから離れていないと思うと、議会の方もトランプ大統領と一緒にいた方がいいのではないかという論理も恐らくある。ラスト2年でトランプ離れが起こるかどうか。これこそ明日からの注目点でしょうね」

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