運航会社 数年前に「全員解雇」 知床観光船事故[2022/04/25 13:36]
23日、北海道・知床半島の沖合で観光船が浸水し、その後、消息を絶った事故。
観光船には、3歳と7歳の子どもを含む乗客24人と、船長ら乗員2人が乗っていました。
番組の取材で、運航会社は数年前に従業員を一斉に解雇し、事故を頻繁に起こすようになった実態が浮かび上がってきました。
事故を起こした運航会社のツアーは、どのようなものだったのでしょうか?
「KAZU1」が運航していたのは、船の上からヒグマなどの野生動物や、高さ約30メートルの「カシュニの滝」を間近で見られるコースです。
2018年に撮影された「KAZU 1」の映像では、当時はまだ、ベテランの船長や甲板員が3人態勢で運航していました。
同じ会社の別の観光船に乗った男性によると、その前日は波が荒く、欠航になったといいます。
2018年「KAZU 3」に乗船した男性:「『きのうみたいに波が高いと、船が出せないんですよ』と言われた。船長が親切に、子どもたちに魚群ソナーを見せてくれて、『ここが深くて、ここは浅い』『結構、運転が難しいんだよ』と説明してもらいました」
斜里町観光協会のホームページによりますと、同じルートを運航する会社は全部で5社あり、他の4社はゴールデンウィークが始まる今週末から運航を始める予定でした。
しかし、事故を起こした会社だけは、約1週間早く、23日から営業を開始し、事故を起こしたのは、その最初の便でした。
第1管区海上保安本部は、船長に対し、業務上過失往来危険と業務上過失致死容疑を視野に捜査を進めています。