野中元官房長官 尖閣棚上げ論の詳細を語る[2013/06/07 19:31]

 先日、中国を訪問した野中元官房長官はBS朝日の番組で、田中角栄元総理大臣から聞いたという尖閣問題棚上げ論の経緯を語りました。

 野中元官房長官:「(田中元総理が)尖閣の題を出したら、周恩来さんが『田中さん、その問題は、今度はやめときましょう。この問題に入ったら、この話(日中国交正常化)はできなくなりますよ』と。そしたら、大平君(当時外務大臣)が非常に気を利かせて、『いや、田中さんは帰った時に右の方から言われるから、ここで一言言っておかなければと言ったんですよ。これは、それで結構ですから、静かにいきましょう』と言って、問題は棚上げになったんだと」
 野中氏は、日中国交正常化に向けて当時の田中総理大臣と大平外務大臣が訪中した際に、このようなやり取りがあったと田中元総理から聞いたことを紹介しました。そのうえで、「いつ、どんな衝突が起きるか分からない」と懸念を示し、日中関係を正常な形に戻すために棚上げ論を明らかにしたことを強調しました。野中氏はまた、安倍総理が力を入れている憲法改正の発議要件を緩和する憲法96条改正について、「憲政の常道として、やるべきでない」と反対の考えを示しました。さらに、「世界で日本だけが原爆を落とされた国で、福島第一原発事故で大変な苦労をしているのに、どうして原発を他国に売るようなトップセールスをやるのか」と述べて、安倍外交の姿勢を厳しく批判しました。

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