会談前に朴大統領 歴史認識際立たせる作戦に[2014/03/26 11:48]

 安倍総理大臣と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の会談は、歴史認識問題は触れないという前提で実現しました。しかし、日米韓の連携を嫌う中国の習近平国家主席は、この会談に先んじて朴大統領と会談し、歴史認識を際立たせる作戦に打って出ました。日本側は今回の会談をきっかけに中国と韓国の間にくさびを打ちたい考えで、日中両国のつばぜり合いが激しさを増しています。

 (政治部・足立直紀記者報告)
 ようやく実現した朴大統領との会談の冒頭、安倍総理はカメラの前で、韓国語で直接、話し掛けてみせました。
 安倍総理大臣:「朴大統領、お会いできて光栄です」
 安倍総理は、この韓国語を直前に練習して臨んだそうです。会談は、北朝鮮問題中心の安全保障に議題を絞ったため、意見の食い違いは出ませんでした。
 安倍総理大臣:「(今回の会談を)未来志向の日韓関係に発展させていく第一歩にしたい」
 中国は、習主席が先手を打って朴大統領と会談し、わざわざ安重根(アン・ジュングン)問題を持ち出しました。歴史問題で日本と韓国の間にくさびを打つ作戦です。今回は靖国参拝や慰安婦問題は封印して、とりあえず会談は実現しましたが、歴史認識を巡る溝は深く、日韓関係の雪解けとは簡単にいかない状況です。

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