G7で安倍総理「ロシアにやさしく、中国に厳しく」[2014/06/05 11:46]

 ベルギーで開かれているG7(先進7カ国)首脳会議は、1日目の討議を終えました。ウクライナ問題を巡っては、G7が3月に出したハーグ宣言で「分野別に制裁強化」などロシアに対する厳しい文言が盛り込まれましたが、今回の共同声明では「情勢次第で追加制裁」という文言にとどまり、対話路線をにじませています。

 (政治部・足立直紀記者報告)
 ロシア抜きの7カ国で行われたサミット初日は、2時間40分のうち大半がウクライナ情勢で、首脳たちは上着を脱いで意見を戦わせました。安倍総理大臣は、「ロシアを責任ある国家として、国際社会の問題に関与させていくことが重要だ」と主張し、外交的解決の重要性を強調しました。ロシアへの制裁強化を求めるアメリカやイギリスとは対照的に、融和路線を訴えた形です。しかし、一転して、中国に対しては、厳しい姿勢で議論をリードしました。
 安倍総理大臣:「力による威嚇は許されない。平和的に解決されるべきである」
 共同声明には、中国を名指しこそしませんでしたが、「力による一方的な試みに反対」という文言が盛り込まれました。安倍総理としては、ウクライナ問題でオバマ大統領の顔色をうかがいながらも「中国包囲網」では狙い通りの展開となった形です。

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