維新・橋下氏が引退決意 安倍政権のホンネは…[2015/05/18 17:08]

 住民投票の結果が波紋を広げています。永田町への影響について、国会記者会館から報告です。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 (Q.安倍政権は今回の投票の結果、そして橋下さんの政界引退をどう受け止めている?)
 ある政権幹部に話を聞いたんですが、「橋下さんが勝って一緒にやるのが一番やりやすい」と話していましたので、今回のことは「あてが外れた」というのが本音だろうと思います。どういう意味かと言いますと、将来の憲法改正も見据えて政権運営での協力を「あてにしていた」ということなんです。憲法改正の発議に必要な3分の2の議席ですが、衆議院では与党だけで確保しています。問題は参議院です。自民党と公明党と維新を足しても、3分の2には届きません。つまり、仮に来年の参院選後に発議を目指すとしても、今回の住民投票で弾みをつけて維新にも一定の議席を占めてもらわなければいけないということなんです。これだけではありません。政権側は、秘密保護法もそうでしたが、与野党の対決法案では維新側にも修正協議を持ち掛けていましたが、これが公明党への牽制(けんせい)となっていた面もあります。今後、維新が失速していくなかで、与党内での公明党の発言力が増してくる可能性もあります。
 (Q.野党第二党である衆参で50議席以上持っている維新の党の江田代表も辞任を表明している。野党への影響は?)
 まず、維新ですが、橋下さんの引退表明に加えて、江田さんも「代表を辞める」と言っています。党内は「分裂への危機感」から混乱に陥っています。そして、一方の野党第一党の民主党は、民主党を軸に維新を吸収する形での「野党再編」に期待する声が高まっています。ただ、ある民主党のベテラン議員が「信頼を回復していない民主党中心の再編では、維新支持層が逃げていく」と話していて、再編の機運そのものが高まらないのではないかと分析していました。

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