派遣巡る法案成立へ 同一労働・賃金は“骨抜き”?[2015/06/19 11:48]

 派遣労働の期限を事実上、撤廃する労働者派遣法の改正案がまもなく衆議院を通過します。今の国会での成立は確実となります。

 (政治部・原慎太郎記者報告)
 衆議院本会議場でこの後、労働者派遣法改正案は可決される見通しです。安倍総理大臣は改正の意義を訴えました。
 安倍総理大臣:「派遣の道を選んでいる方々については待遇を改善をしていく。正社員の道を希望している方々についてはその道を開いていく。そのための法案であることは強調しておきたい」
 同時に、同じ仕事をする派遣労働者と正社員の賃金水準をそろえる「同一労働・同一賃金法案」も可決されました。ただ、この法案はもともと、民主や維新が共同提案していた原案の「待遇の均等の実現を図る」という文言を与党と維新が「待遇の均等および均衡の実現を図る」と修正しています。「均衡」、いわゆる「バランス」を取る文言が加えられたことで、正社員と派遣労働者が同じ賃金を得ることができるのかはあいまいな内容になっています。そのため、民主党からだけでなく、維新の党内からも「骨抜きの法案といわれてもしょうがない」という冷ややかな声も上がっています。

こちらも読まれています