総理の“会期延長”戦略 与野党は「丁寧な審議」?[2015/06/25 11:52]

 会期延長に野党が反発し、丸2日間、止まっていた国会ですが、安倍総理大臣が夏休み返上で「95日間の会期延長」と「丁寧な審議」を掲げたことで、対抗しきれず審議に復帰した野党。丁寧な審議を掲げられたことで安保法案を廃案に持ち込みたい民主党は、改めて審議を拒否して採決を引き延ばすのは難しい状況で、戦略の見直しを迫られます。

 (政治部・原慎太郎記者報告)
 3日ぶりに正常化した国会では、農水委員会で審議が行われていて、25日午後からは総理が入って質疑が行われます。26日は安保法案を巡り、安倍総理に対する質疑が行われる予定です。ある民主党の幹部は「うちにとってはベストシナリオだ」と述べています。大幅な会期延長を逆手に取って攻撃を続け、安保法案を強行採決に持ち込ませて与党の乱暴な国会運営を印象付ける。そして、解散に持ち込むという狙いです。一方で、政府・与党側からは「同じ質問の繰り返しだ」と最後まで攻め続けられるかという疑問の声も上がっていて、民主党にとっても力量を問われます。また、維新の党が安保関連法案の独自案をまとめて与党とも協議をする動きを見せるなど、野党のなかでの戦略も同じではありません。民主党は「安保廃案」の一点で野党共闘を模索していますが、分断を狙う政府・与党との水面下での攻防は、与党側が衆院通過を目指す来月上旬に向けて激しくなりそうです。

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