深夜の“50分”共同発表 「深い遺憾」両国思惑は?[2016/05/26 17:25]

 サミットに先立って行われた日米首脳会談で、沖縄県の女性遺棄事件について「深い遺憾の意」を表明したオバマ大統領。しかし、沖縄からは失望・反発の声が上がっています。オバマ大統領が三重県に入ってすぐに日米首脳会談、そして、その後に共同記者会見が行われました。

 (政治部・藤川みな代記者報告)
 (Q.安倍総理大臣は相当強い言い方でアメリカ側に抗議したようだが?)
 断固たる抗議をしたということで、その20分間の少人数会合すべての時間を使って沖縄の問題を話したというふうに安倍総理は述べていました。それに対して、オバマ大統領が「心からのお悔やみ」と「深い遺憾の意」を表明したということですが、日本政府の関係者は「ストレートな謝罪の言葉があったかどうかということよりも、オバマ大統領が再発防止に向けた決意を示した、ということで思いは伝わったんだ」というふうに受け止めています。
 (山下達也記者報告)
 (Q.アメリカ側はどういうふうに受け止めて、伊勢志摩に乗り込んできた?)
 当初は「アメリカ軍を辞めた人である」ということでとらえていましたが、時が経つにつれて、深刻さをさらに認識したという状況でした。そして、オバマ大統領から25日、明確な謝罪がありませんでした。これが非常に不可思議なところですが、実は会談の直前にケリー国務長官と岸田外務大臣が電話で会談し、その場でケリー長官が「深い謝罪を示す」と伝えました。さらに、今週の初めにカーター国防長官も中谷防衛大臣に謝罪を伝えています。なので、なぜアメリカ政府のなかで言葉を統一してオバマ大統領が謝罪しないのか不可解ですが、オバマ大統領はこの後、広島県に行きますが、広島に行くこと自体、原爆投下を謝罪する「謝罪外交だ」という声もアメリカ内で少しくすぶっています。ですので、今回の訪問を通して日本側に謝罪したと報道されるとか、そういうふうにとられるのをオバマ大統領は避けたのではないかと思います。

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