新たな訴訟・ヘリパッド着工…なぜ、このタイミング[2016/07/22 11:48]

 アメリカ軍普天間基地の沖縄県名護市辺野古への移設を巡る問題です。政府と沖縄県の訴訟合戦は今年3月、いったん和解していました。しかし、政府は22日午前、辺野古沖の埋め立て承認の取り消しを沖縄県が撤回しないのは違法だとして新たな訴訟を起こしました。政府がこのタイミングで再び訴訟を起こし、さらにはヘリパッドの工事にも着手したのはなぜでしょうか。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 まず普天間の問題についてですが、今年3月に国と県が和解した時には第三者機関の判断を受けた後、参院選後でもある今のタイミングで沖縄県が提訴するという想定になっていました。しかし、翁長知事は提訴せず、話し合いを続ける方針を示しています。これを政府側は決着の引き延ばしを図る「政治的な戦術」とみていて、沖縄県が提訴しないならということで訴訟を起こすことを決めました。政府側は裁判には勝てるとみていて、沖縄県との対立に終止符を打ち、普天間基地の危険除去に向けて手を進めたい考えです。次にヘリパッドの工事についてですが、普天間の移設に合わせて基地負担の軽減をアピールしたい政府側は積極的です。そして、基地の縮減につながるだけに、翁長知事も反対できないだろうとみています。政府高官は「できれば年内にヘリパッドの完成と北部訓練場の一部返還を実現したい」と話しています。

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