総理の狙いは?内閣の顔ぶれ固まる 経験者ら多用[2017/08/03 11:45]

 3日午後に発足する内閣の顔ぶれが固まりました。安倍総理大臣と距離を置いてきた野田聖子氏が総務大臣に、ムダ撲滅などで政府に厳しい指摘をしてきた河野太郎氏が外務大臣に起用されます。また、日報隠蔽問題で大臣以下幹部が辞任する事態になった防衛省には小野寺五典氏が再登板、加計学園問題で揺れる文部科学省の大臣には林芳正氏が就任します。

 (政治部・藤川みな代記者報告)
 官邸では辞表取りまとめの閣議が行われていて、まもなく終わる見通しです。今回の改造は閣僚経験者らを多く取り込み、専門分野で力を発揮することを期待しています。野田聖子氏は郵政大臣経験者、河野氏は国際派として知られ、アメリカにも豊富な人脈があります。また、経済再生担当大臣に就任する茂木敏充氏は閣僚や党の要職を歴任した調整力が期待されて、安倍政権の目玉政策である教育無償化など「人づくり革命」を担当します。初入閣は6人にとどめ、そのなかでも環境大臣に就任する中川雅治氏は元環境省の事務方トップ、農水大臣に起用される斎藤健氏も農協改革など農業政策に携わってきた実績があります。午後1時半ごろには、菅官房長官が閣僚名簿を発表し、その後、皇居での認証式を経て、夕方には改造内閣が発足します。
 (Q.安倍総理の一番の狙いはどこにある?)
 政府幹部は、今回は「支持率が上がるかどうかではなく、落ち着きを取り戻すことが大事だ」と述べています。加計問題や稲田前大臣の進退を巡っては、安倍総理に対して「身内びいき」だという批判が与党内からも噴き出していました。安倍総理としては、自らと距離を置く野田氏や、歯に衣着せぬ発言で知られる河野氏を起用することで多様な意見に耳を傾ける幅の広さを示したい考えです。

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